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ソノノチ結成10周年イベント『100人のつながせのひび』レポート④

▼コラム
『100人のつながせのひび』 とは何だったのか ― 2023年総括(前編)

●改めて、わたしたちが何者なのかを伝えることからはじまった2023年

今年、ソノノチ結成10周年の幕開けは、3月の「縁側にすわる ガイダンス&ワークショップ」からでした。この場で行われたガイダンスでは、私たちの活動の変遷を整理しながら、ランドスケープシアター(風景演劇)を上演するまでに至る流れや、ソノノチのクリエイションで大切にしていること、いま考えていることをメンバーから直接お伝えする場でした。ワークショップでは、作品づくりを通して開発した俳優の身体メソッドを共有しました。

ガイダンスのチラシ

同じ頃、ソノノチロゴを刷新しました。大切に守り使ってきたロゴからの変化を受け入れ、これまでの作品イメージから飛躍していく姿を込めました。壁を取り払い、扉を開けて、外に飛び出て日差しや柔らかい風にあたるような気持ちのいいイメージと、表現と生活の日々が地続きに、ひとつながりに存在することを表しています。(↗︎)
また、新たな活動展開として、オリジナルブレンドコーヒーづくりや定期開催のカフェ企画も始まり、今まで継続しています。こうして作品上演以外にも様々な方法で、私たちの活動を知っていただくようになった1年でした。

新ロゴ

●なぜ過去のアーカイブ展ではなく「出発式」を行ったのか

10周年イベントで、過去10年間の記録を展示するのではなく、なぜ《100人の手紙を展示する》企画にしたのか。それは、私たちのことを語る上で、これまで出会った人たちとの大切な縁を語らないわけにはいかないからです。

10年前の2013年。代表の中谷が、たった一人で始めた活動の輪が、少しずつ広がってゆき、今のソノノチがあります。たくさんの感謝を込め、招待状を送るような気持ちで、100人を超える方々にお手紙を出しました。私たちが自分で思うソノノチの姿と、皆さんの記憶の中にあるソノノチが、10年経った今ここに集まって、輪郭をなすために。また、私たちと皆さん一人一人のつながりを思い出し、再び出会い直すために、これまで関わって下さった方からお手紙をもらうやり方をとり、会期が終わったらその手紙をトランクにしまって、次へと歩き出す。新たな出発のために振り返り、片付ける。そんな展示とセットになったセレモニーのかたちが少しずつ浮かんできました。

撮影:脇田友

そして、このプロジェクトは、展示以外にも、話す・食べる・飲む・聴く・出席する・囲むなど、参加者にとっていろいろな関わり方ができる場づくりを目指しました。
これは10年間を総括するだけでなく、展示という場を使いながら、次世代にこれから何かを始める人が、「自分も10年頑張ってみよう」そんな風に思える勇気と創造性を与えるような試みでもあったからです。そして何より、私たちが10周年を「一緒に祝ってもらいたい」という気持ちがあったからでもあります。
過去の重みに引きずられることなく、未来に向けて旅を続けていくための出発式として、最終日にはセレモニー(式典)を開催しました。皆さんと一緒に10年を仕舞い、次の最初の一歩としたいという思いが込められていました。

レポート⑤につづく

ソノノチ結成10周年イベント『100人のつながせのひび』レポートまとめ


おかげさまでソノノチは結成10周年。まだまだやりたいことがたくさんあります。 ぜひサポート・応援をお願いします。 応援いただいた金額は、ソノノチの創作にまつわる活動に大切に使わせていただきます。