2月16日:さようならNY

今週の絵:My favorite fish

画像1

さようならNY

半年前から始めたStartupがうまく行かず、ついに来週日本に帰る事になりました。当分来なくなるだろうと思います。先週のエントリーにも書いた通り、自分の仮説が間違っていて、市場に求められるサービスに至らなかったことと、気持ちもついて行かなかった事が原因です。

ちょうど渋沢栄一の「論語と算盤」を読んでいて、ドキッとさせられた一文がありました。その影響もあったのか、次のステップに進む事を決めました。「世の中には随分自分の力を過言して非望を起こす人もあるが、余り進むことばかり知って、分を守ることを知らぬと、飛んだ問違を惹き起こすことがある。私は蟹は甲羅に似せて穴を掘るという主義で、渋沢の分を守るということに心掛けている。」。渋沢栄一は、論語に精通した人で、僕も論語を5〜6年前から読み始めていた事もあって、彼の言葉に説得力を感じました。

投資家も付かない今の事業をどう継続していくか一人でホワイトボードに本事業の実現可能性を改めて、書き出してみました。他にある選択肢と比較する形で可視化できるものは全て書き出して考えました。事実を書き出して客観的に見てみるといかに自分が実現可能性の低い事業を続けようとしているかが分かが分かりました。

累計で1年くらいNYでの起業の機会を探り続けてこのありさまなので、かなり惨めではありますが、これが現実であり、今の自分の実力だと今は納得しています。

ただ1つ自分に対しても念を押しておきたいのは納得しているのは自分の実力が至らなかったという所だけです。自分の蟹の穴(蟹は自分の大きさ以上の穴は掘らないようです)はどこまでもでっかく広げてやるという成長意欲と野望は微塵も失っていません。だからしっかり現実を見て、それでも大きな目標と野望を掲げて、その目標を達成できるように成長を続けていきます。

これからどうする

前のエントリーにも書いた通り、世の中そんな甘くないと思っていたので、2社ほど会社を受けていました。そのうちの1つである、PwCのコンサルティング部門の最終面接を受けるというところまで選考が進んでいましたが、今週辞退をしました。

代わりに、2年前に始めた、地元神戸瀬戸内海の魚を販売するECサイトと海鮮丼屋に全リソースを注力する事に決めました。この2つは僅かではありますが、すでに利益が出ています。どちらかというと趣味のレベルで始めた2つのプロジェクトのようなものです。ただ、この2つが今自分が自分の力でこなせる実力を表していると思います。この事業を通して、自分が社会に対して貢献できる事をできる範囲で始め、自分の成長にプレッシャーをかけて、その成長に応じて事業を大きなものにして行きます。

こういう風に考えたのも最近徳川家康の遺訓を読んだからかもしれません。彼も論語に深く通じる人で、遺訓のほとんどが論語にある言葉の言い換えであると言われています。

「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。」

特に人の「一生は重荷を負うて遠き道をいくがごとし。急ぐべからず。」という言葉が響きました。人生は長期戦であるという風に僕は受け止めています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?