見出し画像

人が音楽ライブに足を運ぶ理由

個人的な話をすると、僕はライブに行くのが好きです。
初めてライブに行ったのは高校卒業後、浪人してた時です。
毎日10時間以上勉強してたけど、どうしてもback numberを聞きたくて、Zepp Nambaに1時間だけライブを聞きに行きました。初めて感じた会場の熱狂さに魅了され、残りの受験生活を頑張って、大学入ったら沢山ライブに行くんだ!って意気込んでたのが18歳の夏です。

それから4年、大学生活も終わりに差し掛かってきこのタイミングで振り返ってみると、合計10組以上のアーティストのライブに参加し、フェスも含めると40組以上のアーティストの音楽を生で聞いてきました。

昨日もMrs. GREEN APPLEのライブに行ってたのですが、ふと、会場を見渡した時に「周りの人たちはなんでライブにきているんだろう?」と考え出しました。
冷静に考えていちアーティストに何万人も集まるのってすごくないか、!と思い市場規模とかも考え始めました。(もちろんライブは楽しみつつ) 
僕自身も「なんで来たんだっけ?」となったのでその時考えたことを記します。

音楽ライブの市場規模っていくらだ?


そもそも音楽ライブって日本でどのくらいの規模感なんでしょう。
調べてみると、膨大な数の公演がされていることが判明しました。
 1年の公演数は約32,000本あり、1日あたり90本弱の公演がされています。
全国で毎日これだけ多くの公演がされているのは知らなかった。
(出典はこちら)

画像1

また、入場者数は約5,000万人/年で、ここ3年は横ばい傾向にありますが、過去10年で2倍に増加しています。
 一人当たりの平均来場数が2回と仮定すると(適当に置いてます)、国民の5人に一人は足を運んでいるのでそれなりに規模は大きそうです。

画像2

実際のところの市場規模はどのくらいかというと、音楽ライブ市場規模は約4,000億円で、年々増え続けているようです。(ぴあ総研調べ)
他の市場と比較すると、ゲームセンターやカラオケボックスの市場規模と同程度です。(市場規模マップより)

ぴあ総研2018年確定値市場規模-thumb-700xauto-2437


なぜ人はライブに足を運ぶのか?

さて本題です、なぜ人はライブに足を運ぶのでしょうか。
個人的な考えですが、大きく3つあるのではないかと考えます。

理由①好きなアーティストに会い、生の音楽を聞くため

これは言わずもがなですね。というかこれがないとライブには行きません笑

ただ、アーティスト目的の中にも大きく二つに分けられます。

①アーティストに会うため
②アーティストの音楽を聞くため 


普段好きなアーティストに会える機会がなかなかない中で、生で見れる数少ない機会としてライブに足を運ぶ人が①に相当します。特にアイドルなどでこの傾向が見られると思います。
このニーズに着目して、「会いに行けるアイドル」としてAKB48を生み出した秋本さんはさすがだと思っています。

一方で、好きな曲を生で聞きたいという理由で足を運ぶ人が②に該当します。CDやストリーミングサービスでは感じられない、生身の音楽を鑑賞する目的で足を運ぶ人もいるでしょう。

理由2: 好みが共通する人に囲まれた空間で、会場の一体感を感じるため

人々の価値観が多様化している現代にあって、日常的に同じアーティストを好きになるということはそこまで多くありません。
しかし、ライブ会場では、そのアーティストが好きな人しか存在していません。全員が同じ趣向を持つ空間の中で、自分の好みを肯定してくれる人しかいない環境が、一種の自己存在認証になるのではないかと思います。
ライブは特別な空間です。自分の好きなアーティストと同じ趣味を持った大勢の観客と、好きなアーティストの音楽を聴く。いわば、非日常での空間で一緒に盛り上がり、一体感を感じることにライブに足を運ぶ理由を持っている人もいると考えます。

理由3: 幸福感を感じるため

理由1,2を包括して言えるのが、幸福感を感じるためにライブに行っているのではないかということです。
潜在的には、幸福感を高めるためにライブに行くのでは?という僕の仮説があり、調べてみたところ、ライブには幸福感を高める効果がありました。

2週間に1回の頻度で音楽ライブに参加する人は、最高レベルの幸福感、充実感、自己効力感を得られる可能性が高く、寿命が9年延びる可能性があるという論文も発表されています。
実際には2週間に1回参加する人は稀だとは思いますが、幸福感を感じる証明にはなり得ます。この論文では他にも、音楽ライブを20分間体験するだけで、幸福感が21%も増加し、長生きにつながることも書かれています。

また、オーストラリアのディーキン大学から発表された、「If you’re happy and you know it: Music engagement and subjective wellbeing」という論文の中には、ということも記されています。

ここでは、幸福感を感じる理由としては、「他者との関わりを実感すること」「自らの価値を認める気持ちの上昇」の2つがあげられています。
ここからは個人的な考えになるのですが、「他者との関わりを実感すること」には2つの側面があるはずです。それは「自分とアーティスト」との関わり、「自分と他人」との関わりです。
先ほどの例で言うと、「アーティストに会い、生の音楽を聞くこと」が前者であり、「好みが同じ人のみの空間を共有すること」が後者になります。

画像4

アーティストとのコールアンドレスポンスや、一斉に合図を送ったりする外面だけでなく、同じ価値観を持った人と同じ空間を共有しているという内面での他者との関わりを感じ、自分の存在を再認識しているのではないでしょうか


最後に

ライブ後に考えて調べたことを書きました。

ライブを見に行く人が増えると幸福になる人が増えると思うと、
もっとライブに行く人が増えて欲しい気持ちです。

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?