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Steve Reich - Arvo Partの世界

原初の響き|祈りの空間


スティーヴ・ライヒ、アルヴォ・ペルトという現代のアートや音楽に最も影響を与えたお二人の作曲家がいます。共に1930年代生まれ。

作風は違っても、それまでの芸術の様式や形式というものを極微の粒子のようなところまで解きほぐして新しい潮流を生み出し、波紋のように主に1960-70年代からのアート・シーンに多大なるインスピレーションとよろこびを与え続けてきた類稀なる作曲家です。

ミニマル・ミュージックは、身体の感覚を深める作業とも相性がよく、初期からコンテンポラリーダンスの作品によく使われていたように思います。

ライヒやペルトの音楽が、繊細で鋭敏なダンサーの感覚世界へと深く作用し、新しい芸術を産んでいた側面もあるのではないかと思います。私も若き日にコンテンポラリーダンスの方面からライヒとペルトのことを知りました。

このお二人の作品を、マリンバをはじめとする打楽器のみでソロで演奏される加藤訓子さんという素晴らしいアーティストが居らして(皆さんご存知でしたか?)

いつのことだったか、加藤さんの存在を知ったとき、女性で、しかもひとりでライヒとペルトの作品を演奏される方がいらっしゃるなんて!と、ほんとうに驚いたのでした。

マリンバの響きで奏でられるライヒとペルトは、オーディオ機器やスピーカーを通して聴くのとは違って、音の粒のひとつひとつが振動として伝わって共鳴する様子をじかに感じとることが出来ます。

個人的にペルトの世界観を生で体感できる空間は、美術としての共鳴空間を創ることの探究に多くの時間を捧げてきてしまった私にとって、憧れでもありひとつの理想です。人と人との間のあらゆる隔たり、こわばりを静かにやさしく包み込み、広やかな内なる海へといざなう澄んだ水のような世界。音と光の演奏会でも、第一回目の記念にペルトのspiegel im spiegel(鏡のなかの鏡)を演奏していただきました。

デジタル・AI化が加速するなか、身体性を伴った温もりのあるミニマルミュージックはきっと皆さまにも様々な意味で響くものがたくさんあると思います。

加藤さんの身体性や音の世界と溶け合う姿も、ほんとうに美しく素晴らしいです。

ぜひぜひご体感くださいませ。


*この度、光栄なことに企画の山田様にお声がけいただき宣伝美術を担当させていただきました。
ありがとうございます🪷



加藤訓子ソロリサイタルシリーズVol.1
The World of Steve Reich & Arvo Part


2023.3.17(金) 18:30 open / 19:00 start

サルビアホール
京浜東北線鶴見駅東口より徒歩2分

一般 5,000円  U-25 3,000円
私に直接ご予約いただいても大丈夫です◎



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