キノ曲とCメロの話~私の為に一生失恋ソングを作り続けてくれ、カンヒョング~

キノ曲が好きという話を何度したことか。何度でもする。

キノ曲が好きだ。
キノ曲が好き。
キノ曲が大好きだ。

特に失恋ソングを書かせたら右に出る者はいない(私調べ)。何が堪らないって、彼の曲で出て来る「僕」ときたら、
それはそれは未練たらたらで、
どうにも相手のことを忘れられなくて、
どれだけ自分がそのせいで傷ついたってどうでも良くて、
多分そのまま墓まで!みたいな勢いで、
「君」への想いを抱えていくつもりなのが、
もう痛々しくて、可哀想で、愛おしい。

キノの良くないところは、大サビ前、Cメロに切なさを加速させるような歌詞を入れて(その部分はウソク、ユウトのラップパートが担うこともある)例え大サビがそれまでのサビと同じ歌詞でも、より胸が苦しくなってしまうような構成にある。良くない。これは褒めているんだけれども。ということで今回はCメロ、ラスサビが秀逸なキノ曲3曲について好き勝手書くことにする。※全部、個人の感想です。


Spring Snow

※PENTAGON『Spring Snow』 (作曲:KINO,NATHAN,HoHo 作詞:YUTO,KINO,WOOSEOK 編曲:NATHAN,HoHo) から一部歌詞を引用しています。

和訳歌詞参照➡
【PENTAGON】『봄눈(Spring Snow)』かなルビ歌詞和訳 | LOVE▶︎K-POP (ameblo.jp)


ご存知春雪、Cメロはユウトパートから始まる。

유토다
눈이 떨어지네 따뜻한 바람 속에
너의 미소와 향기가 시간을 멈추게 하네
올해 (올해) 그 눈송이가 내게 살포시 닿아
매일매일 기억해 그날의 너 하나 너 하나
그거면 돼 더는 바랄 게 없지
차가웠던 겨울의 끝자락
네가 있어 참 다행이야

『Spring Snow』

ユウトパートの方は、Cメロ前までの総括みたいな感じを受ける。「春に降った雪に閉じ込められたあの時の君」の話。「雪から想起されて、ずっと思い出し続ける僕」の話。ユウトパートだと、「毎日毎日思い出す」という歌詞が出て来るので、あの時の君をどれだけ大事にしているかが、余計に出てきて悲痛な感じすらある。しかも、更にいじらしさが爆発するのはその後のシノン・キノパート。「それならいい、それ以上のことは無い」って歌うんですよシノンが。「毎日毎日、思い出すだけでいい」って。キノも歌います。「寒い冬の終わりに君がいて良かった」って。毎日毎日、永遠にきっと思い出し続けるだけで良いなんて。

봄눈이 올까요
네가 좋아하는 봄에 또 눈이 올까요
사랑해도 될까요
행복했던 그때처럼 우리 춤출까요

I love you, I love you
I love you, I love you
너에게 사랑한다 말할래
I love you, I love you
I love you, I love you
봄눈이 올까요

『Spring Snow』

そしてラスサビはCメロ前と全く変わらない歌詞で、君への愛を歌いだすんですね。でも、それまで以上に、籠ってる思いが強くなっていると思う。毎日毎日、思い出すだけでそれはいいんだけど、もしまた会えるなら。おまじないみたいに、魔法みたいに、奇跡みたいにずっと唱えよう。「愛しているよ」って。「春に雪が降ったらな」って。

Poison

※UNORDINARY SUNDAY 『Poison』 から一部歌詞を引用しています。

和訳歌詞参照➡【歌詞和訳】Poison( )(UNORDINARY SUNDAY & KINO) - 寝ても覚めてもK-POP (hatenablog.com)

PENTAGON楽曲ではなく、UNORDINARY SUNDAY楽曲からも一曲。どうしようもねえ奴だなあ!になるよね、poison。この恋が自分を傷つけるだろうことに気づいていてもなお、君のことが好き。矛盾。傍から見たら哀れだけど。その人だけの、独り善がりで永遠で一途な愛を歌うキノが好きな私は、勿論この曲も好き(シンプルに音がお洒落なのも好き)。Cメロまでは基本的に「君は僕にとっては毒だけど、でも君といたい」という流れ。でも、Cメロでちょっと雰囲気が不穏になる。

You're killing me
그런 눈으로 쳐다보지마
예전과는 다른 거리를 두잖아
말해봐 내가 잘못한 게 뭐야
쉽게 끊어내진 못 할 거야
가지고 노는 건 괜찮으니까

『Poison』

これまで「君といたい」と歌っていた僕。それまで以上にCメロでは君へ乞う気持ちが出て来る。「これまでとは違う距離を感じるんだ」「教えてくれ、どこで僕は失敗したんだ」「弄んでくれてもいいからさ」
Cメロ以前でも、「君が去ってしまうんじゃないかと怖くていつだって「ごめんね」って言ってしまう」みたいな描写があるけど、Cメロでは更に必死さが際立つ。「そんな目で見ないで」って。「教えてくれ」って。「どこで失敗したんだ(=一緒にいるためなら何でも直すよ)」って。この曲でもCメロの後のラスサビは、これまでのサビと歌詞が全く変わりない。だからこそ、Cメロを終えたラスサビは更に強く表れる。「ただ一つ望むよ。君と一緒にいたいって」

Beautiful Goodbye

※PENTAGON 『Beautiful Goodbye』 (作曲:KINO,NATHAN,HoHo 作詞:KINO,WOOSEOK 編曲:NATHAN,HoHo) から一部歌詞を引用しています。

和訳歌詞参照➡【歌詞和訳/単語リスト付き】Beautiful Goodbye – 펜타곤 / PENTAGON | すきままLanguage (sukimama-language.com)

(なんでこの曲いっつもライブの最後にするんですか?私かて、さよならしたくないんですけど???)

