見出し画像

【回顧追記あり】2023年安田記念・出走馬全頭考察【そねみのラップタイム分析】

みなさんこんにちは。そねみです。

今回は上半期のマイル王決定戦,安田記念の出走馬全頭を主にラップ適性の観点から考察したいと思います。
地方馬や外国馬など,ラップ面からは考察できない馬がいる場合もありますのでその点はご容赦ください💦

それでははじめましょう。
参考になったという方はぜひ「スキ!」いただけるとうれしいです🙇よろしくお願いします😊


レースの特徴

安田記念が行われる東京競馬場のコース図と,過去10年のレースラップです。

JRA公式HPより

安田記念が行われる東京芝1600mは,向正面からスタートするワンターンコースです。スタートから3角に至るまでに向正面を約600m走るため,外枠の馬でも内に寄せやすく,枠順による有利不利は比較的小さいと考えて良いでしょう。それでもコーナー部が約400mと長いですから,常に外を回る競馬よりは馬群の内でロスなく運べる馬や騎手のほうが有利であることは間違いありません。またスタート後の直線が長いことで前半から比較的ペースが流れやすく,全体的な決着時計は他場のマイル戦と比べても速くなるため,時計面の裏付けがある馬のほうが買いやすいです。またゴール前の直線は約526mで,ゴール前400~300m付近が上り坂です。直線を向いてからペースが上がるよーいドンの競馬になりやすいですが,上り坂を含めて400m以上のロングスパート勝負となるため,瞬発的な加速力よりは末脚の持続力を重視したいです。


推定ラップ

そねみのラップ分析ではこの推定ラップに近いレースを高指数レースと呼び,高指数レースでの好走歴のある馬を高く評価しています。また逆に実績のある馬でも高指数レースでの好走歴がなければ適性面を疑う材料になります。

12.2 - 10.8 - 11.3 - 11.7 - 11.7 - 11.4 - 11.2 - 11.9
1:32.2 (34.3-34.5 / 57.7-57.9)


ラップ回顧

12.0 - 10.8 - 11.4 - 11.8 - 11.6 - 11.1 - 11.2 - 11.5
1:31.4 (34.2-33.8 / 57.6-57.2)

金曜日までに降った雨の影響もなく良馬場での開催。前半はほぼ例年通りのラップでしたが,直線の入口付近でジャックドールが早めに先頭に立ったことでラスト3F目でのペースアップが例年より早くなりました。好走には高速決着への対応力と末脚の速さの両方が求められたレースで,後方から長くいい脚を使った馬が好走。今回の好走馬の能力は高く評価すべきでしょう。


適性チャート

適性チャートは,出走馬が過去に好走したレース(今回はOP以上)のレースラップと決着時計をチャート化したものです。横軸がレースラップの類似度(右のレースほど今回の推定ラップと近い),縦軸が決着時計の速さ(上のレースほど決着時計が速い)を表しています。参考レースがチャートのどこに位置しているかを見ることで,そのレースをどの程度評価すべきかを判断する一つの目安になります。

全頭考察

前走高松宮記念,大阪杯,NHKマイルC,ヴィクトリアマイルの各馬については以下の回顧もご参照ください😊


イルーシヴパンサー

1勝クラスから4連勝で東京新聞杯を勝利して臨んだ昨年の安田記念では1番人気に支持されるも8着に敗退。スローからの末脚勝負の展開で最後方からの競馬となってしまい,上り最速の末脚を使いながらも差し届きませんでした。今年は始動戦となった京都金杯を勝利しましたが前走の中山記念は8着に敗退。左回りのマイル戦に適性はありそうですが,今回のメンバーに入ると実績的には見劣ります。他馬と比較して抜群に切れる末脚があるわけではないので,好走には展開の後押しが必要。ある程度前崩れの展開が理想でしょう。

東京1600m,1着(-0.3差)]
※異なる距離のレースは今回と同距離になるように補正しています(以下同)

