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“知られざる”クリスマスソング特集!あの名曲の聴き比べも

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。

12月23日(木)のオンエアでは、「定番じゃないクリスマスソング!! 」をテーマにお届け。ゲストに、音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが登場。

■知られざるクリスマスソング

あっこゴリラ:あるテーマを基に選曲とのことですが、そのテーマとは? 
高橋:「クリスマスというワードがタイトルにないクリスマスソング」です! 
あっこゴリラ:おお~! 楽しみ! では早速、1曲目お願いします。
高橋:1曲目は、『My Favorite Things』です。
あっこゴリラ:え!? これって、クリスマスソングなんですか?
高橋:日本でもお馴染みですが、1965年の『サウンド・オブ・ミュージック』というミュージカル映画に書き下ろされた楽曲です。なぜクリスマスの定番になったかというと、歌詞によるところが大きくて、冬でクリスマスを連想させるキーワードがたくさん含まれているのと、あとは曲の締めが悲しいときには、お気に入りを思い出せばいい気持ちになれるみたいな楽観的なメッセージを打ち出されているのも年の瀬っぽいなと。
あっこゴリラ:なるほど~。
高橋:ワルツのリズムがホリデーシーズンにマッチしてると思います。


あっこゴリラ:続いて、2曲目は? 
高橋:2曲目は、「メリークリスマス」をハワイ語に訳した『メレカリキマカ』という曲です。ホノルル生まれのロバート・アレックス・アンダーソンという作曲家が、1949年に書いたクリスマスソングで、アメリカのビング・グロスビーが歌って広く知られるようになった曲です。
あっこゴリラ:ハワイアンな感じだけどクリスマス感もある。なんか「メルカリキマカ」って、覚えちゃう(笑)。
高橋:リズミカルないいフレーズでハッピーな感じしますよね。


あっこゴリラ:続いて、3曲目は?
高橋:『What Are You Doing New Year's Eve』です。フランク・レッサーという作曲家が1947年に書き下ろした曲で、クリスマスというかホリデーシーズンを題材にした曲です。欧米だと大晦日の夜、年が明けた瞬間に大切な人とキスをするという習慣があって、この曲の主人公は、片思いしている人の大晦日の一日の行動を案じて悶々としている、そんな曲です。『メレカリキマカ』みたいなハッピーなのもいいですけど、寂しい人に寄りそうクリスマスソングも大事だなって思います。


■名曲『恋人たちのクリスマス』を聴き比べ
ここからは、名曲『恋人たちのクリスマス』をいろんなバージョンで聴き比べてみた。

・ロック編


あっこゴリラ:いいですね! 壮大なロックバラードかと思いきや!
高橋:恋人がいない同士集まってクリスマスパーティやるときとか、このぐらいの音楽がいいかもしれないですね。
あっこゴリラ:確かに! 友達同士でこれ聞いて盛り上がりたいですね。

・トロピカル編

あっこゴリラ:聴き慣れてるマライアの曲だからシンプルにバグりますね。“え? 季節どっち? ”みたいな(笑)。

・レトロ編

あっこゴリラ:これはいいですね! なんかぴったりな感じ。
高橋:ディズニーランドのアドベンチャーランドで流れてるような雰囲気といいますか。
あっこゴリラ:こんな音色ですけど、2010年にカバーされた曲なんですね。
高橋:この人たちは、こういうレトロなアレンジで現代のヒット曲をカバーするユニットなんです。

・スカ編

あっこゴリラ:聴いてて楽しい!
高橋:どのバージョンも、イントロから転調するところが見ものですよね。

・ジャズ編

あっこゴリラ:いいですね~!
高橋:原曲の良さを改めて認識しますね。
あっこゴリラ:本当そう! 原曲が良すぎるから、音階やメロディー、ハーモニー、コードとの相性とかが、私たちの琴線を刺激してくれますね。
高橋:どう料理してもいけますよね。

■クリスマスソングの現代
ここからは、「クリスマスソングの現代」を2つのテーマで掘り下げた。

・クリスマスソングの現代1~テーマ「#MeToo時代のクリスマスソング」

高橋:『Baby, It's Cold Outside』という曲があるんですが、内容は冬を舞台に男女カップルの恋の駆け引きが描かれています。男性の部屋を訪れた女性が、親が心配するから帰ろうとすると、男性が外は寒いから「Baby, It's Cold Outside」と言って言葉巧みに女性を引き留める歌なんですが、#MeToo運動が高まるに伴い“拒む女性を執拗に口説く男性の行動がハラスメントにあたるのでは? ”という声があがり始めたんです。ポイントがあって、歌詞に「この飲み物には、何が入っているの? 」というドリンクに薬を盛ったとも受け取れるようなところがあるんです。
あっこゴリラ:確かにそれは勘ぐっちゃいますね。
高橋:一部放送禁止にしたラジオ局もあったり、こういう動きを受けて2018年には、ポリコレ的な配慮が施されたジョン・レジェンド&ケリー・クラークソンによるアップデート版が登場するんです。


高橋:このアップデート版は、男性が女性を引き留めないんですよ。
あっこゴリラ:なるほど~。
高橋:ケリー・クラークソンが「もう帰らなくちゃ」って言ったら、ジョン・レジェンドが「じゃあ車呼ぶよ」とか「家についたらメールしてね」って、ジェントルな対応をするんですが、これはこれで原曲支持派から非難を浴びてしまうんです。それを受けて、個人的に興味深いアプローチだなと思った2011年のシー&ヒムによるバージョンを聴いてみてください!


あっこゴリラ:この曲では、女性が「Baby, It's Cold Outside」って言ってますね。
高橋:そうなんです。このバージョンは、男女の立場を逆転させてるんですよね。歌詞も微妙にマイルドになってます。
あっこゴリラ:よくあるミラーリングですね。“あなただったらどう思うの? ”って。
高橋:そうなんです。今もこの曲に関しては賛否が分かれているところではあるんですけど、社会の価値観の変化とともに過去の作品を見直していく作業は必要なんじゃないかなと思いますね。

・クリスマスの現代2~テーマ「LGBTQにおけるクリスマスソング」

高橋:近年、LGBQのクリスマスソングが増えてきてるんですが、この1年でリリースされた中から2曲紹介したいと思います。まずは、ノルウェー出身のシンガーソングライター、マリー・ウルヴェンのソロプロジェクト「girl in red」で、『two queens in a king sized bed』という曲です。
あっこゴリラ:どんなことを歌ってるんですか?
高橋:この曲では、レズビアンである彼女のセクシャリティに基づいて、「クリスマスに二人のクイーンがキングサイズのベッドで眠ってる」という歌詞自体は甘いラブソングなんですけど、キングサイズの中のクイーンっていう設定がレズビアンカップルを取り巻く状況、理解の低さみたいなところのメタファーになってるんじゃないかなと思います。


高橋:続いては、カナダ出身の双子姉妹「ティーガン&サラ」で、LGBTQのラブコメディー映画『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』の主題歌『Make You Mine This Season 』という曲です。歌詞は、「ホリデーシーズンにあなたを私のものにしたい」「ウィッシュリストにあなたの名前を書くよ」というかわいらしいラブソングになっています。


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【番組情報】
J-WAVE 81.3FM『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 22時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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