週末レビュー11月10日:国際展開に適した日本食レストラン、起業するロケーション、スターバックスの起業物語

今週は慶應MBAの修士論文を本格的に書き始めたのでそのテーマについて考えた事。あと、起業する場所について今週ずっと考えていたのでその事。最後にコロンビアMBA(交換留学先)のナポレオンの戦略を学ぶ授業でスターバックスの創業者シュルツが周囲の反対を押し切って起業した事について考えた事を書きたい。

国際展開に適した日本食レストランの条件

これは自分の修士論文のテーマだ。実際にこの一年半くらいずっと考えて、実際にニューヨークを検証の場として、テストを重ねてきた。国際展開に適したという言葉の定義を①収益性が高い、②スケール性に長けている、③グローバル販売力がある、この3点に置いた。この基準を元にあぶりだした候補商材が海鮮丼、緑茶・抹茶、串カツである。

水商売である緑茶・抹茶が収益性とスケール性に置いて長けていることが明白だった。とはいえ、串カツは収益性とスケール性で劣る分、万国共通の揚げ物ということで販売力がある。といった感じで上にあげた3つの要素のバランスを見ることが検証をする目的である。例えば収益性とスケール性に長けていても、売れなければ、国際展開に適していると言えない。商品の販売力に関しては特にやってみないと予想できない事が多い。

過去のNoteにも検証過程について載せてきた。結果、緑茶・抹茶が一番適しているというのが自分の結論。緑茶・抹茶の最大のネックである売りにくさを解決すれば圧倒的に国際展開に向いているし、その課題解決の対策もある程度テストを通じて把握できたからだ。

緑茶・抹茶は海外では、誰もが消費するものじゃない。なので、緑茶と親和性が最も高いターゲット20〜30代のトレンドに敏感な層、20代後半〜40代前半の健康意識の高いビジネスパーソン層が物理的に多いエリアに店を構える事がまず1つ目の課題。また緑茶・抹茶の歴史は戦国時代から何百年と深みがあるので、緑茶・抹茶が過去から現在に到るまで消費者に提供してきた価値を明確にする。そしてその価値をターゲットのニーズに結びつけるマーケティングとブランディングに成功すれば、大きなうねりを作ることができると思っている。今論文を書いていて、今月中には書き終わるので、書き終わり次第Noteに載せたいと思う。

起業のロケーション選択

1つ前のNoteにも書いた通り、レストランを開こうとする人たちが全財産をつぎ込む前に商品のテストを本番に近い形で行えるプラットフォームを作っている。コロンビア大のネットワークを活用させてもらったりして投資家ともすでに話をしていて、プロトタイプもできている。MVP(Minimum Viable Product)と言って、最低限の機能を持ってテストをする方法があり、このテスがうまくいけば、本格的にお金を入れて事業がスタートする。

今週はNYでスタートして自分の気持ちが持つのか結構真剣に考えた。正直、NYの街自体はあまり好きじゃない。ただ、ビジネス的にはここが一番良い。どこの環境に自分を置くかで、自分の成長はとんでもなく変わってくる。もう35歳で正直海外で一から起業する気力と体力を高く持つのは今後かなり難易度が上がる。覚悟を決めてしまえばあとは死んでも良いくらい頑張れるので、その覚悟を今月中に必ず固める。

なぜスターバックス創業者が周囲の反対を押し切って起業したか

コロンビアMBAの人気授業でナポレオンの戦略を学ぶ授業がある。今週はハワード・シュルツがスターバックスのアイディアをなぜ思いついたか、そしてそのアイディアをどのように実行したか、そのプロセスを分析して議論した。

スターバックスは元々シアトルに4店舗、プレミアムコーヒー豆を販売する小売チェーンだった。今のスターバックスの形を作った、ハワード・シュルツはこの中小企業の従業員だった。今のスターバックスは彼が出張で訪れたミラノで受けたインスピレーションが元になっている。エスプレッソのスタンドを見て彼はこれをアメリカ中に広めたいという人生のビジョンを見つけた。帰国後、当時まだコーヒー豆の小売店出あったスターバックスの社長Jerry Baldwinに自分のビジョンを話たが、反対された。Jerryはアイディアが悪いと言った訳ではなく、今の商売の形に満足していて、それを変えたくなかったという事だった。それでもシュルツは会社を去り自分で事業を始めた。結局自分が元々所属したスターバックスを買収し、それを元に巨大な会社を築いた。

クラスで最も焦点を当てたのはなぜ彼が周りの大人たちから反対されても尚リスクを取ってやろうと思い、そして成功したのか。こんなものは結果の後付けといえばそうなんだけども、比較的納得できる内容だった。

ミラノに行ってインスピレーションを受けたのは彼だけじゃない。イタリアからアメリカに渡った移民はみんなそんな事知っていたはずだ。それなのになぜ彼がこれは行けると思ったのか。彼の置かれていた環境から彼は正しいアイディアとそれを実行する絵を隅なく描くことができたからだと、クラスでは分析した。当時、スターバックスはスペシャルティコーヒー豆の小売では全米で最も大きな会社だった。スペシャルティコーヒーについてはスターバックスが全米で最も知見があったと言ってもおかしくない。シュルツはアイディアを思いついた時点で豆をどこから仕入れたら良いか、どの豆が一番良いかなどのロジスティックの絵を書くことができた。この絵のパズルがハマった時に現実味を帯びたインスピレーションになる。その現実味を帯びたインスピレーションこそが彼がリスクを取れた源泉になっているというのが授業での見解。

この授業で学んだ事はいかにインスピレーションやアイディア自体にはあまり力がないか。それを実行する絵をしっかり書ける人に正しいインスピレーションやアイディアが浮かび上がった時、今世界中の人に必要とされるスターバックスのようなサービスが形になるという事。

個人的には現実味を帯びないアイディアも形になり成功する事はあると思った。とはいえ、非常に的を射た話だったなと納得した。

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