声を使う

「声の仕事」といえば声優という仕事のイメージもついている。声を使うことでお金を稼ぐ……つまり、生業にしているわけだから、並大抵のことではないのは確か。声優というのは「声」に特化した仕事で、それは唯一無二の仕事だと思う。もちろん、アフレコだけでなく、ステージで役を演じるという人もいるし、私の推しもそうなのだけど。

私は「声を使う仕事」というのに少しの憧れがあった。ただそれは声優というよりは、もっと広い意味での「声を使う」という話。
例えば歌手なんかは「歌」に特化した声の使い方だし、プロ野球中継の実況とかは「状況説明に感情を乗せる」みたいなやり方だったりする。漫才師とか落語家みたいに、やり取りを演じて笑いを取ったりする人も「声を使う仕事」になる。
声を使う場面というのは世の中に色々あると思うのだけど、なんにせよ私も声を使う仕事をしたいと思う時期があった。ものすごく人見知りだけど、喋る・話す・歌うといった「声を発する」という行為は好きで、それを仕事にしている人に憧れがあったんだと思う。

そういうわけもあって、小学校・中学校と放送委員をやっていて、マイクの前で話すのが好きだった。(機械いじりが好きだったのもあるけど)
大学生になってからは部活の業務で場内アナウンスをやる機会があった。その仕事は嫌がる人が多かったけど、私は進んでやらせてもらった。落ち着いたアナウンスを続けていたら結構褒めてもらえることもあった。「聞き取りやすい」と言ってもらえるのは素直に嬉しかったし、自分にとっては自己肯定感の上がる数少ない出来事だったりもした。女性が担当するアナウンス(いわゆるウグイス嬢)みたいな良さは流石に出せないんだけど、選手交代の内容を瞬時に理解してアナウンスに反映するというのは、自分にとって大きな武器だったのだと思う。

思い返せば、小さい頃は車掌さんが好きだった。
当時は自動放送も少なくて、肉声での案内が多かったから、今よりも車内でアナウンスを聞く機会が多かった。カッコいい車掌さんに当たるとなんとなく旅も楽しく感じたし、そういう時はお礼みたいなものを車掌さんに伝えたくなって、自分が乗ってきた電車を手を振りながら見送ったりした。車掌さんが手を振り返してくれた日は嬉しくてたまらなかった。

とにかく、「声で何かを伝える」という仕事にはどこか憧れがあった。だから、歌手や声優に限らず声を使うことを生業にしている人を好きになるのは自然な流れなのかもしれない。
ほんのちょっと前までは、「自分もやりたい」みたいな欲は場内アナウンスとかで満たしていたんだけど、社会人になってからはそういう機会もなくなってしまった。そうなると、なんとなく寂しいので、たまに歌でも歌ってXにあげたりするくらいのことをしている。まあ、自己満足でしかないけど。












袋とじ
そんなわけでちょっと前に歌ったやつのフル尺を置いておきます。
いつか消すかわからんけど。

https://drive.google.com/file/d/1oJX1RQ0dEJuhULmN9vVeTllNmfNxnF_I/view?usp=drive_link


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