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stand.fm 12 : 『佐々木敦さんとの対話』

12回目は、元批評家でHEADZ主宰の佐々木敦さんを迎えます。
作品『Torus』を起点に、SjQがやっている即興と設計とはなにか?について対話。


制作エピソードを起点に、
- 人とソフトウェアが互いに模倣し合って進化するグルーヴ
- 同期 vs 非同期(カオス) の均衡
- 不可能性を設計する

など、SjQで用いられている様々なトピックの本質について鋭く話題が及びます。


#SjQ #headz #電子音楽 #即興性

佐々木さんは、最近は音楽以外の領域でのアウトプットも加速されており、演劇批評や様々な文筆、そして小説と、広がりは留まることを知りません。話していて、とめどなくSjQのアプローチの微細でしかし大きな影響のある部分に言及していただいてると、やはり知の巨人感がありました。
佐々木さんが主宰するHEADZの批評活動、雑誌などのメディア展開は、90年代から00年代にかけての、音響・エレクトロニカの国内の普及や理解にただならぬ貢献があり、僕ももちろん例外ではありません。学生だった頃や、その後、作家・研究者として自らの視座を顧みる際も、都度、その影響下にあったといえるかもしれません。
余談ですが、僕は週に数度、とある大学で電子音楽やそのさらに向こう側のスペキュラティブな音楽について授業したり、プロジェクトに関わっています。そこの図書館には彼の音楽に関するほぼすべての著作が並んでおり、この分野に入る際の入り口として、そして論文をまとめる際の出口として、今も学生達の参考文献として唯一無二な書籍となっています。

90年代、ラップトップ上で音が実時間により計算可能になったインパクトは、ストリートやサブカルチャーで一気に加速してしまい、国内でまとまった形でそれを論述できる才能は、非常に限られていました。アカデミアの知識だけでも、ポップカルチャーの知識、あるいはその両方でもダメで、双方が相互接続されている各点とそのアナロジー、そしてそこから起こるであろう動向について柔軟にかつセンセーショナルに語る必要があったためです。
佐々木さんが、今回課題曲にあげてくれている “Shisen” には、放送内で語られているように、ちょっとしたエピソードがあります。この元曲を作った当時、僕はリスナーとして、CDなどについてくる解説や雑誌など、HEADZの一読者でした。まさかこの楽曲を20年経って、佐々木さんに聴いてもらえるとはもちろん思っていなかったわけです。巡り合わせというのは、つくづく予測できないものですね

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