戦闘の前にまずは一服
アルコール(酒)とタバコは、第二次世界大戦における戦時薬物としては、もっとも重要な薬物だった。タバコは、神経を鎮め、空腹を抑え、退屈を凌ぎ、負傷者を慰め、兵士の仲間意識を高め、士気を高揚させることができるからである。そして何よりもタバコは国を豊かにした。
イギリスでは、タバコは軍の必需品とされ、民間への配給は免除された。アメリカでは、タバコ産業は政府によって手厚く保護され、莫大な収益を得ていた。ルーズベルト大統領は、徴兵委員会にタバコ栽培業者の徴兵を猶予するように命じていた