7人気10着🌀
道中は後方馬群で運び,直線ではシュネルマイスターとほぼ同じ位置からの追い出しになりました。この馬なりに最後まで伸びているもののそのシュネルマイスターと0.6秒差ですから,これがこの馬の現在の実力でしょう。直線でヨレてきたシャンパンカラーと接触する不利はありましたが,それがなくてもあの位置からでは馬券内への好走は難しかったように思います。左回りのワンターンがベストだと思いますが,G1では現状厳しいですね。毎日王冠に出てきたらメンバー次第で狙ってみたいと思います。


ウインカーネリアン

OP入り後の国内成績はすべてマイル戦で4-0-0-2と上々。馬券外に敗れたのはOP入り初戦の六甲S6着と先行できなかった昨年のマイルCS12着のみ。勝利した4戦中3戦が左回り(新潟・東京)で,長い直線を先行して粘りこむ競馬が向く馬です。できればハナを主張してマイペースで逃げる競馬をしたい馬で,同型のジャックドールや距離延長で積極的な競馬をしてきそうなメイケイエールの存在は厄介。レースへの適性は高く,ある程度前半のペースが落ち着けば粘りこみも考えられますが,今回の枠順・展開は向かなそう。内枠だったら穴で面白い1頭だったのですが,8枠に入ってしまったのも割引です。

阪神1600m,1着(-0.3差)
東京1600m,1着(-0.0差)

13人気8着🌀
外枠ながらハナを取り切り,早すぎないペースを刻みました。この馬の競馬はできたと思います。この馬がもう少し内枠から楽に先行する競馬ができていればレースのペース自体も変わったかもしれないですね。同型のジャックドールや先行力のあるソダシがいるメンバー構成も厳しかったと思いますが,その中での8着は評価してよいのではないかと思います。6歳馬ではありますが単騎逃げができるメンバー構成ならまだまだ侮れない馬でしょう。この馬も左回りのワンターンがベスト。毎日王冠で少頭数なら狙ってみたいです。今なら距離延長も問題ないと思うので,新潟記念あたりでも面白いかもしれません。


カフェファラオ

フェブラリーSを2連覇,昨秋の南部杯も勝利しており,ダートでは左回りのワンターンコースに非常に高い適性を示している馬です。芝のレースは一昨年の函館記念,昨年の安田記念に続けて3戦目ですが,過去の2戦はそれぞれ9着,17着に敗退。芝のG1ではさすがに厳しいでしょう。

東京ダ1600m,1着(-0.1差)

18人気12着💨
外枠を生かして先団外目を追走しましたが,直線ではさすがにスピード負けしました。芝では厳しいですね。レース自体も先行馬には厳しい展開で,着順ほど力は衰えていないと思います。ダートで左回りのワンターンコースならまだまだ侮れないでしょう。南部杯は人気になるでしょうが押さえておく必要があると思います。


ガイアフォース

春のクラシックには間に合いませんでしたが,昨年7月に小倉で行われた1勝クラスの国東特別で1.1秒差の圧勝。続くセントライト記念ではアスクビクターモアを下して勝利し,菊花賞にコマを進めました。その菊花賞は距離が合わずに8着に敗退。今年の始動戦となったAJCCでも5着に敗れましたが,初マイルとなった前走のマイラーズCでシュネルマイスターとタイム差なしの2着に好走。マイル戦への適性を示しました。マイルではどうしても後方からの競馬になってしまうため展開の後押しは欲しいですが,元々能力は高くラストは堅実な末脚を使える馬です。差し有利の展開になれば馬券内への好走があってもおかしくないでしょう。

中山2200m,1着(-0.0差)

8人気4着💦
今回最も強い競馬をしたのはこの馬でしょう。道中は中団馬群の内側で運び,直線では上り3位の末脚を使って3着のシュネルマイスターとタイム差なしの4着に好走。瞬発的な加速力がある馬ではないので直線序盤でのペースアップにはついていくことができませんでしたが,そこから長く良い脚を使い,特に坂上からの最後の伸びは目を見張るものがありました。今回がマイル2戦目ですが,マイルのラップへの適性はかなり高いものがあると思います。特に,中距離よりのタフさが求められる今回のようなレースは向きますね。前述のように加速が速い馬ではないので直線の長いコースのほうが向くと思います。特に下り坂で加速できる京都は向きそうで,来年のマイラーズCは勝ち負けまで期待して良いのではないでしょうか。前目で競馬できるようになればさらに安定した好走に期待できると思います。まだ4歳馬ですし,今後の成長力にも期待ですね。


