特異怪奇事件捜査弐課

世界で最も古い国、日本。
その土地には、全国各地、様々な神々による『祟り』が今もなお残っている。

そんな祟りをもたらす神はやがて『根無し神』と呼ばれるようになり。
根無し神が関与する事件は『特異事件』とよばれるようになった。

原因不明、犯人不明、場合によっては被害者すらも見つからない。
根無し神による、人間の手を逸脱した怪奇現象や怪異が絡んだ特異事件。
それを解決するために、警察が内密に設けた機密機関が【 特務怪奇異質事件捜査課 】。
通称『特異課』である。

現代から十数年前。
京都で根無し神による大規模な特異事件が生じた。
その事件を起こした犯人である根無し神は数百名以上もの人間を殺し姿を消した。
以後、その根無し神は『対象A』と呼ばれ、最凶の根無し神として知られるようになる。

神咲 綾猫はその事件に巻き込まれながら生還した、ただ一人の人物。
両親や同級生を皆殺しにされ、綾猫は対象Aへ復讐を誓う。
そんな彼女に手を貸す、一人の男性の姿があった。
それが綾猫の幼なじみ東雲 蛙仁である。
蛙仁の父親は、綾猫を助けるために現場に飛び込み、以降行方知れず。
蛙仁もまた、『対象A』により家族を失った者の一人だった。
蛙仁と綾猫は『対象A』を追うため、警察組織への入署を誓う。

そして現在。
試験を突破した二人は警察組織「特異課」へと配属されることになった。
物語は、二人が刑事として「特異課」へ配属された日から始まる。

二人が配属された神棲町は日本で最も根無し神による特異事件が起こる町。
「特異弐課」は、神棲町で根無し神の事件を追いかける唯一の部署だ。
「特異弐課」に配属された二人は、「特異弐課」の面々と協力し、次々に事件を解決する。
そして同時に「特異弐課」が「弐課」である理由を知っていくことになる。

神棲町の警察組織には、「特異弐課」の前身として「特異壱課」が存在した。
しかし「特異壱課」は、数年前に突然現れた、たった一柱の根無し神『ナナシ』に壊滅させられる。
事件に巻き込まれた「特異壱課」は二名を残し神隠しに遭い行方不明。
残された二名は「特異弐課」の課長と主任だった。

『ナナシ』には、蛙仁と綾猫が追いかける『対象A』と酷似する特徴があった。

京都の特異事件と東京の特異事件が奇妙に交錯する中、やがて蛙仁と綾猫は『対象A』の真実を知る。
『対象A』はこの日本国の土地を呪った最初の根無し神『根源神』の一柱。
根源神には人間を根無し神に変える力があり、これまで「特異弐課」が祓ってきた根無し神は、元人間だった。
そして『ナナシ』の正体は、消えた蛙仁の父だった。

蛙仁は『ナナシ』と決着をつけることで、自らの過去を精算する。

やがて『対象A』を追い込んだ「特異弐課」は、見事に『対象A』を討伐。
しかし根源神は一柱ではなく、新たな根無し神は今日も生まれている。
「特異弐課」の仕事は、これらも続くのだった。


■概要
カクヨムのプロットコンに記念参加したもの。
ネット連載用に書いたものだが、刑事物は得てしてウケないのでもう少し要素は変えたほうが良いかもしれない。

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