【創作物語】騒音の神様 115 竹之内社長、万博現場に向かう。

社長、竹之内は朝から万博の造成現場に向かっていた。竹之内がまたがるハーレーダビッドソンが、ドドドドと地鳴りのような音を響かせて走る。1960年代、ハーレーに乗る者は少なく竹之内にとっては、成功の証だった。
 竹之内は、真っ直ぐ現場監督の元へ向かう。だいたいの出来事について話した後、監督からも話を聞いた。竹之内は監督に「うちのもん、とりあえず休ませるんで、」と言うと現場監督は「ええ、それはちょっと」、と言いかけてやめた。竹之内社長はやり手だと言う事は、現場監督なら誰もが知っていた。現場監督は、「わかりました。」と答えた。竹之内は、まず体と態度がデカイ男を探して現場内を走る。デカイ男が今日働いているであろう場所は現場監督から聞いていた。竹之内はデカイ男がいるであろう場所についたが、まだ誰もいなかった。竹之内は、デカイ男を待つことにした。ハーレーにまたがって待っていると、竹之内工業の、夜勤担当の者が走ってきた。「社長、どないしたんですか、こんな朝から。何かあったんですか、」と聞いた。竹之内は、「そや、あったんや。ヒジ打ち男と、態度と体のデカイ男、この二人について何か知ってたら教えろ。」聞かれた従業員は、自分が知っていることを竹之内社長に伝えた。竹之内は、「そうか、わかった。助かる。今日はご苦労さん、気つけて帰れよ。直帰か、」と聞くと従業員は、「はい、僕は直接帰ります。何人かは会社戻ります。」と言った。竹之内は、「そうか。今日の昼のやつらは休みにした。怪我したからな。まあ、ご苦労さん。」従業員は、心配になるような言葉を聞いてしまったので会社に戻ってみることにした。「ヒジ打ち男、態度と体のデカイ男、うちのもんが怪我、こらえらいこっちゃ。どないなっとるんや。」

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