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かわら版No.56 佐野洋平が考える 米沢市の基本方針 (オルタナティブ・対案)

いつもお読みいただきありがとうございます。

さて、いよいよ、米沢市は、市長改選後はじめての総合計画つまり米沢市のまちづくりの最上位計画の策定に着手しました。令和8年度以降の10年間についての総合計画、言わばグランドデザインになります。より詳しい説明は、かわら版No.54記載の③をご参照くださいませ。

このような、米沢市の今後を決定付ける計画について、市民として評価軸がなければ、何が良くて何が足りないのか、明快な議論と修正・評価ができません。そこで、私なりに(オルタナティブ・対案)、そのための基本指針を考えてみました。

佐野洋平が考える 米沢市の基本指針】

〇長期的なビジョン
現在の市場ニーズに対応するだけでなく、長期的な社会ビジョンを持つ。地域特性を深く理解し、誰もが合意できる普遍的な価値を創造します。

〇事業の基本構想・グランドデザイン
事業目的を定め、事業の基本構想、具体的事業内容を構築する。内容は、視覚的にわかりやすく一覧性あるものを、市民に共有します。

〇迅速な意思決定とサイクル化
意思決定のスピードとプロセスに焦点を当てる。細かいプロセスを大事にする姿勢は、政策の質と市民の信頼性の支えとなる。強力なフィードバックサイクルを作り、継続的な改善を図ることで、結果を作り込み、常に革新と変化に対応します。

※フィードバックサイクル:行われた仕事に対する評価や改善点を伝え、これを継続的に実行すること

〇優れた人材の採用と育成
競争を前提にしつつも、スキルだけでなく、価値観に合致する人材でチームを構築する。常に新しい知識を吸収し、学び続ける姿勢を持つ。学びを継続することで直面する多様な課題に対応することができます。

〇環境への適応
環境の変化に迅速に適応する。自然環境を大切し、農業、地元産業とその事業者・を含む、社会的共通資本・コモンズを守り、AIなど最新技術を取り入れながら、社会環境を構成します。

社会的共通資本:ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置とされる。 宇沢弘文著「社会的共通資本」岩波新書( 2000/11/20)
※コモンズ:私有財(Private Goods)や公共財(Public Goods)と対置される共有財(Common Goods)という概念。

〇多様性を大切にする
多様で寛容な視点を持つ。世界の多様性を肯定し、学園都市、快適な都市生活空間(インフォーマル・パブリック・ライフ)を育てることで、誰もが暮らしやすい社会的雰囲気を常に考えます。

※インフォーマル・パブリック・ライフ:誰もが気軽に訪れることができ、予期せぬ人やものごとに出会える公共的空間、その都市生活空間。飯田美樹著「インフォーマル・パブリック・ライフ――人が惹かれる街のルール」ミラツク(発売:英治出版2024/05/03)

〇新しい産業をつくる
新しい産業エンジンをつくる。現在の産業団地の他に、業種業態の異なる新しい産業分野の振興をします。特に、地元大学との産学官連携を本気で考え、アカデミックシティとしてのあらゆる可能性を探ります。

〇地域に根差し、活かす
私たちは、地域に生かされてる。この地域の自然、風土、歴史、文化、その精神性を大切にする。そのために、目的のための哲学、より良い方法を持つための科学、これを統合するための芸術、地域の良さを探究し、地域を活き活きとした場にします。

佐野洋平が考える 米沢市の基本指針(2024.7.16)

是非、市民の皆様も、これからの米沢市がどのような前提に基づいて、このまちの総合計画を考えていくことが、より良い未来に繋がっていくのか、一緒に考えていただければ幸いです。

この度も最後までお読みいただきありがとうございます。

かわら版No.56

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