坂口恭平さんのラジオにとんでもない愛があった
昨日、坂口恭平さんの「鬱だけど会社行かなきゃいけないケンくん(26)のためだけの坂口恭平のラジオ笑」というX(twitter)のスペースがあり、数時間ほど拝聴した。
鬱のケンくん(26)が出社するまで送り、退社する時間までスペースを続けるという聞いたことない放送。君が帰ってくるまでここで待っているよ、というとんでもない愛。
このラジオは坂口さんが個人的活動として行っている、”いのっちの電話”の公開生放送のようなものだったと思う。
9時(出社)〜18時(退社)の間、このいのっちの電話がスペースで行われた。
ちょこちょこ聞いていただけだし、全然言語化もできないけど、生きる力が溢れていて感銘を受けた。
詳しくはスペースを聞いてほしいし、文字起こししてる方もいるから是非触れてほしい。わたしの言葉は、全然どこへも届かないけれど。
坂口さんは軽い雰囲気でしっかり受け止めて、自身のことやたまにエロを交えながら話をする。だけどちゃんと具体的な行動を提示して相談相手を促してあげる。
思ったような治療ができず病院を退職した女性には、治療院を自分でやりなさいと伝える。絶対にやるって決めるの、いつになってもいいけど。そうすると世界が違って見えるから。ここで開きたいとかそういう見方になるよと。
「できないんじゃなくて、できたいと思ってないだけ。もっと言うと、やりたくないだけ。」
「分類したほうが楽、決めたほうが楽。」
これは今やりたいことが見つからない女性にまず家の整理やってみたら?という行動アドバイスをしたときの言葉だけど、抽象化されていて行動してない自分に深く刺さった。
坂口さんの話聞いてるといかに自分は本気じゃないかということを突きつけられる。でも不思議と苦しくない。ヒーラーから説法を聞いてるような感覚に似ている。ここからまた生きればいいんだと立ち直れる。
スペース終盤には共感することもあった。親友が自殺した女性に向けて「苦しい時って詩が突き刺さるんよ」と背中をさすってあげるような一言。
わたしも苦しいとき初めて、谷川俊太郎の二十億光年の孤独を手にとった。詩にそういう力があることは知らなかったけど、無意識に助けを求めて出会っていたんだな。
彼女からの返歌として、ヴィスワヴァ・シンボルスカの雲が送られたとき、とても気持ちのいい空間になった。あのとき顔も知らない他のリスナーと幸福感を共有していたと思う。
このスペースの最後の最後までは聞けなかったけど、まるで24時間テレビの光景が浮かぶような大団円を感じた。愛が命を救っているのをリアルタイムで聞いてしまった。
書籍化すると思うとご本人が言っていたので、それを楽しみにしよう。本を読んだらまた新鮮に生きる力を感じることができる気がする。
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