こんな時だから

今日は病院に行ってきた。本当に使うかは別として、診断書を出してもらおうと思ったのである。
ちょっと流石に自分の限界値を超えてしまっているので、しばらくおやすみをもらえないかな、と思う。ダメと言われても困るけど。
休むための根拠を提出できる状態にしておいたほうが良いと思って、実は以前からお医者様に「症状が確定的であれば、診断書はいつでも出せる状態にしておいてほしい」と頼んでいた。

ちなみになんの診断書かというと、「パニック障害」です。
鬱にも片足を突っ込んでいる可能性もあるとは思うけど、根本的なところはパニック障害が原因。症状は比較的軽いほうだと思うが、それはパニック障害持ちの中での話であって、健全に過ごしている人と比べたら、決してまともとは言えない状態である。一番きつい症状は不安からくる過呼吸で、重めの症状がきたときはいつ倒れてもおかしくないほど、まともな呼吸が不可能になる。

「実はパニック障害で……」という話を会社の人にしたら、「倒れる前に相談をしてね」などと言われたが、いやもう既にいつ倒れたっておかしくないんだよな。
仕事量を減らしてもらえばなんとかなる可能性はあったから、ここに至るまでに、何度か「もう無理なんで仕事減らしてもらえませんか?」って話はしてたんだけど、残念ながら受け入れられず。コミュ障なので、「もうちょっと頑張れば大丈夫!頑張れ!」って言われると、「はい」しか言えなくて、自分で自分の首を絞めてしまったのだ。(とはいえ、仕事量を減らす努力はしてほしかった)
そしてついに、仕事に明確な悪影響が出始めたので、諦めるという選択肢を取らせてもらうことにしたのです。
流石に診断書を突きつければ文句は言われないはずなので、少し回復の時間をもらいたいと思う。まあ、回復したとしても、元のポジションには戻れないと思うし、戻りたくもないかな。いろんな意味で。別に嫌いな仕事ではないけど、戦えない状態じゃねぇ……。

前置きが長くなった。別にそんなことを書きたいわけじゃなくて、ちょっとだけ楽しかったことを書かせて欲しい。
病院に行って、処方箋をもらい、薬局に行ってきたわけなんだけど、お会計の時に1000円札の新札を出した。
そしたら薬剤師さんが、「あ!新札!いいんですか??」とニコニコしながら話しかけてきた。どうやらその薬局で新1000円札を出してきたのは私が初めてだったようで、ちょっとテンションが上がったらしい。
「ちょっと前にお金を下ろした時、全部新札で出てきたもんで野口より北里が多い手札だったもんで……」とどうでもいい情報で返したら、「職業柄、やっぱり北里柴三郎には思い入れがあるというか、なんかちょっと嬉しいんですよ〜〜ありがとうございます〜〜〜」と語ってくれた。

なるほど。確かに薬剤師含め、医療関係者的には北里柴三郎って超レジェンドだし、新札に起用されて、それを出されたらちょっとテンション上がるか。それは分かる気がする。多分ないけど、私も自分の出身大学の創設者とかがお札とかに起用されたら嬉しいだろうし。

重たい気持ちで病院に行ったんだけど、そんな他愛もない、ちょっとした会話で心が軽くなって、少しだけ楽しい気持ちで帰路についた。こんな時だからこそ、ちょっとしたことが嬉しかったりするのだ。

そして帰り道に思った。
「……野口英世も医療的にはレジェンドじゃね???????」

あの薬剤師さん、北里大学出身だったりするのだろうか。


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