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FCSONHO川西 兵庫県リーグ昇格決定の裏側とGMの独り言

試合終了の笛が淡路島の空に響き渡ったその瞬間、劇的弾の歓喜と昇格が決まったことへの安堵で膝から崩れ落ちました。

思い返すと、今シーズンは奇跡の連続でした。
「奇跡」なんて言葉を自分達で使うことは非常に安っぽいので、個人的には毛嫌いしていたのですが…
細い細い一本の糸を手繰り寄せたような。けれど実力や日々の積み重ねがなければ成し得なかった。
奇跡という言葉を使ってしまうくらい、脚本じみたシーズンだなと思っています。

※この記事を書いているのが昇格戦が終わってしばらく経ってからですが、可能な限りLIVE感を大事に書き進めていくので是非皆様最後までお付き合いください。

試合の振り返り

昇格戦の決勝リーグ、最終戦を残しての昇格決定は異例のケースです。(優勝チームのみが自動昇格というルールのため、基本的には最終戦までもつれる)

最終戦を待たずに2戦目で昇格が決まる可能性も0ではなかったのですが…
ちなみに、その可能性というのが
①1戦目でSONHO勝利、もう1つの試合がPK戦までもつれる
②2戦目でSONHO勝利、もう1つの試合で1戦目の負けチームがPK戦勝利
を満たしたというケースのみ。まずあり得ないシチュエーションでした。

しかし、我々の2戦目が始まる直前の試合で、その条件が満たされるのを目の当たりにしました。
流石に脚本家の存在を疑いました。

我々の試合結果は、先制点を決められ先行されながらも、コーナーキックから同点。
そしてラストワンプレーの逆転弾で昇格を決めるという漫画だったとしてもやりすぎな劇的な試合展開でした。(試合に関して語りたいことは山ほどありますが、それはまた別の機会に)

審判が笛を吹こうとした、まさに最後のワンプレー。
常識通りいくと、パワープレーでゴール前に放り込むシーン。
しかしうちが選んだのは最後まで繋いで中央突破で崩すという道。

自分達がシーズンを通して崩さなかったポリシーが、崩し切って得点するというこだわり、プライドが最後に実を結んだ瞬間でした。

冒頭にも書きましたが、流石にこの瞬間は冷静ではいられません。
感情が爆発し、涙なんて止まるわけがありません。
この一瞬が忘れられなくて、人はフットボールに魅了されるのだと思います。
この一瞬さえあれば、どんな苦難にでも立ち向かえる、そう思えるほどに価値がある瞬間でした。

そして試合が終わり、サポーターの方々からの祝福を受ける時間の幸せを感じながら、同時にこう思いました。
この瞬間を共に味わうことが出来て、本当によかった。

試合後サポーターからは祝いのテープシャワーが

リベンジマッチ

以前記事にも書いた通り、この都市対抗は僕らに取ってリベンジマッチでした。
昨年昇格を逃した屈辱を1秒たりとも忘れたことはありません。
忘れ物を取りに帰って、全て清算して次に進もう。そう意気込んだこの試合。

前回昇格を逃した時に、何よりも悔しかったのが…
「SONHOが昇格に値するクラブでなかった」ことでした。

学生時代から勝負事で大事にしている考え方があります。
それは、
勝敗は試合が始まる前に決まっている
という考え方。

戦っている選手達を軽視しているわけではありません。
「日々、勝利に値する行いを積めているクラブでなければ、勝敗の土俵に上がることさえ出来ない」ということです。

この考え方からすると昨年の我々は、実力云々以前にそもそも昇格に値するクラブではなかったように思います。
クラブが一体となり戦う事が出来ないまま、厳しい昇格戦を戦いました。今振り返っても、昇格出来るクラブのクオリティではなかった。

そういう観点で、今年はまだまだ未熟ながらもクラブとして本当に強くなったと感じます。

選手だけでない。
クラブスタッフ、サポーター、街の方々含め一丸となって戦うということ。
それが出来た結果が今回の昇格に繋がったということ、それが嬉しかった。

ギリギリの昇格ではない。2戦目にして昇格を決め、200チームの頂点に。
忘れ物を拾い集めた上で、来シーズンの戦いに駒を進めることが出来ました。

試合の裏側では

先程の試合の振り返りの画像を見て、思った方もいらっしゃるかもしれません。
奇跡の昇格と書いている割には、テープシャワーとか用意してたの?

…そうです。この細い細い一本の昇格への糸を、本気で信じている人達がいました。

横断幕には、「祝!昇格」の文字。
可能性なんてないに等しいこの日の昇格を、サポーターの皆様は信じてくれていました。
この昇格戦、様々な要因が重なっての勝利でしたが一番のアドバンテージは「同じ想いを持って戦う人間の数」だったのだと、本気で考えさせられました。

後日、川西市ではたくさんの方から「昇格おめでとう」の言葉をいただきました。
僕らのカテゴリでこんなにも多くの方々から応援・祝福をされることはまずないので…
「皆様に恩返ししたい」改めてそう思えました。

そして都市対抗最終戦…

2戦目で昇格を勝ち取ったSONHOは、最終戦は大幅にメンバーを変更して試合に臨みました。
結果は…ご存知の方もいるかもしれませんが、大量失点の末惨敗しました。

メンバーを変えて臨んだから?
その要素が0だとは言いませんが、別のところに理由があったと思っています。

こちらは、首位も昇格も決まった消化試合として臨んだ試合。
相手は、勝てば2位で入れ替え戦に進む望みがあり、全身全霊で臨む試合。

名誉のためにお伝えしておくと、一切手を抜いてなどいません。本気で勝ちにいった試合でした。
しかし、負けたのは実力云々よりも気持ちの差が大きかったなと。
戦う姿勢の差だったのだと感じさせられました。

また、当然来シーズンは昇格して上のカテゴリに上がるわけで、相手チームも強くなる中で圧倒的なクオリティで優勝するのは今のままだと難しいことも事実で。

「負けてよかった」などというつもりはありませんが、来シーズンでの課題を浮き彫りに出来たという意味では必要な敗北だったのだと思うことにしましょう。

これからのお話

リーグ戦は年明けまで残っていますが、クラブとしては来シーズンに向けての準備が本格化してきた時期です。

また次の記事にでも、来シーズンに向けての記事を書いていきますが…
2022シーズンを土台作りのシーズンとするならば、2023シーズンは仕掛けの、飛躍のシーズンにします。

未だかつてない規模感の動きをするJ8カテゴリーのクラブになっていきますので、今後も皆様を暇にさせるつもりはございません。
すでにとんでもなく大きなプロジェクトが複数動いているのですが…
このリリースはまた来週以降ですかね。

SONHOはポルトガル語で「夢」という意味を持つ言葉。
フットボールに夢を馳せる皆様と共に、最高の景色を。
次回以降のnoteも楽しみにお待ちください。

それでは、また。

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