ジャックドール

国内でのキャリア全成績は全て2000m戦で8-2-0-3。馬券外の3回も全て5着以内と非常に安定感が高いです。常に前目で競馬できることが安定した好走に繋がっており,特にマイペースで淡々と逃げる競馬ができた時には強さを発揮します。鞍上の武豊騎手とも手が合っていますね。今回初のマイル戦への出走となりますが,ラップ的には前半のペース,特に3F目でペースが緩む傾向にある中距離戦に慣れた馬が,マイル戦の流れにどこまでついていけるかがカギになるでしょう。逃げなくても競馬できる馬ではありますが,逃げたほうが良いのは確実。他に早い馬がいるメンバー構成で,馬群に包まれてしまうと案外な結果に終わる可能性もありそうです。

阪神2000m,1着(-0.0差)
中京2000m,1着(-0.4差)

5人気5着💦
この馬も強い競馬をした1頭ですね。内枠を生かして逃げ馬の番手を追走し,直線では早め先頭から押し切りを図りました。初めてへのマイル戦への出走で,最後は差し馬勢の決め手に屈しましたが,距離への適性は十分に示したと思います。距離は1600m~2000mであれば対応できそう。逃げなくても競馬できる馬ではありますが,自分のペースでレースを運べるほうが向くのは間違いないでしょう。その点ではできれば先手を取れる相手関係のほうが狙いやすいですね。今回の好走で今後のレース選択の幅が広がったと思います。今秋は天皇賞 (秋) からの始動になるでしょうか。どのようなレースを選択してくるか楽しみですね。


シャンパンカラー

今年のNHKマイルCの勝ち馬です。キャリア5戦のうち東京マイルでは3戦3勝で,高い舞台適性を示しています。今回が古馬との初対決。近2走が稍重でのレースということもあり時計面の裏付けはありませんが,斤量面の恩恵を生かしてどこまでやれるか試金石の1戦となりそうです。おそらく前走のNHKマイルCがメイチだったでしょう。叩き3走目の今回大きな上積みはなさそうです。時計のかかる馬場なら押さえておきたい馬ですが,良馬場での高速決着になると現時点では厳しいかもしれないですね。

東京1600m,1着(-0.0差)

11人気14着💨
前走のNHKマイルCは出遅れて後方から差す競馬となりましたが,五分のスタートを切れた今回は先団の外目を追走する競馬となりました。軽斤量の恩恵はあったとはいえ,今回のメンバーで先行して押し切れるほどの力はなかったですね。良馬場での高速決着も厳しいと思います。まだ3歳馬ですし今後G1で好走できるかは成長次第と思いますが,現状では馬場が渋らないと厳しいように思います。良馬場で人気になるようなら疑ってみたい馬です。


シュネルマイスター

NHKマイルCを制して出走した一昨年は3着,昨年の同レースは2着に好走。東京の1600~1800mでは2-1-1-0と完璧で,同舞台に高い適性を示しています。昨秋のスプリンターズS以降は4戦連続で馬券外に敗れていますが,適性外のレースへの出走がほとんどで参考外。特に海外遠征は向かない馬ですね。前走のマイラーズCでは後方から直線で外に出して差し切るこの馬らしい競馬での勝利。5歳になった今年も力が衰えていないところを示しました。馬群に揉まれるよりは動きやすい外枠のほうが良いタイプで,7枠14番はむしろ好枠。極端に内前有利のTBや展開にならなければ3年連続の好走が期待できる1頭だと思います。

東京1600m,1着(-0.0差)
東京1800m,1着(-0.0差)
京都1600m,1着(-0.0差)

1人気3着🥉✨
一昨年から3着→2着→3着と3年連続の好走を果たしました。これで東京の1600~1800mでは2-1-2-0。高速決着や上りの速さを求められるレースにはめっぽう強い馬で,今回も32.8で上り最速をマークしています。今後も同舞台に出てきたら軽視はできない馬でしょう。ただし,G1では3歳時のNHKマイルCを最後に8連敗となりました。今回も最終的には単勝1番人気に推されていましたが,位置取り的に頭まではなかなか期待しづらい馬であるのも事実です。3歳時から一線級の活躍を見せている馬で,そろそろ衰えが出始めてもおかしくはありません。マイルCSでの取捨が難しい1頭だと思います。


