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困った人が世界を創る

昨日はコルクラボの定例会だった。ゲストは吉藤オリィさん。ユーザー視点で作った様々な車椅子や、遠隔で操作できる人型分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発したロボット研究家として注目されている。

定例会では、情熱がほとばしり時を惜しむように話す姿が印象的だった。話の内容も、いまの取り組みについてや、生い立ちなどいくつも興味深かった。とりわけ興味深かったのは、「困ってるなら、もっと困って、解決策を発明をする。」という言葉だ。

例えば、障害を持つ人の日常は不便だ。自分では立ち上がることができない方も多い。人を迎えるときや、あるいは何か高いところのものを取るときなどの日常でも、「我慢」して、座っている非礼を詫び、すまなそうに補助をする人に高いものをとってもらうお願いをする。補助する側も、気にするほどの事ではないのかもしれないけど、少しづつ時間が取られていきもっと多くのことがしたいのにまわらないことがある。いつしか、頼む方は「ありがとう」という気力を使い果たして、「すいません」と言うようになる。聞く方もたたたまれない気持ちになる。
本当に長続きするのは、お互いに色々と手伝い「お互いさま」と言える「普通」の状態だ。

そうなるためには、車椅子を押して頼み事を聞いているだけでは叶えられない。普通の人と同じ様に、立ち上がる装置を用意する必要が出てくる。困りごとは一気に大きくなり、根本的な解決策が必要になる。それを解決するために、発明をする。問題を見つけ、解決をする。世界を救うには、困りごとをより大きくする必要がある。

じつに明快で、誰にでもできる世界の解決方法だ。

自分は、少し前から、社会にとって「役に立つ」から「意味がある」ことにどうやって乗り越えていくのかを悩んでいた。その悩みを、じつにあっさりと乗り越えていかれた気がした。生活の不便を取り繕う「役に立つ」レベルの解決から、「普通にすごす」という大きな意味に集中して困難を乗り越えて解決策を形にする。

もちろん、乗り越えるのが困難なのは当たり前で、それでも大きな意味があれば解決策は成り立つ(ことも多い)。そのためには、これまでつちかってきた役に立つものを作る技術をフルに発揮する。その上で、それでも足りない「できない」ところを、みんなの力も借りて「できるように」するのに全力を尽くす。

そうやって、世界は切り拓かれる。

世界を切り拓くのは特別な人というわけでもない。オリィさんの話を聞いていると、言葉が胸にささる。

「世界も自分も不完全だ。だから、不完全の中でどうにかしておこうと思うぐらいの考えが良い。どちらかでも、完全と思ってしまったら苦しい。不完全をさらけ出して、みんなでできるようになるのを考えていくのが良い。」(筆者の記憶を元に構成)

会場で見たオリィさんは、とても不完全に見えたけど、誰よりも世界にこぶしを振りあげていた。こぶしを振り上げる勇気をもてば、誰もが世界をかえられるなら、これほど勇気を持てることもない。

▼オリィさんの著作


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おわり。


#毎日出す 20191114 DAY53
#コルクラボ
#吉藤オリィ

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