信仰と社会の価値観が心の中に死の恐怖の余地を残すことを許さなかった
フィリピン南部の島々に居住するイスラム教徒は、モロ族と呼ばれる。14~5世紀にマライ・ボルネオ方面から移住したマライ系のイスラム教徒と先住民が改宗したもので、社会体制や習慣に独自なものを形成し、政治的宗教的にスルタン(イスラム世界における君主号)の下に統一されていた。
フィリピンは16世紀からスペインの支配下にあったが、スペインの全土支配を阻止したのは、モロ族の頑強な抵抗だった。
その後、1898年にアメリカとスペインの間で戦争が起こり(米西戦争)、アメリカが勝利して、フ