セリフォス

昨年のマイルCSの勝ち馬で,春秋マイル制覇を狙います。ここまでのキャリア9戦で5-1-0-3。馬券外の3戦も全て5着以内と安定した好走を見せています。特に昨年の富士Sを勝利した際のラップが今回の推定ラップに近似しており,ここでの好走は高く評価しておいて良いでしょう。近走は後方からの競馬から直線で一気に末脚を爆発させる競馬で好走しており,外差し有利の展開やTBの後押しがあれば勝ち負けまで期待できるでしょう。鞍上もレーン騎手の継続騎乗と頼もしいです。位置取りから軸にはしづらい部分があるのですが,高く評価しておかなくてはならない1頭でしょう。

東京1600m,1着(-0.1差)
阪神1600m,1着(-0.2差)

3人気2着🥈✨
昨秋からは控えて末脚を生かす競馬をしていましたが,今回は一転,内枠を生かして先行する競馬となりました。
道中は先団馬群の内待機から直線では長くいい脚を使っての2着。今回個人的には内枠で外に出すのに手間取ったり内で進路が取れなくなる不利を嫌って厚い印を打つことができなかったのですが,前目で競馬できればそのようなリスクも軽減できます。レーン騎手のさすがの騎乗でしたね。今回の好走で,地力の高さに加えて枠順や展開に合わせて競馬できる脚質の自在性を見せたと思います。勝ったソングラインとは直線で通した馬場の差で,マイルではまだ底を見せていないといって良いでしょう。今後もマイル戦では軽視できない馬だと思います。


ソウルラッシュ

1勝クラス突破に時間を要しましたが,マイル戦に舞台を移してからは3連勝でOP入り。その勢いのまま昨年のマイラーズC(阪神1600m)を制しました。昨年の安田記念では直線で前が詰まる不利があり13着に敗れたものの,その後は富士S2着,マイルCS4着,今年のマイラーズCでも3着に好走。今回出走するメンバーとも常に互角の勝負を繰り広げてきました。セリフォスと同様に富士Sでの好走は高く評価したい1頭。一瞬の切れ味勝負になると若干他馬に見劣る部分がありますが,少し時計のかかる馬場や展開への適性は高く,馬場の回復具合次第ではこの馬にとってベストの舞台になる可能性があります。派手さはありませんが押さえておきたい1頭ですね。

阪神1600m,1着(-0.1差)

6人気9着🌀
後方馬群の内で脚を溜める競馬から直線ではこの馬なりに伸びていますが,決着時計が早すぎましたね。予想で書いたように切れ味勝負や高速決着になると分が悪いです。能力は高いので,少し時計のかかる馬場・展開やメンバー構成の時に狙ってみたいと思います。マイルCSも京都だとある程度の時計になりそうなので,良馬場の国内G1ではちょっと足りない競馬が続いてしまうかもしれないですね。


ソダシ

昨年のヴィクトリアマイルを勝利,今年のヴィクトリアマイルでも2着に好走。芝ダート問わず左回りのワンターンコースがベストの舞台でしょう。先行して長い持続足を使えるタイプで,常に上位に好走してくる安定感があります。特に昨年のヴィクトリアマイル勝ちのラップが優秀で,今回も同様の競馬ができれば勝ち負けまで期待できる馬でしょう。今回内目の枠が取れたのも良いですね。前走のヴィクトリアマイルから中2週での出走となりますが,今回が叩き2走目で当初からの予定通りのローテーション。状態面も気にしすぎる必要はないでしょう。鞍上は川田騎手に乗り替わりますが,内枠から先行する競馬が上手い騎手で手が合いそうです。今回の出走メンバーの中で不安材料が最も少ないのはこの馬でしょう。極端な外差し有利の展開にならない限りは好走に期待して良いのではないでしょうか。

阪神1600m,1着(-0.0差)
東京1600m,1着(-0.3差)

