週末レビュー10月6日:コロンビアMBA5週目、クイーンズ串カツ屋台3回目

MBAの交換留学が始まって5週目。授業を通しての感じた事、クイーンズの串カツ屋台の結果からの学びを書こうと思う。

Harlem Children's Zone

Social Entrepreneurshipの授業のAssigmentでEarly Childhood Educationの社会課題に取り組んでいるベンチャーHarlem Children's Zoneの分析をしている。HCZはハーレムで1990年の創業以来30年近くに渡って、0歳から高校を卒業するまで、無料で子供を受け入れるCharter School(特別認可、あるいは達成目標契約により認可された、初等教育もしくは中等教育レベルの学校)である。この学校が作り上げた教育格差を無くし、貧困のサイクルをぶった切るシステムは全米でもそれに成功した唯一の学校と注目されている。オバマ政権ではこのHCZのモデルを全米に展開するために75億の予算を費やしたほどなの知れたNPOである。何が特殊かと言うと:

1. 片親や子供に教育をする気の無い親をターゲットに家庭を訪問し幼稚園から子供を引き取り、何がなんでも彼らを親の学校に行かせないスタンスから守り、大学入学まで送り届ける。(こういう家庭ではだいたいリクルータに怒鳴りちらし、追い返したりするが、リクルータは彼らにクーポン券など金銭に変わるものを渡し、無理矢理にでも子供を学校に行かせる=貧困サイクルの根をぶった切る)

2. まともな教育を受けていない薬物中毒や片親の家庭に対して子供の育て方を教える。仮に親が教育してダメだっとしても、学校外でコミュニティを作り、親がダメでもその周辺の人たちが子供に手を差し伸べられるようにする。

他にも色々と取り組みはあるけれども、シンプルに上の2つを同時に行なっている事。そして、圧倒的な予算とスケールとコミットメントでやっている事にHCZのユニークさが集約されると思う。

だいたいは子供に教育の機会だけ平等に与えれば行くか行かないかは親の自己責任となるのが今までの通説だった(実際に日本の教育はそれの典型的なパターンだと思う)。それに対して創業者のCanadaは力ずくでも教育をしない事がどれだけ子供を不幸にするかを親を教育する。親がダメなら近所の大人、無理矢理でも子供を学校に入れて、最高の教育を受けさせて、貧困から無理矢理にでも抜け出させると言う強硬手段を取っている。実際にそうやって救われた子供たちは何千、何万といて、全員が大学を卒業をしている。HCZは現在進行形で17000人の子供たち、17000人の大人に向けて教育をハーレムのエリア100ブロックに渡ってドミナント戦略を取っている。

子供一人あたりにかけているコストは年間$5000ドル。HCZは莫大なお金をWall Streetから集め、徹底的にチャンスの無い子供たちにつぎ込んでいる。これは創業者のCanadaがWall Streeからの寄付を募るコネクションを作ったからであり、ここは話が長くなるので割愛する。

とにかく、この人のやっている事を調べはじめて、その内容を知って心のそこからすごいと思った。本当に本当にすごいと思った。

大抵教育問題を取り組んでいるNPOは薬物中毒やギャングの子供にまでは手を出さない。結局貧乏であるが良い教育を子供に受けさせたいと思っている親がNPOの提供するサービスに群がってくる。それで"We are providing opportunities to children in low income family"みたいな事を言っている。僕はこれが嫌で教育のエリアでは何もできないなと思い込んでいた。今の世の中情報や機会はいくらでもあるから親が教育する気があれば、子供は教育を受けられるし、実際ちゃんと受けるのがほとんど。問題は親が頭おかしすぎて子供に教育を受けさせるつもりが無い場合。あるいは親が忙しすぎて子供に勉強の大事さを教えられない家庭にあるとずっと思ってきた。僕の家庭は一時的に厳しい貧困に晒され、僕は本を読む大切さ、勉強をする大事さを小学校4年生以降から中学校を卒業するまで一切言われる事がなかった。そのときの悪習慣は今でも自分の事を苦しめている。だからこの問題の本質を自分の経験からよく理解しているつもりだ。

このNPOの活動については今インタビューや調査をしているので、分析が終わったら、またまとめたものを載せたいと思う。本当に素晴らしいNPOなので一度以下Canada氏のTED Talkを見てもらって、興味があれば色々関連記事も見てみて欲しい。僕も彼の怒りによって、自分の潜在的ま怒りに火がついて、同時に彼のやっている事の凄さに感動して涙がでた。

串カツ3回目、飲食店を開ける前は絶対にテストマーケティングをするべき

今までの串カツ屋台の結果は以下の通り。残りあと3回。

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そもそもこの串カツ屋台の目的はテストであり、串カツがどれだけ売れるのか。どれだけ手間がかかるのか。どれだけビジネスとしてのポテンシャルがあるか見極めたいという、好奇心を満たすためのテストだった。結論から言うと、串カツ屋はやるものでは無いと言う結論に至った。今まで自分が経験してきたPOPUP(海鮮丼、緑茶、抹茶+和菓子)の中で最もスケールに向いていない。理由:

1. 全ての飲食カテゴリの中で一番汚れる。これは精神的にこたえる。

2.揚げ場はドラゴンボールで言う重力10倍の宇宙船のようで、仕事が終わった時の疲労感が尋常じゃ無い

3. 串カツは販売時間より準備時間の方が長い(原価は20%以下だが、実際3~40%と同じようなものである)

4. アメリカサイズの串を半生にする事なく大量に揚げるにはトレーニングコストがかかる

これでNYにきてテストする商材は4つ目であり、結構都合がわかってきた。やればやるほど思う。みんな良くテストもやらずにお店出すなと。。。テストをやってはじめてお客さんが誰かとか、自分のポテンシャル、強み、弱みみたいなものがお客さん側、自分のお店側視点でうかびあがってくる。これを何度か繰り返すのにかかるコストなんてお店を実際に作るときの数千万、数億に比べたら、小銭にもならないレベル。絶対テストするべきだと思う。

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