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締切と公平性

某中学校が生徒の高校受験の願書を提出する際、公立高校と県立高校を取り違え、出願できなかったという報道があった。生徒の大切な進路選択を台無しにした中学校への批判、願書を受け取らなかった高校への批判、そもそも出願は生徒自身がすべきではという提言など、ネット上には様々な意見が乱れ飛んでいる。個人的には生徒の将来を考えたら、何らかの特例があってもとは思うが、「公平性」という観点から見ると高校の対応は間違いではないとも思う。中学校のミスが許されるなら、生徒個人のミスであったらどこまで許すのか。保護者のミスは生徒のミスでないから認めてあげるのか。判断があやふやになるのなら一律全部ダメ!とする。それはそれで論理的にはあっている。

ここでは、今回の件については深掘りしない。「締切を守ることの公平性」で思い出したことがあるので少し触れておきたい。

個人的に推しているあるミュージシャンに関わる話だ。すぐに誰かバレる話なのだが、実名を挙げると多分推しから怒られるのであくまで「推し」としておく。

かつて某昼番組で、慣れ親しんだテーマソングを一新するにあたり、プロアマ問わず一般公募することになった。番組中に何度も告知をし、番組HPでも募集をかけていた。

作詞作曲編曲までこなす我が推しは、フッ軽でキャッチーな良曲を作成し提出。締切間際には「こんな曲が届いてます!」って感じでピックアップされ番組中に一部が流されたりした。

ところが、である。何故か締切が延長された。応募された曲数が少ないから期間を延長した、ではない。当初の締切時点でかなりの数(1000くらい?)の応募があったことを覚えている。5/31が最初の締切日だったのが、なんと2ヶ月延長し7/31が最終締切日に。応募総数は2664曲となったようだ。

その後番組で選考が行われ、推しの曲は最終候補5曲には残ったものの、惜しくも最終選考で涙を飲んだ

推しの作った曲はポップで楽しいいつもながら素晴らしい曲で、個人的にはお昼の番組のテーマ曲としてはコレしかない!ってくらいだった。だから選ばれなかったことには残念な気持ちでいっぱいだが、そこは選ぶ人の趣味もあるし、他の曲もそれぞれミュージシャン渾身の曲だろうから文句を言うつもりはない。別に選考に不正があったと言うつもりもない。

だがしかし。締切を延長したことには今もって納得していない。おそらく5/31までに曲を提出した人は、締切があるからそこまでに間に合わすつもりで作詞作曲編曲録音までしたのだろう。ひょっとしたらもっと時間をかけて練り上げたい人だっていたかもしれない。それでも締切から逆算して曲作りを進めたに違いない。そのことだけでも、締切を伸ばしたのは作り手にとって失礼ではないのか。

さらに問題となるのは、締切延長後に曲作りをした方が、圧倒的に有利になる、と言うことだ。最初の締切時点で、推しをはじめとした複数の曲の一部が応募例としてオンエアされていた。おそらくそれまでに応募された曲の中で、ピックアップするに値する曲だったのだろう。少なくともテレビ放映できるレベルの曲ということで。と言うことは、締切延長後に曲作りをする人たちは、オンエアされた曲をひとつの基準とすることができてしまう。番組が求めているのはこう言う曲調なんだ、とか、既出のメロディラインとは被らない曲にしよう、だとか、対策を打つことができるのだ。過去問を研究してから入試に臨むのと、ぶっつけ本番で試験に臨むのでは、合格の可能性は明らかに前者が高くなるだろう。

最終的に選ばれた曲が、どの時点で応募されたのかはわからない。それでも、締切延長前と後では条件が違ってしまっているのだから、公平性という点で疑問符がつきまくりなのである。

まあ推しの曲が選ばれなかったのはガッカリだが、その後音源としてリリースされたし、その悔しさをバネとした闇堕ち別バージョンも作られるたし、それはそれで良しとしなくちゃならないしなんなら愚痴愚痴言っていると推しには怒られらはずなのでここまでにしておく。

それにしても「◯◯ナン◯ス!」よ、コレがお前らのやり方か!

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