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新年に起きた大変なこと。 そしてそれに纏わる色々なこと。 その5

故郷を離れて

金沢へのアタックは、予想以上の悪路と渋滞で10時間かかったものの何とか成功に終わった。

粉々になって崩落したした道。
亀裂に車のタイヤが刺さるようにはまって、車体が宙に浮いていたのを何台も横目にしながら、不謹慎だけど運転技術を試されるゲームでもクリアしていくような感覚に近くなっていった。
その間にも県外からたくさんの救急車両がサイレンを鳴らしながら反対車線を向かってきていたけど、まだ交通整理などはされておらず混沌としている状態だった。
能登をお願いします、と心の中で感謝しつつ後ろ髪をひかれながら南を目指した。

発災から時間が経過して、あの時のことを忘れないように文字にしているけど、上手く表現できていないのが何だか虚しい。
あの時の静寂や妙にきれいに輝く星達、容赦なく襲ってくる寒さ。
一方でカオスなトイレや食料がなくなることへの焦り。でもなかなか捨てられない非現実感とか。
全然上手く言えてない。
もっともっと、人の数だけいろいろな感情があって、それが時間の経過とともに変化して、そしてまだ変化し続けていて、この空中に消化しきれず浮遊しているような気がする。
ふわふわ浮いてるその感情たちを消さずに空中を見守り続けて、少しでも安らぎを感じられるところにいつか着地できますようにと願う。


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