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【連続小説】騒音の神様 116 竹之内とデカ男の遭遇

竹之内塊童が現場で待っていると、複数の作業員がやってきた。その中に、目立って大きな体格の男がいた。竹之内は、「あいつやな。」とすぐにわかった。大きな体の男、荒本は目が腫れていた。竹之内は堂々とまっすぐ近づいて行く。目当ての男の目の前に行くと、「その目、どないしたんや、」と竹之内は言った。荒本は「ああ、これか。昨日、ちっちゃい奴がなんか、ちょこまか暴れててなあ。ちっちゃい拳が目に当たったんかなあ。手ぇも、ちっちゃいから、見えへんかったけど、ダハハハハ、」とわざとらしい大笑いをした。それから荒本は続けて「なんやオッサン、昨日のちっちゃい奴と、、」と続けて話す。竹之内は話の最中に顔面に右ストレートをぶち込んだ。ドガっ、荒本の巨体がぐらついた。周りにいた男達がすぐに「なんや、われいきなりコラ」と竹之内に向かって来る。竹之内が何か動いたそぶりを見せた後、二人の男が崩れ落ちた。荒本が太い腕をハンマーのように振り回しながら、竹之内に突進して来た。竹之内は避けようとせず、前に出ながら荒本の巨体を体で受け止めた。それから左のボディパンチを連打し出した。荒本は「きくかいオッサン」と言いながら腕を棒のように振り回し、竹之内に叩きつける。

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