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創る人

 生物の骨格を鍛金で作る作家の佟 昊霖(TUNGGIYA Sahaliyan 満州トンギャ部族, TONG Haolin 中国語読み)さんの作業場を訪ねた。

 蝋を用いて作る方法(鋳造)は、蝋で作られたオリジナルを失って、その複製が作品になる。このため、オリジナルがそのまま作品になる鍛金を彼は好む。

 選んだ金属材料を熱し、叩き、曲げ、削り、骨の形を一つ一つ作り出す。

台に据え付けられた金床

 訪ねた時は制作が一段落し片付いた作業場だった。
 並んだ道具、引き出しに余裕を持って収納された道具、会話。
 彼のルーツを少しずつ知る。それらに触れ見つめ写真を撮っていく。

明治33年 文部省発行 金属加工技術教本
作品とするものの絵を何枚も描き、次第に寸法などを決めていく

 日本に興味を持った理由は、住んでいた鞍山で日本について知る機会を持ったためだった。日本語はルーツの満州語の文法に近く、漢字が使われていることから理解しやすかったという。今は日本で博士課程を目指す。

様々な金槌 打面が磨かれ、角が調整されている
西洋糸鋸道具 変わったものも集めている。昔のヨーロッパで使われた頭蓋の手術用もある。
各種やっとこ

 鍛金、作品のこと、道具のこと、今は無い金属加工技術の資料の収集のこと
 作品の背後にあることを教えてもらう。

直近の作品の台座に当たる部分の模型(マケット)
作者 近影

 次会う時は、作品の仕上げの時になりそうです。



  


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