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痛い恋にも苛立つ恋にも意味はあった—35過ぎて私の思うこと。
数年前、友人が「恋愛履歴振り返りシート」なるものをスプレッドシートにまとめ、公開していたのを見て、自分も真似て作成したことがあった。記載項目は交際した年、名前、年齢 学校・仕事、出身、関係性、 期間、きっかけ、関わった理由、終わった理由、良かった点、悪かった点、反省点、改善点。これらも友人のシートをほとんど踏襲している。
20歳のときに付き合った同い年の他大生から、33歳のときに付き合った11歳上の記者まで、中にはネガティブな項目に「特になし」ばかりが並ぶ相手もいるけれど、全項目がひと通り埋め尽くされている。
シートを作ったのは記者との付き合いに悩んでいたときだ。恋愛が順調にいっていて幸せなら、断片的にしか覚えていない過去の話なんて、わざわざ掘り起こさない。当時は恋愛以外の人生はだいたいが順調なのになあとモヤモヤして、月1で占いに足を運んでいた迷走期。
今となっては「さっさと終了すればよかったのに。時間は有限だよ?」と言いたくなるけれど、視野狭窄に陥って理解不能な行動をとる時期もある。大事に至らなくて、後で笑い飛ばせるなら、なんのことはない。
恋愛履歴振り返りシートに話を戻す。これはなかなか優れた棚卸し機会だったようで、見直していて、とりわけ興味深いのは改善点だ。13年間でこんなにいろいろな気づきを得ていたのねと感心する内容だったから、「特になし」を省いて抜粋する。
・他人に執着しない。恋愛対象はこの世にたくさんいるのだから
・自分の嗜好と相容れない要素を持っている人とは付き合わない
・会っても週2に留める。会いすぎない。理想は週1、月3くらい
・クリスマスマジックに引っかからない
・気遣いをする
・思いを口にする、一部尊敬してる相手だからといって遠慮しない
・友達は友達のままで良い
・アプリやナンパなど共通の基盤のない相手は、独身だと言われても証拠を見るまで信用しない
・タイプではないなら付き合わない
・すべてはトランキーロ。間違えそうになったら内藤哲也様を思い浮かべ、心の中でトランキーロと叫ぶ
・私を大事にしない、舐めてる、諸々のリズムが合わない人とは付き合わない
一つひとつの関わりから得ることは必ずある。それはシートと真剣に向き合った時間や書き出したテキストが証明している。
イライラする、辛い、苦しい——負の思いを背負いながら、光の見えない沼で沈みそうになっていた時期は無意味ではなかった。だって、それからは執着心を捨てて、遠慮もしなくなったし、私を大事にする人、離れているときでも顔を思い浮かべるだけで、温かい気持ちになる人を選んでいるから。すべての経験が今の自分を作っている。
このコラムは最近読んで感銘を受けた『40過ぎてパリジェンヌの思うこと』の日本版を作りたいと思い立って書き始めたシリーズものです。
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