心友

今日は心友のこと。

30過ぎてやっと出来た心友。
元々職場の後輩でした。
私が新人教育をしたのに、猛スピードで肩を並べてくれるようになった。
職人気質のカッコイイ人でした。 

キッカケは分からないけど毎日お昼を一緒に食べるようになり
 飲みに行くようになり、仕事は私のパートナーになってくれました。
家族のこと、恋愛のこと色んな話をしていました。
公私共にお世話になっていた感があります。
私より年下なのに私よりずっと大人で達観していたような気がしてました。
いつも私の話を笑ってくれて、悪いことは叱ってくれて、困るといつも助けてくれていました。

そんな時に私の悪い癖が出てしまいました。
「嫉妬」でした。
仕事が出来て、周りに頼りにされている彼女が羨ましくなってしまいました。
少し距離を置いてしまい、彼女を傷つけてしまいました。

そして私は病気になり会社になかなか行けなくなりました。
結局私は彼女に一番最初に話をしました。
頼りになるのは彼女しかいなかったのです。
病気の話をした時「絶対大丈夫。全然心配してないっすよ」と言ってくれました。

闘病中も連絡をくれて「待ってるから！」といつも言ってくれました。
退院お祝いには一緒にお芝居を見に行く約束をしていました。
私が体調が良くなっていく一方で、彼女の体調は悪くなっていきました。
病院に行ってもなかなか良くならず会社も休みがちになっていたそうです。

私が退院し、復帰した頃、約束通りお芝居を見に行きました。
その時も実際は無理をしていたんだろうなぁと今では思います。
彼女は病院に入院することになりました。
胃潰瘍だと。
次は私が待つ番だね！なんて話していました。

手術の前日はLINEのやり取りをして
「悪いもん取って帰ってこい」と話していました。
術後LINEが来て、胃潰瘍ではなかったことを知りました。
それから彼女の闘病生活が始まりました。

病院が転院になり、私がお世話になっていた病院に。
大きな括りでは同じ病気になってしまったので
薬の話や副作用の話を沢山していました。
必ず最後には「ゴールには私がいるんだから大丈夫だよ！」と言っていました。
それが力になったかは分かりませんが、退院することが出来ました。

その後2人で飲みに行ったり、カラオケに行ったり、
都内に遊びに行ったり、プリクラ撮ったり楽しく過ごすことが出来ました。
ある時、何がきっかけだったか、2人でフォトウェディングをやりたいねという話になりました。
それを目標に頑張ろうと話をしていました。
そしてそれをお互い遺影にしてもらおうと笑っていました。

彼女はまた体調を崩し、病院へ。
会社の帰りにお見舞いへ行っていました。
好きだった焼き鳥、好きだったミルクティー、何でも買って行きました。
家族に話せない事情があったので服を買っていったりもしました。

薬を変えても効果が出ず、病院が変わることになりました。
その時のLINEには
「ごめんね。ゴールに行けそうもない」
これを見た瞬間に号泣したのを覚えています。

次のお見舞いの日はバレンタインでした。
食欲もない彼女に小さなチョコを作って持っていきました。
手紙には「どこにいってもずっと友達だよ」と書きました。
 転院後、お泊まりの許可が出たので私が泊まりに行きました。
ひな祭りだったので私の母がちらし寿司を作ってくれて、フォトウェディングの資料も来たので持っていきました。
車椅子に乗った彼女がいました。
2日前にはLINEしていたのに、ほとんど話すことができない状態になっていました。

私はフォトウェディングの資料を置いて
彼女と握手をしてその日は帰ることにしました。
何か言いたそうにしていたのが忘れられません。

それから1週間後、彼女は遠くに行きました。
連絡は彼女のいとこからもらい、最後のお別れをさせてもらいました。
化粧をされて眠っていました。
彼女はメイクが上手だったので、きっと気に入らないと思ってるだろうねって彼女のお姉さんと話して笑いました。

お姉さんと少し話をしました。
彼女のスマホはロックがかかっていて開けない状態でした。
なので私に連絡を取れない状態で、私のことを探してくださっていたそう。
で、いとこさんとインスタで繋がっていたので連絡ができたとのことでした。
なんかあったらお姉ちゃんから連絡してもらうからと言っていたのに意味ないじゃんとまた笑いました。
そしてスマホのケースに私と撮ったプリクラとバレンタインのお手紙が挟まっていたそうです。
私をとても慕っていたと話してくれました。
私はつまんない意地を張って離れてしまった時期があったことが悔しくて、申し訳なくて泣きました。

あれからちょうど4年経ちました。
プリクラは写真立てに入れて飾っています。
何かあるとLINEで送ってしまう日々です。
既読になることも、返事が来ることもないんですが、繋がってるような気がしてしまいます。
直接本人に言えなかったけど、
「ありがとう。ずっとずっと大好きだよ
あなた以外に心友はいません。
この先もずっと。」

月並みだけど、彼女の分まで生き切りたいと思います。