眉村ちあきさんの曲を紹介するよ! 令和のさだまさし編
弾き語りトラックメイカーアイドルである眉村ちあきさん。振り幅ナイル川なのですが、曲によっては昭和の名フォークシンガーソングライターさだまさしさんを彷彿とさせることもあります。コレって自分だけの感想なのかなあと思っていました。しかし、sajiのヨシダタクミさんのラジオ「sajiのみぞ知るセカイ」に眉村さんがゲストで出た時、ヨシダさんが「令和のさだまさし!」と評したのを聞いて、「我が意を得たり!」と嬉しくなりました。そこで今回は、個人的にさだまさし度が高いと思う眉村さんの曲を紹介します。
因みにさだまさしさんのライブは一度しか行ったことがないくらいです。解釈違い知識足らずありましたら有識者の方ご教示ください。
朗読
ラブソングだけ集めたEP「ラブソング史のはじめに」のリード曲。アレンジは朝ドラ主題歌、米津玄師の「さよーならまたいつか!」を手がけているトミオヨウ。バリバリのラブソングで、曲調からはさだまさし味は無いようにも感じます。ここでのポイントは、メロディへの歌詞の載せ方。どう考えても字余りなフレーズを強引に押し込んでいく、時には早口とも言える語りのような歌い方に「さだまさし」を感じました。名曲「パンプキンパイとシナモンかティー」を思い出したのは私だけですか。
「朗読」の歌い方について、「吉田拓郎的」とコメントしている人もいました。なるほど、そうとも言えるって思いました。
ぢごくに落ちて心から泣け
ギター弾き語りの王道(?)をいく「ぢごくに落ちて心から泣け」。曲調も「朗読」よりずっと「さだまさし」寄り。歌詞の載せ方はやはり字余り的な語りを遠慮なくぶっ込んできています。さらに、クズ男の欠点を並べまくって、時にはクスッとしちゃう歌詞のユニークさも、眉村さんならでは。ただゲスいだけでなく、「大人としてちゃんとしてないんだよ!」という怒りと、「お前と同じレベルにはならないんだよ!」という眉村さんの強い意志が感じられる、批評性にも富んだ歌詞です。このユニークさと批評性というのも「さだまさし」と共通するところではないでしょうか。そう、クスッと笑えて「亭主関白」という当時でさえ批判されがちなテーマを扱った上でラブソングに仕立て上げた「関白宣言」のように。
おじさん
眉村さんアコギバラードの傑作「おじさん」。YouTubeバージョンを紹介しましたが、よりテンポが速くてエモーショナルな音源版がオススメです。この歌で特筆すべきは、叙情的でありながら、「おじさん」とのエピソードをひとり語りのように呟く感じの歌詞でしょう。昨今の、内容や具体性のないフレーズを羅列したJPOPとは一線を画した、ある意味昭和歌謡や演歌にも通じるリアルな歌詞になっています。それでいて終盤にはどうしょうもない感情を乗せた絶唱。エモい、エモすぎる(聴きながら書いています)。
さだまさしさんでいうと、「秋桜」とか、「親父の一番長い日」とか、身近でリアルな出来事を、具体性に富んだ歌詞で綴った歌が多いですよね。でもあえて挙げるなら、「償い」でしょうか。方向性は違いますが、感情の昂りは、比肩し得るのではないでしょうか。
アンブレラ
最後に紹介するのは「アンブレラ」。音源化されていなくて、おそらくトークライブで一度演奏されただけです。動画はYouTubeからファンカム(夢見屋御幸)をお借りしています。この曲、眉村さんのトークライブでよくMCをされている「谷さん」が、「作詞をしたことがある」とツイートしたのを膨らませて曲にしています。歌詞はほとんどその谷さんのツイートのフレーズを使っています。ラストのオチもTwitter(当時)から。客席の声も入っていて、常に笑いが巻き起こっています。それでいて無駄に名曲。個人的に音源リリースしてほしい曲No.2(筆頭は「幻想シャーロット」)です。
ここで連想されるさだまさしさんの曲は、やはり「雨やどり」。ライブレコーディングの笑い声や、コメディタッチでありながら曲が単にいいことが類似性を感じさせます。実はこのジャンルで「さだまさし」の後継となり得るのは、眉村さん以外にいないのでは、と思っています。あまり最近そんな曲は多くはないのですが・・・。
最後に
曲以外にも、トークライブをしてしまうほど喋りで笑わすことができるトーク力の高さなど、共通するところまだありそうです。眉村さんには是非御本家さだまさしさんと邂逅してもらいたいものです。まずは眉村さんのラジオ「ルーミールーミー」にゲストで来てもらって、いずれはコラボしてくれないかな、なんて夢想しています。ももクロとつながりがあったり、新しいものに敏感なさださんだし、相性も良さそうです。期待しちゃいます。