爆撃機のパイロットは眠くなると乳白色の錠剤を噛み始めた
1940年、イギリスによって撃墜されるドイツ機の数が増えるにつれて、ドイツ空軍はロンドンへの空爆を夜間に行なうようになった。イギリスはこれを「ブリッツ」(稲妻)と呼んだ。
ドイツ空軍の出撃は夜の10時から11時に行なわれる。3~4時間かけて爆撃機はロンドン上空に到着した。眠気を催すと、パイロットたちは「ゲーリング錠」と呼んでいた「ペルビチン」(メタンフェタミン=覚醒剤)の錠剤を噛んだ。
軍服の膝のポケットには小さなハンカチがあり、そこに乳白色の錠剤が数個貼り付けてあった。