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戦争と薬物

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疲労、飢餓、恐怖、睡眠不足、これらが戦争のもっとも基本的な要素である。薬物はこれらの問題を中和する手段である。個人の戦闘行動も、集団の戦闘行動も、すべてその当時の文化規範や道徳規…
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#ヒトラー

ヒトラー

胃潰瘍や不眠症に悩まされ、深刻な健康不安からアルコールもタバコもやらなかったベジタリアンのヒトラーは、健康のためにさまざまな薬物にどっぷりと頼り切っていた。 ナチスが政権をとった1933年から崩壊するまでの1945年まで、ヒトラーがもっとも信頼していたのは、主治医のテオドール・モレルであった。モレルはヒトラーに疲労回復やうつ状態を回復させるための静脈注射を毎日打っていた。ヒトラーがとくに強い刺激を必要とするときには、ストリキニーネ、ホルモン、メタンフェタミン(日本では「ヒロ