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白杖歩行をソニーのテクノロジーでサポートしたい

ソニー広報部のNSです。 先日、白杖を使った歩行をサポートする提案「エコロケーションプロジェクト」の一環で、サウンドの設計、商品企画、デザイン、R&Dに携わる社員が立ち会い、白杖歩行をしている皆様との実証実験を行いました。

ソニーでは、テクノロジーを活用して多様なお客様の生活を豊かにしていくことを目指し、こうした実証実験やユーザビリティテストを行いながら、お客様から生の声をいただく活動を行っています。

完全ワイヤレス型ヘッドホン「LinkBuds」の活用

実験では、白杖歩行者に耳をふさがず外音を取り込めるソニーの完全ワイヤレス型ヘッドホン「LinkBuds(リンクバッズ)」をつけてもらい、白杖には障害物を検知するセンサーを装着しました。そして、白杖では届かない範囲の障害物を音で知らせるという、オーディオ技術を駆使した伝え方が白杖歩行に役立つかを試してもらいました。併せて白杖を使ってどのように歩いているか、どのように障害物をよけるのか、といった普段の行動についてもヒアリングを行いました。

“生の声”はさまざま

複数回の実験を通じて、被験者の方々から以下のような様々なご意見をいただきました。

・センサーは手持ちより白杖に取り付けられる方がよい。カバンに入れられるのであればなおよい。
・軽量かつ折り畳みのできる白杖に、重いセンサーが加わると持ち運びが大変になり、携帯性が損なわれて不便。
・障害物だけでなく、曲がって歩いていることや階段・エスカレーターの上り下りが事前にわかると助かる。
・通知は、もっとシンプルな音でよい。人の声でもよいが、聞き逃すともう一度聞きたくなる。外の人の声との判別もつきにくい。

こうした実際の歩行者ならではのご意見に、立ち会った関係者一同、なるほどと感じると同時に、今後へのいろいろな課題を認識しました。そのうちの一人、ソニーグループ(株)R&Dセンターの横山さんは、「ソニーのAIや立体音響を活用した技術が、視覚障がい者の方が外出される際の一助となればよいなと思います。」と話していました。

百聞は一見に如かず

私自身も当日、音大の大学院に通う被験者の女性の白杖歩行を間近で見て、またお話を伺い、意外だったことがあります。

・予想以上に歩くスピードが速いこと。
・外を歩くのに怖い感覚はあまりなく、人にケガをさせたりトラブルになったりするのが怖いとおっしゃっていたこと。
・骨伝導ヘッドホンで音楽を聴きながら街を歩いている、ということ。(音質のよい骨伝導ヘッドホンがほしいという要望もいただきました。)
・白杖で人やモノを傷つけないためにすぐに引っ込められるように、白杖の持ち方を変えていること。

白杖をすぐに自分側に引っ込めるための持ち方

安全にホームを歩くために

そうした中でも最も印象的だったのは、駅のホームを点字ブロックに沿って歩く際に、人や障害物に出くわすと、避けるために点字ブロックから線路側へ避けていたことです。
「なぜ線路側!?」と驚いて理由を伺うと、「ホームの内側に避けると人がいる可能性が高く、ぶつかってケガをさせてしまうリスクがあるから」とのことでした。
より安全な場所にいるはずの私たちが、落ちるリスクの高い白杖歩行の方に配慮してもらっていることを知り、心苦しさを感じるとともに、もっと誰にでもやさしい社会づくりの必要性を痛感しました。やさしい社会づくりにソニーのテクノロジーが貢献してくれることを願い、私も広報としてサポートしていきたいと思います。

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すべての人に寄り添う製品を目指して|ソニー株式会社|広報note|note

執筆:広報部NS


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