この曲、君を引き留めにかかろうとしてる曲だと解釈してるんですが、Cメロ~ラスサビにかけて多分失敗したんだろうな~って言うのがなんとなく察せられてしまって辛いですよね。

너는 나의 마지막이야 안녕이라 하지 마

『Beautiful Goodbye』

Cメロまでは「Never say goodbye」と何度も歌っていたのに、ここにきて、「君は僕の最後なんだから、さよならなんて言わないで」と言い換えるんですね。繰り返し表現されていたことを、Cメロで別の表現を入れながら強調されるんです。「さよならなんて言わないで、聞きたくないよ」って。加えて、ここ、いつだってヨウォンの歌い上げ方が何とも切実で胸に来る。

아프고 시려도 네가 어디에도
보이지 않는 것보다는 버틸 만한데
모든 게 제자리로 돌아오길 바라

『Beautiful Goodbye』

ユウトパート(これウソク書いたのかな、キノ書いたのかな)。「君と離れるくらいならどんなに苦しくて辛くても耐えられるのに」「全部元通りになればいいのにって願うんだ」願うってことは、今、それは叶っていない状態ってことで。要するに、きっと元通りになんてなれない。どんな苦しみだって何ともない、君さえいればと歌う僕が、もう、君との別れを前に、願うことしか出来ないんですよね、この段階では。

Oh don’t make me cry 이 story의 끝은
영원히 날 아프게 할 테니까 제발
So kiss me goodbye 떠나야 한다면
아름다운 기억만 남기고서 떠나가줘요 (차라리)

『Beautiful Goodbye』

ラスサビ、それまでのサビと歌詞が違う。最早「Never say Goodbye」も言わなくなる。その代わりに、「このお話の終わりは永遠に僕を傷つけるから、お願い」(=お願いだから、僕を悲しませないで。終わらせないで。さよならなんて言わないで)って言いだすんですよ。

Beautiful goodbye (해주길 바라)
A beautiful goodbye
Beautiful goodbye (였으면 해)
A beautiful goodbye, oh goodbye

『Beautiful Goodbye』

「それでも、さよならしてしまうなら、美しい記憶だけ残して行ってよ」って歌った後に、再びCメロ前に戻るんですよ。「Beautiful Goodbye そうしてくれると願う」「Beautiful Goodbye そうだったなら良かったのにな」
こう、Cメロで違う表現で「さよならなんて言わないで」と歌われた後に、Cメロ前と同じ歌詞なのに、尚更切実さが強調されるんだ、ここの部分。そもそも何が一番つらいって、この曲のタイトルが『Beautiful Goodbye』であるということだよ。

彼らは、美しいお別れなんてできなかっただろうから。

ちなみにフイ曲は?

Cメロの話をしたら、フイ曲の話もしたい番外編(本当はこれだけで一つ記事書きたかったけどここで消化)。フイ曲でのCメロは起承転結における転の働きをすることがあると個人的に思う。中でも特徴的なのがDaisyとDo or Notだ。

Daisy

https://youtu.be/W7ZIz4w9Edo?si=6s3Hs0AAmtXtZwCA

曲の流れとしては1番〜2番で「君の不幸を祈るよ」と進んでいったところを、Cメロで「結局君は幸せにならなきゃいけないよ」と変わり、最終的には「君を愛することが出来て幸せだった」まで行きつくこの曲。

失恋の悲しみから転じて、「どうして僕を捨てたのか」と相手に対する憎しみにも近い感情になることはまぁある話で。ずっとCメロに至るまでは、君への憎しみから、「君の不幸を願う」とまで煮詰まってしまった僕の想い。でも、Cメロでは転じて「君は幸せでいて」と相手を許したり自分の気持ちに踏ん切りがついたように見える。そして、最後は「行かないで、永遠の僕のデイジー」で終わるこの余韻よ。ぜんっぜん踏ん切りついてない、心の弱いところが最後出ちゃってるのが愛おしい。

Do or Not

https://youtu.be/cU6cnHHX4LM?si=QQCFxMtq-Dg3ayAm

この曲も1番〜2番では、「君の好きにしていいし君がどっちを選ぶのか興味なんてない(※なお、提示する選択肢はYesorYesになる時もある)」と、基本的には君の選択が、自分を選んでくれるのか気になって気になって仕方がない様子の僕。ところがCメロ、ユウト・フイパートになると「行きなよ、君が上手くやれるか見ててあげる」と突然興味が無くなったかのような口ぶりに。

好きにしなよつってる割に今決めてよと急かしたり、毎日祈ったりしてるのを見るに、自分を選んでくれるかすっごい気になってるけど、Cメロで結局選んでくれなかったのがわかる。だから君を消す(忘れる)し、選んでくれなかったのをちょっと憎んでる。このかわいさと来たらない。拗ねてんじゃんね、最後。かわいい。そして歌われる「So what? I don't care」といったらもう。気にしないんだって言い聞かせてるようで。涙拭きなよ。



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