2人気7着🌀
内枠から先行して早めに先頭に並びかけるこの馬の競馬はできたと思いますが,ラスト200mで脚が止まってしまいました。元々休み明けでも十分に能力を発揮できる馬で,安田記念から中2週のローテーションが堪えた可能性はありますが,加えてテン5Fが57.6はこの馬がこれまでに経験した中で最速。いつものように先行しながら脚を溜められなかったと考えることもできるでしょう。この馬にとってのベスト舞台である東京マイルで上位馬に差をつけられての敗戦となりました。2歳の早い段階から力を発揮している馬でもう5歳ですから,衰えが出始めてもおかしくありません。マイルCSは舞台適性も若干落ちますから,取捨は慎重に考える必要があると思います。


ソングライン

昨年のこのレースの勝ち馬で,2連覇を狙っての出走になります。前走のヴィクトリアマイルを勝利,3歳時のNHKマイルCではシュネルマイスターの2着に好走,同年の富士Sは勝利しており,東京マイルでの成績は4-1-0-1と非常に良いです。実績,勢いともにメンバー中最上位で,ここでも好走が期待できる1頭でしょう。東京マイルに高い適性があるのは間違いありませんが,昨年の安田記念や前走のヴィクトリアマイルのように若干道中のラップが緩むほうが向くタイプ。今回の推定ラップに近い3歳時の関屋記念で3着に敗れているように,道中が流れて前が止まらない展開になると差し届かない可能性もあるでしょう。

新潟1600m,3着(0.2差)
東京1600m,1着(-0.0差)
東京1600m,1着(-0.0差)

4人気1着🥇✨
ヴィクトリアマイルから中2週で東京マイルG1を2連勝,また昨年からの2連覇を達成しました。ウォッカ,アーモンドアイ,グランアレグリア等の歴史的名牝と肩を並べる実績を残したと言って良いでしょう。考えられる勝因としてここでは2つ挙げておきたいと思います。1つ目は,出走馬の中で最もスムーズな競馬ができたことです。大外枠ながら,隣枠のウインカーネリアンがスタート後に押してハナを奪いに行ったことで比較的容易に内に寄せることができ,中団馬群の外目というこの馬にとってベストの位置取りから競馬をすることができました。ウインカーネリアンが引っ張って逃げたことで馬群が縦長になり,外回しながらロスを最小限に抑えることができたのも良かったですね。直線でも馬場の良い外側でスムーズに進路を取ることができ,溜めた末脚を長く使うことができました。末脚の切れ味勝負ではシュネルマイスターに対して分が悪いので,道中で前目の位置取りで競馬できたことが勝利につながったと考えてよいと思います。2つ目は,先行馬にとって苦しい展開になったことです。ウインカーネリアンがハイペースで逃げたこと,ジャックドールが早めに逃げ馬を捕まえに動いたことで先行馬にとっては苦しい競馬になりました。ハイペースでも前残りの競馬になると差し損ねる可能性があると予想で述べていますが,そのような展開にならなかったことも好走の要因の一つでしょう。この馬もベストの舞台はおそらく東京マイルですが,秋のレース選択に注目ですね。京都のマイルCSは合いそうですが,ソダシと同様5歳牝馬ですからね。状態面には注意したいです。


ダノンスコーピオン

昨年のNHKマイルCの覇者で,富士Sでも3着に好走。同舞台での好走実績は素直に評価すべきでしょう。昨秋のマイルCSは先行して展開が向かず11着に敗退。前走の京王杯SCは休み明け,距離短縮,最内枠で全く自分の競馬ができず参考外で良いでしょう。近走結果が出ていないため人気落ちしそうですが,得意舞台に戻って再度の好走は十分にあり得ると思います。さすがに今回のメンバーで中心視はしづらいですが,押さえておきたい1頭です。

東京1600m,1着(-0.0差)

14人気13着💨
内枠から先行する競馬ができましたが,直線では外に出して伸びず。前半ハイペースに巻き込まれて展開が向かなかった部分はあると思いますが,それ以上に状態面が万全ではなかったように思います。これで昨秋のマイルCSから国内では3戦続けて二桁着順への大敗となりました。能力は高い馬だと思うので,この馬の力をしっかりと発揮できる舞台・状態のときに狙ってみたいと思います。もう一度どこかで花を咲かせてほしいですね。


