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【連続小説】騒音の神様 100 100キロの荒本登場

「タッパは一八三や。体重は百や。ちょうどや。ちょうど100キロなんやオレは、」荒本は、ドヤ、と言わんばかりに答えた。「オレにしてみたら、みんなちいちゃいんや。ちっさすぎ。あのヘルメット男も、ちいちゃいちいちゃい。」そう言いながら荒本はタバコの煙をぷかーと空に吐き出した。荒本はまだ話し続ける。「まっとけ、ヘルメット変態男。いきなり現場来て、小さい人間たちをしばきまくるって、そうとう変態やろ。オレんとこ来んかい。ワシがあんパン食いながら弾き飛ばしたらあ。」そう言いながら荒本はまた空に向けて煙をはいた。聞いていた皆は、「頼むで荒本。お前は休憩してあんパンばっかり食うとるんやから、あいつ倒して役に立ってくれ。」「そやで荒本、この休憩もお前のためやで、」。荒本はこれを聞いて怒りもせず、「まかしとけや。こういう時の為の荒本様や。小さい奴を踏み潰すための百キロや。はっはっはっは、ハハハハハハ、、、みんなも笑わんかい。」そう荒本が言った頃には、皆立って仕事に戻ろうとしていた。「荒本、はよ仕事せえ。」荒本は、「もう仕事かい、汗が止まらんわい、」と言いながら無駄に胸を張ってのしのしと持ち場に戻った。

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