【連続小説】騒音の神様 64 神様、日本の人口一億人に驚く。

花守らが、雨でびしょ濡れの夜を過ごして朝が来た。朝になると雲は去り、太陽の光が差してきた。皆、「今頃かい、今頃雨やむんかい、」と言いながらも気持ちが良かった。仕事を終えて帰る頃にはセミが鳴き出し「もうセミかい、」「梅雨や思てたら夏かい、」と皆何かを口にしながら現場を離れる。花守は夏が好きなので、元気が出て来た。花守は家に着く前に、土手でカブを走らせようと大和川に寄った。だが川は増水していて、バイクを走らせている場合ではないと思い家に帰った。家に帰ると神様はいないので、花守は今日の万博遠征は無いと判断した。もう一度、太陽が眩しい、セミの声が元気よく聞こえる外に出た。しばらく歩いて、土管が置いてある空き地に行く。土管の片方を持ち上げたり、土管の上へのジャンプを繰り返して行った。息が上がり、汗が出るまで体を動かした。その後でやっと朝から開いている銭湯に行き、汗を流した。水ばかり頭からかぶる。その後、水風呂につかる。花守は体力が溢れて来て仕方がなかった。家に帰ると腕立て伏せをしてから寝た。

 神様は、図書館にいた。日本の人口に関する本だ。「い、一億人、い、い、一億人、一億人、どう言う数や、」と神様は静かな図書館で思わず声を上げた。一九六七年、日本の人口が一億人を超えたと言う文字を読んだのだ。「すさまじい数や、人口や、一億人、一億人、、」神様は子供の数を調べたかったのだが、それどころではなくなった。一億、という途方もない数字に圧倒されしばらく一億人を想像してみようと数時間かかって疲れた。

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