九十三話 お冷やお持ちします

髪をアッシュグレーに染めた?ボーイッシュな女の子を客と、間違えそうになった私。
服もグレーなフード付きのパーカーを着て、下は際どいホットパンツを履いている。
摩耶という名前の少女に中二病は古いといわれ、落ち込む私。
なんと摩耶はこの店のメイドだった。
摩耶は、青く爽やかなメイド服を着て、可愛らしかった。
そして、ものすごく短いミニスカートを履いている。
あまりに短いから、縞々のパンツが丸見えになっていた…。
それはさておき、ついに本当にお客様基いお嬢様がお帰りになってしまった…。
私は満足に挨拶もできない…。
翼さんは優雅に接客している。
私も翼さんみたいに、いつか接客できるかな?
そんなことを思っていると、翼さんにお嬢様方にお冷やをお持ちしてと、言われてしまった。
私は初めての接客に、ガチガチに緊張してしまう…。
銀のトレーに、お冷やのコップを乗せて、お嬢様方の元に向かう…。
硝子のコップに入ったお冷やをこぼさないように、そろりそろり歩く…。
私の緊張はピークに達していた…。

「お、おがえりなざ…いまぜ、お、おぜうさま…」
テーブルに座っているお嬢様方に挨拶する私。
でも、緊張のあまり訛ってしまった…。
恥ずかしい…。恥ずかしすぎる…。
いくら田舎?生まれでも、訛りが出なくても…。
お嬢様方は、二人いて一人は髪の長い美人なお嬢様だった…。
もう一人はショートカットでボブカットの愛嬌のあるお嬢様だ…。
「ぷぷぷっ…!何その挨拶面白すぎる…!」
ショートカットのお嬢様が、すごい笑っている…。
笑われると、また恥ずかしくなって来た…。
「お冷やでごぜぇます…。しづっれいしまず…」
あぁぁぁっぁぁ、また訛っちゃった…。
こんなことならいっそのこと、中二病で接客すればよかった…。
一応、お冷やはこぼさずテーブルに置けたけど…。
「なんで訛ってるの…?あなた新人さんでしょ?可愛いわね…」
髪の長いお嬢様が、クールに言った。
クールに言ってるけど、めちゃくちゃ顔がニヤケてる…。
うぅ、初めての接客めちゃくちゃ失敗だぁ…。
私は顔を真っ赤にして、恥ずかしさに震えた…。

そうこうしていると、私の太ももに違和感を感じた…。
違和感というか、ニーソとスカートの間の絶対領域を誰かが、触っているのだった…。
え?え?誰!?触ってるの!?
「新人ちゃんの絶対領域、とてもいい触り心地ね…」
髪の長いお嬢様がうっとりした顔でいいながら、私の脚を撫でている…。
「この店は、お嬢様に限り、お触りOKなのよ…」
いつのまにか私の背後に立っている翼さんが、耳元で囁く…。
お、お触りOKなお店!?嘘でしょ!?
私はビックリして、尻餅をついてしまった…。

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