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1960年代後半誕生!革新的ロック「プログレッシブ・ロック」に迫る

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。

■「プログレ」は、芸術性の高いロック
11月1日(月)のオンエアでは、1960年代後半に誕生した革新的ロック「プログレッシブ・ロック」について特集。ゲストに、Base Ball Bearの関根史織(Ba.)を迎えてお届け。

あっこゴリラ:聞くところによると、関根さんはミュージシャン界きってのプログレ通なんだとか。どんなきっかけで出会ったんですか?
関根:高校生のとき、当時Base Ball Bearは東芝EMIにお世話になっていたんですけど、そのディレクターに社内にあった古いサンプル盤の山の中から好きなものを持って帰って良いと言われ、大量のCDを持って帰ったんです。その中から発掘したジェスロ・タルというバンドにハマり、「プログレ」というジャンルを知りました。
あっこゴリラ:この「プログレ」というジャンル、改めてどんなものなのか教えていただけますか? 
関根:ジャンルの定義付けは難しいんですけど、1960年代後半にイギリスで誕生して、1970年代に盛り上がっていた音楽的にはクラシックやジャズ、あとは文学などを取り込んだ芸術性の高いロックみたいな感じですかね。
あっこゴリラ:文学も取り入れてるんですね。
関根:詞も哲学的だったり、その土地の社会性だったり、わりとそういう若者たちが聴いて盛り上がるような感じですね。それまでのシングル中心のロックからアルバム志向で、より実験的、革新的なサウンドになったのも特徴です。
あっこゴリラ:なるほど~。代表的なアーティストというと?
関根:ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエスなどですね。
あっこゴリラ:イエスとかめちゃめちゃカッコいいですもんね! 音楽的には、どのような特徴がありますか?
関根:変拍子ってことも特徴の一つですが、アルバム全体を作品としてとらえたコンセプチュアルなものが多いですね。それはビートルズの『サージェント・ペパーズ』の影響が強いと言われています。曲単位じゃなくて、アルバム一枚として作品という考え方のものが多いです。
あっこゴリラ:うんうん。
関根:あとは、尺が全体的に長い傾向にあります。20分越えとか平気であるんで(笑)。
あっこゴリラ:あはははは! あと、テクがすごいっていうイメージあります。
関根:そうですね。いわゆる超絶技巧みたいな人も多くて難しい曲を演奏するので、演奏技術がかなり高く、インストの曲も多いです。でも実は、超絶技巧とはまた違うプログレのジャンルもあるんです。なので、プログレの中にも、いろいろあるってことを今日知っていただけたらうれしいです

■「聴いておくべくプログレサウンド」3選!
ここからは、「関根さん厳選! 聴いておくべくプログレサウンド」を紹介してもらった。

あっこゴリラ:早速1組目をお願いします!
関根:バンド「Area(アレア)」です。
あっこゴリラ:どんなアーティストなんですか?
関根:私が超絶技巧と聞いて、思い浮かべるのがこのアレアです。
あっこゴリラ:おお~!
関根:プログレといえばイギリスのイメージですが、イタリア、フランス、ドイツ、北欧など他の国にも重要なバンドがたくさんいて、その土地の社会性や民族音楽の影響が感じられるので、色んな国のプログレを聴くのもおもしろいです。このアレアはイタリアのジャズ・ロックバンドなんですが、変拍子満載の曲にバルカンとかアラブっぽい音使い、そしてエジプト生まれのギリシャ人、デメトリオ・ストラトスのボーカルも凄いです。まだ聴いたことのない人には、けっこう衝撃的な音楽なのではないかと思います。

あっこゴリラ:続いて、2組目は?
関根:「Emerson, Lake & Palmer(エマーソン・レイク&パーマー)」です。
あっこゴリラ:どんなアーティストなんですか?
関根:プログレ御三家といえば、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエスですが、そこにエマーソン・レイク&パーマーもしくはジェネシスを入れて、プログレ4大バンドみたいなことよく言います。まさに“プログレの王道”で言うと、エマーソン・レイク&パーマーが挙がってくるんじゃないかなと思います。
あっこゴリラ:おお~!
関根:でもプログレを聴いたことがない人も、ファイナルファンタジーの戦闘の音楽好きな人は、ルーツ的な部分でちょっと好きなんじゃないかなと思います。あと、何年か前の大河ドラマの中で『タルカス』のオーケストラバージョンが使われて、プログレファンはけっこうザワついてました(笑)。
あっこゴリラ:あはははは! きっと製作チームにプログレファンがいたんでしょうね。

あっこゴリラ:3組目は?
関根:バンド「CAN」です。
あっこゴリラ:きたー!
関根:プログレって、超絶技巧とか変拍子とか、そういうイメージをお持ちの人が多いと思うんですが、そういう人たちばかりではありません。楽曲の作り方が革新的であったり、作品として芸術性が高いものだったり、ジャンルとして型破りなものだったり、そういうものは超絶技巧や変拍子でなくともプログレにカテゴライズされていました。
あっこゴリラ:うんうん。
関根:CANの曲は、コードも少なくリズムも反復で所謂プログレのイメージとはずいぶん違うと思うんですけど、実験的なアプローチで未知の音楽を作り上げた人たちで、プログレ名盤には必ずCANが入ってきます。

■関根史織が夢中の楽器「チャップマン・スティック」とは

ここからは、Base Ball Bearの関根史織がプログレをきっかけに夢中になったという楽器を紹介してくれた。

あっこゴリラ:関根さんがある楽器に夢中ということですが、それは一体何でしょうか?
関根:「チャップマン・スティック」という楽器です。
あっこゴリラ:今日は手元に持ってきてくれました! “分厚いフレットのみ”みたいな楽器ですね。
関根:キング・クリムゾンのベーシスト、トニー・レヴィンが80年代から使っている楽器なんですけど、これを見たときにカッコいいと思い、どうしても弾きたくなって買って練習しました。
あっこゴリラ:すごい!
関根:でも、弾くのがかなり難しいんです。挫折しちゃったって人がけっこういらっしゃるみたいです。
あっこゴリラ:やっぱり難しんだ。何弦あるんですか?
関根:これは10弦タイプです。5本がベース弦で、残り半分がメロディ弦と呼ばれていて、これを両手でタッピングして演奏します。
あっこゴリラ:ちなみに、こちらはBase Ball Bearの楽曲にも使われていたりするんですか? 
関根:はい。前作のアルバム『C3』の収録曲『EIGHT BEAT詩』や、ライブでは昔の曲でも使ったこともあります。

あっこゴリラ:関根さんは、このチャップマン・スティックを使用したプロジェクトをやられているとか。
関根:はい。「stico」というプロジェクトをやっています。プログレではありませんが、チャップマン・スティックを使って曲を作り、チャップマン・スティックを演奏するのが目的のプロジェクトです。
あっこゴリラ:いいですね~!
関根:現在ライブは決まっていませんが、来年はやりたいなと思っていますので、sticoのTwitterや私のインスタなどチェックしてください!


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【番組情報】
J-WAVE 81.3FM『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 22時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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