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ショーダンスについて考える〜ロケッツがモダン化したらどうなる?〜

みなさんこんにちは、ソノです♡
今回は、ニューヨークで人気のショーカンパニー"ロケッツ"について、気になる動画があったのでお話したいと思います。 

ザ・ロケッツ(The Rockttes )は、ラジオシティ・ザ・ロケッツとも言われ、マンハッタンのラジオシティホールを本拠地にするショーカンパニーです。

クリスマスのショー「クリスマス・スペクタキュラー」は特に有名。
ロケッツの目玉は華やかすぎるぐらいの衣装を着た女性が列を組んで踊るラインダンスです。

【画像】The Rockettes 公式Instagramより


ロケッツのルーツは舞台『ジークフェルド・フォーリーズ』
『ジークフェルド・フォーリーズ』は、そう、
みなさんがアメリカンショーと言われてすぐ想像できるような、大きな羽、キラキラ光るハイレグのレオタード、ブロンドでハイヒールの女の子たちが並ぶ、そんなショーです。

そのショーに影響を受けて、「さらに脚を長く!かわいらしく!」容姿を整えたのがロケッツだそうです。
そうです。ロケッツの女の子になるには容姿が何より大切。脚が長いことは大前提。美しい髪高い鼻。選ばれし女の子たちが、華やかな衣装とセットでさらにその美を強調しながら迎えてくれる、それがロケッツのショーと言えるでしょう。

さて、今回お話ししたかったのは、そんなロケッツが公式YouTubeにアップしたひとつの動画についてです。

その動画とは『All That Jazz』

コロナ禍で自粛ムードだった去年アップされました。

スタイルのいい女の子たちが揃ったジャズダンス(バーレスク)を披露するこの動画。
私は何よりその風貌に驚きました。

真っ黒なレオタードに引っ詰め髪。黒のイスに照明のみの舞台装置。
かなりシンプルです。



このお衣装等装飾によって、揃っているダンスや全員のパーフェクトなプロポーションがよく見えます。


『All That Jazz』は、
まさにロケッツの魅力をあからさまに伝えやすい装置なのではないかと思うのです。

その一方で、
このようにシンプルな形態で踊ることは本来のロケッツの目的にかなうのでしようか。


「もっと脚が長くてかわいい女の子を、ジークフェルド・フォーリーズ派手に着飾らせて舞台にあげたら売れる!」こんな目的で出発し、伝統と言われるまで形にしてきたロケッツ。
とにかく容姿や見栄えにこだわってきたロケッツ。


ロケッツは、
その容姿という目玉を最大限にアピールしようとしたとき、黒のレオタード、黒のハイヒールになりました。

かつて、芸術がポストモダンへと変化していく時代、ロバート・ラウシェンバーグやジョン・ケージ、マース・カニングハムらによって作り出された芸術が、"ゼロ度"へ向かいました。
メディウム(素材)そのものへの着目です。
素材で作ったものの形ではなく、素材そのものを議論の土俵に上げたのです。

今、ロケッツのショーももしかすると、モダンアートと同様の道に目をやっているのかもしれません。


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