ドルチェモア

昨年のサウジアラビアRCと朝日杯FSを勝利した2歳マイル王者です。サウジアラビアRCでは大逃げしたグラニットを捕まえに動き,早めからのロングスパートでの差し切り勝ち。能力の高さを見せました。朝日杯FSも後半に時計のかかる展開ではあったものの今回のレースとラップ傾向は近く,ここでの勝利は評価しておくべきでしょう。一方,今年初戦となったニュージーランドTは逃げて7着に敗戦。前走のNHKマイルCでは外枠から中団馬群の内に入れての競馬となり12着に大敗。終始馬場の悪いところを通す競馬で,前の馬からのキックバックも相当被っており,厳しい競馬になってしまいました。今年に入ってからの2戦はともに実力を発揮しきれておらず,良馬場でこの馬の力を発揮することができれば再度の好走があっても良いと思います。馬群の中で窮屈な競馬になるよりは好位の外目から早めに先頭に立って押し切る競馬のほうが向くタイプ。先行する競馬の上手い坂井瑠星騎手に手が戻るのはプラスでしょう。前残りの展開になれば軽斤量を生かした粘り込みがあるかもしれません。

東京1600m,1着(-0.2差)
阪神1600m,1着(-0.1差)

17人気18着💨
スタートは速かったですがテンの速さについていけず,ソダシの後方からの競馬になりました。やはり前に馬を置くとかかってしまう部分がある馬で,今回も気性的に難しい部分を見せていました。今後の好走には気性面での好走が不可欠でしょう。現状G1は敷居が高いと思います。


ナミュール

ここまでのキャリア10戦で3-2-1-4,重賞勝ちはチューリップ賞しかないものの,阪神JFで4着,オークスで3着,秋華賞で2着と実績は世代上位。さらに極悪馬場のエリザベス女王杯でも5着に健闘して地力の高さを示しました。今年の始動戦となった東京新聞杯では逃げたウインカーネリアンこそ捉まえきれなかったものの2着に好走。今回と同舞台での好走は高く評価しておきたいです。前走のヴィクトリアマイルはスタート後の直線で他馬に挟まれる不利があっての7着。今回はスムーズな競馬ができれば前走以上の着順も見込めるでしょう。元々堅実な末脚を使える馬で高速決着への対応力も十分。スタートで後手さえ踏まなければ馬券内への好走も見込める1頭だと思います。

阪神1600m,1着(-0.2差)
阪神1600m,10着(0.3差)

9人気16着💨
今回も直線で他馬に挟まれる不利があり,消化不良の競馬になってしまいました。ただし道中は馬群のほぼ最後方からの競馬で,不利がなくても馬券内への好走は難しかったように思います。マイルで一線級の馬達の中に入るとどうしても位置取りが後方になってしまいます。距離は1600m~2000mくらいであれば融通が利く馬だと思うので,少し距離を伸ばして楽に追走できるレースで見てみたい気がしますね。2戦連続で不利を受けて馬のリズムが崩れいてるようにも思います。能力はある馬だと思うので,しっかり立て直して再度の好走に期待したいところです。


ナランフレグ

昨年の高松宮記念の勝ち馬で,今年の同レースでも4着に好走。昨年のスプリンターズSでも3着に好走しており,追込馬ながら短距離G1で繰り返し好走している実力馬です。昨年の安田記念は後方からの競馬で9着に敗れていますが,マイルでもスプリントと同様に末脚を生かす競馬ができています。やることは一つ,控えて末脚を使ってどこまで届くかの馬。今回最内枠を取れたのは大きいですね。昨年の高松宮記念のように内で足を溜めて直線でイン突きが決まれば馬券内への好走もあるかもしれません。穴人気しそうな馬ですが,手が回るなら押さえておきたいですね。

中京1200m,4着(0.3差)
中京1200m,1着(-0.0差)

16人気17着💨
最内枠から後方馬群の内を追走して末脚に懸ける競馬をしましたが,直線では伸びを欠きました。直線で内が伸びない馬場状態だったこともありますが,やはりマイルは長いですね。短距離戦で内枠が取れたら見直したいですが,もう7歳馬ですからね。追いかけすぎるのは危険かもしれません。


