日本画勉強の記録六:かな書道
2021年4月からかな書道を習い始めました。
日本画の教養として書道、特にかな書と変体仮名を学ぶのがいいと池上先生の教室を通して知ったからです。
日本画家の渡辺省亭は師の菊池容斎から3年間の修行期間はひたすら文字を書く習練に明け暮れたという話も知りました。
これまでに私は一度も書道を習った経験はありません。
そんな私ですが、学び始めて3ヶ月後に先生のご提案でオンライン書展に無謀ながら応募しました。
1ヶ月ほどで作品を苦心して仕上げました。
同時に寸松庵の素晴らしさに感動しました。
空間処理能力と言えばいいのでしょうか、
なんと言えば良いのかわからないのですが、
とにかく完璧なのです。
この美は並大抵の努力ではわかることはないということだけはわかりました。
私が教わっている長沼玲子先生の師である内山玲子先生は、
1ミリの筆の動きがわかるそうです。神の領域です。
かな文字は平安朝の書体を最高峰とし、
その後のいかなる時代もこれに及ばないそうです。
勉強する順番として、
かな文字は、いろは歌、変体仮名、連綿、作品の順に学んでいくのだそうです。
初めて見る変体仮名は全く読めません。
ただ長い日本の歴史から見ると和洋の書は900年と続いていて、
江戸時代までは幕府の正式書体だったので、
150年ほど前までに使われていた文字だったんだと思うと勝手に親近感が。
ゆくゆくは画賛の字も読めて書けるようになったら理想です。
池上先生が葛飾北斎の絵に書かれた字をお読みになっていたのを思い出します。
今回応募した作品は先生がプレゼントしてくれた寸松庵掛けに保管して家に飾っています。こうして作品として形になるのは嬉しかったです。
練習する日を重ねたあかつきに、恥じて代わりにまた新しい作品を保管できるように、精進したいと思います。
寸松庵
きのとものり
あまのがは あさせ
しらなみ たどり
つつ、わたりはてぬ
に あけぞし
にける
天の川浅瀬白波たどりつつ、渡り果てぬに明けぞしにける。
美しく流れ天の川も浅瀬や白波ばかりを辿っていると、渡り切らぬ間にもう夜明けになってしまったものよ。
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