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存在に感謝する【ふたり暮らしと本/35】

35.存在に感謝する

人との出会いはすべてご縁とタイミングです。一度も交わることのない大多数の人々がいる中で、たまたま出会いを果たして、中でも特別な存在になるパートナーとの巡り合いは奇跡的なことでしょう。それでいて、おかげさまで愉快な日々を過ごさせてもらっているなら、感謝するほかありません。元気に過ごしていて、笑顔でいるパートナーの存在そのものを「ありがたいなあ。ありがとう」と思うのです。

学べる一冊

人はひとりでは生きていけません。例えば、ひとりの人間が15歳になるまで、直接的・間接的なサポートをあわせて、200万人もの人々に支えられて生きてきた、という話を聞いたことがあります。年齢を重ねるにつれ、さらに多くの人々のおかげで、自分が生きていられると考えると、あらゆる人たちに「自分の生活を成り立たせてくれてありがとうございます」と思えます。

本作は人間への愛おしさをより一層膨らませる家族小説。どれも読後、温かい気持ちで溢れます。1作目の「虫歯とピアニスト」では、「人間は呼吸をしてるだけで奇跡」といった言葉が登場します。大なり小なり苦悩を抱えているとき、そんな言葉をかけられるとホッとする人もいるのではないでしょうか。きれいごとではなく、人は人、その背後にある宇宙に助けられながら生きています。それ自体が奇跡だとありがたく思いながら、日々を過ごしていきたいです。

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編集者で、編集プロダクション「プレスラボ」代表も務めている池田園子です。普段は東京にいますが、月の1/3は大阪で、パートナーとふたり暮らしをしています。平日共に過ごすのは朝に約30分、夜に3〜4時間。日頃は距離的に離れているからこそ、共に生活する時間は穏やかで心地よく、自然と笑顔になるひとときにしたい——。そんな「編集方針」をもとに送る日々の中で、大事にしていることを綴ってみます。参考になる「本」も交えて。

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