マテンロウオリオン

昨年のNHKマイルCの2着馬ですが,その後は7レース連続で馬券外に敗退。それでも近2走は4着,5着と惜しい競馬ができています。NHKマイルC以降は控えて末脚を使う競馬が続いており,前々走のダービー卿CTでは4角13番手から4着に好走。33秒台前半の末脚をつける馬で,早い上り勝負にも対応できる点は魅力ですね。外目の枠に入った今回も度控える競馬を選択する可能性が高く,展開がはまれば上位入着もあるかもしれません。ただ,今回は他にも鋭い末脚を使える馬が多いですからね。高い評価はできないでしょう。

中京1600m,1着(-0.0差)
中山1600m,2着(0.0差)

15人気11着💨
ポツンまでは行きませんでしたが道中は最後方から末脚に懸ける競馬となりました。上り3位の末脚を使っての追い上げも11着。中団からばててきた馬を抜いただけの競馬で高い評価はできないでしょう。現状マイルG1では厳しいと思います。先行しても控えても帯に短し襷に長しといった感じで,買いどころの難しい馬ですね。


メイケイエール

キャリア15戦で7-0-0-8と典型的なピンパータイプの馬。かつてのイメージから,序盤から飛ばしていく競馬(モズスーパーフレアのような)が合うように思ってしまいがちですが,折り合いさえつけば足を溜めての好位差しがこの馬の好走パターンです。直線の長いコースのほうが向くタイプで,昨年の京王杯SCを勝利しているように東京は合いそうです。今回は桜花賞以来のマイル戦。距離延長で折り合いがカギになると思いますが,ロスの少ない内枠を取れたのはこの馬にとってベスト。逃げ馬の後ろで上手く折り合えれば好走があっても良いと思います。人気の盲点になりそうなので,手が回るなら押さえておきたい1頭です。

東京1400m,1着(-0.1差)
中京1200m,1着(-0.4差)

12人気15着💨
スタートでアオってしまい先行することができませんでした。この時点で試合終了でしたね。元々控えて良い脚を使える馬ではないので今回は参考外と思いますが,マイルのペースで馬群の中からの競馬となっても気性的に難しい面を全く見せなかったのは収穫でしょう。おそらく秋のメイチはスプリンターズSでしょう。どこかでもう一花咲かせてほしいところですが,今回のような競馬ができるなら短距離よりも1400m~マイルで先行する競馬を見てみたいです。スタートは課題になりますが,マイルCSを照準に調整してきたら意外と面白いかもしれません。


レッドモンレーヴ

自己条件を勝ち上がってOP入り初戦となったダービー卿CTでは出遅れて7着に敗退。仕切り直しとなった前走の京王杯SCを勝利してここに駒を進めてきました。東京マイルは2勝2着1回と好相性。今回の出走馬のほとんどとは未対戦で,マイル戦ではまだ底を見せていない点も魅力ですね。中団からの競馬で常に早い上りを使えるタイプで,前走は上り2位ながら32.6を記録。動きやすい外枠から末脚を生かす競馬がハマれば馬券内への好走もあると思います。最後方からの競馬では差し届かないのが安田記念。先行意識の高い横山和生騎手も良いですね。

東京1400m,1着(-0.1差)

10人気6着🌀
ソングラインと同様に外枠からスムーズな競馬ができました。直線でもこの馬なりに伸びてはいますが,上位馬の決め手に屈した形。この馬の力は出せたと思います。長くいい脚を使うというよりは瞬間的な加速力に秀でたタイプで,その点では1400mや,マイル戦でも東京より直線の短いコースのほうが向きそうです。まだ4歳馬ですし,どこかで大きなところを取ってくれる馬ではないかと期待しています。先行できる競馬ができるようになるとなお良いですね。


当日の印と買い目



以上,安田記念の出走馬の全頭考察でした。少しでもお役に立てば幸いです😊

そねみの最終的な印はレース当日朝にTwitterで公開しています。一緒に競馬を楽しみましょう🎯

またTwitterでは前週の重賞レースのラップ面からの回顧と,次週の重賞レースの注目馬を配信しています。よかったらフォローお願いします😊


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?