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観察会とシャーロット・A・キャヴァティカ
葛西臨海公園で蜘蛛の観察会。特に蜘蛛が大好きというわけではないが、ちょっと特別感は持っている。ビジュアルがアレだし、巣にかかった獲物を捕獲する様とか、タランチュラやセアカゴケグモ、妖怪土蜘蛛とかの毒々しいイメージがあるせいか、蜘蛛好きって普通はあまり聞かないけれどファンは確かにいる。誘ってくれたのは夫の同僚。彼女も含め、参加者は女性の方が多かった。
☆このあと蜘蛛の写真が何枚か出てくるので、苦手な方はお気をつけて。
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観察会は新井浩次さんという蜘蛛研究者がガイド。蜘蛛愛に溢れた解説がとてもおもしろくて、今までの人生でほとんど気にしてこなかった蜘蛛の生態に興味が湧き、これからの楽しみが増えた。
知らなかったことに気づかされ世界が広がるって、生きる喜びだ。
蜘蛛は世界に50000種くらいいて、日本国内だけでも16000種も存在するそう。
観察会でも、2時間ほどの間に色々な種類が見られた。写真のほかにも、巣を作らず土の中に穴掘ってマンホールみたいなフタをカパと開けて獲物を捕まえるのとかアリそっくりの姿をしたのとか、まだまだたくさん。
あーおもしろかった!誘ってくれた夫の同僚にも感謝。
帰り途、夫と、蜘蛛もよかったけど新井さんて素敵な方だったねと意見が一致。とても控えめな佇まいでちっとも偉そうにしておらず、ワーワー騒いで蜘蛛探しをする参加者の後ろでニコニコ立っている。
誰かが見つけて呼ぶと、そっと近づいて名前や特性を詳しく説明してくれる。
重そうなバッグにたくさん図鑑や分厚い本を入れていて、該当ページをすぐに開いてみせて、どの本のどこに何が載っているか全部覚えているのだな。思慮深く、とても愛のある解説。
思慮深くて愛に溢れている蜘蛛といえば…
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E.B.ホワイト作
ガース・ウィリアムズ絵
さくまゆみこ訳
2001年あすなろ書房
表紙の絵でも中の挿絵でも米粒くらいのちっちゃさでしか描かれていないけれど、物語の真の主人公、シャーロット・A・キャヴァティカ。
窮地に陥った子豚のウィルバーを、類稀な才能で何度も愛情深く救ってくれる。
とにかく蜘蛛のシャーロット、優しいだけでなく品がいいのだ。
最初の挨拶なんて「ごきげんうるわしくていらっしゃる?」ですよ。
実写版映画では、シャーロットの声はジュリア・ロバーツが演じていたが、原作のイメージ通りの優しく落ち着いた大人の声だった。(ちなみにファーン役はまだあどけないダコタ・ファニング)
私が子どもの頃読んだのは現在出版されているさくまゆみこ訳の前の版だったはずだが、新版を読み直しても昔読んだ時と印象は変わらない。
小さい時から祖母や母から蜘蛛は見つけても殺してはいけないと言われていたが、この本を読んでからはますます蜘蛛に対して畏敬の念を抱くようになった。
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ガース・ウィリアムズの挿絵も素敵
読み終えた時、きっと蜘蛛嫌いの人もイメージが変わるはず。ちょっと泣けるけれど、希望に満ちた未来を感じさせる幕切れ。
シャーロットのミドルネームの頭文字Aは、蜘蛛のラテン語Araneaらしい。花のようなきれいな響きの名前だ。
『アラネア あるクモのぼうけん』という絵本もあったな。
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