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かわら版No.43 まちのグランドデザイン・アルカディア構想、について

いつもお読みいただきありがとうございます。

米沢も桜の季節をむかえ、ぽかぽかとお花見日和。市民の皆さんにとって春を象徴するほっとする一日になっているのではないでしょうか。また、来月5月のGWの上杉祭に向けて各種関係団体の皆様は準備を本格化させている時期だと思います。日々の市民の皆様のご献身に対して心より感謝を申し上げます。

さて、今回は、まちのグランドデザインについてです。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』よれば、「グランドデザイン(grand design)とは、日本語では全体構想を言い、理想の上での大枠の合意であり、事業などが計画される場合に、それが壮大な図案や設計であって、また長期間にわたって遂行されるようなもののこと。政策や経営が行われる場合に使われている言葉である。」とあります。

よって、まちのグランドデザインとは、そのまちがどのようなまちになりたいのか。市民による大きな枠組みの合意と総合的な設計図です。

例えば、オランダのアムステルダムは、2019年に、サーキュラーエコノミー政策に加え、経済成長におけるGDP偏重モデルから、経済成長に環境的上限を設け、長期的な視野で市民の幸福度や地球環境維持を追求するドーナツ経済モデル※を主軸に据えることを宣言し、アムステルダム環境ビジョン2050をはじめ様々なの事業計画し実施しています。アムステルダム市は、芸術文化に加え政治経済でも循環型環境都市の先進都市としてまちのグランドデザインと未来を描いています。

ドーナツ経済学は、英オックスフォード大学の経済学者ケイト・ラワース氏が2011年に提唱した新しい経済の概念。自然環境と社会的正義(貧困や格差などがない社会)の調和を実現し、持続可能な経済の方法論に言及した。

また、アメリカのポートランドも、全米で最も住んでみたい都市として、全米で最も環境に優しい都市として、最も自転車で移動しやすいアメリカの大都市として、全米で最もおいしいレストランが集まる都市としてなど、多様な視点からエコロジカルでクリエイティブな都市として注目され、クリエイターや若者を中心に、その魅力にひかれて移住する人は後を絶たず、人口は増加の一途をたどっているといいます。なお、なんとポートランド観光局では、人気ガイドブックTrue Portlandとコラボレーションしたミニガイドの日本語のPDF版がダウンロードできます(すごい!)。国内では、東京都世田谷区の保坂展人区長が自身の著書『〈暮らしやすさ〉の都市戦略 ポートランドと世田谷をつなぐ』で、ポートランドの街づくりの哲学に学び,本当の暮らしやすさについて論考しています。

さらに、大きなまちだけでなく、例えば、スイスのラウターブルンネンを中心とする「峡谷共同体」(タルスシャフト、バレイ・コミュニティ・人口約2900人)にある山村が過疎化せず、元気を保っているその背景や制度「スイスモデル」も参考になります。

以下は、1878年(明治11年)6月から9月にかけて上杉藩領であった置賜地方を訪れた英国人女性のイザベラ・ルーシー・バードの著作である『日本奥地紀行』 ("Unbeaten Tracks in Japan" 1880年(明治13年))、それを分析した赤坂憲雄著『イザベラ・バードの東北紀行[会津・置賜篇]』の引用です。

彼らは家族のためにまさしく「顔に汗を流して」食糧を得、真面目に生活の糧を得ているのである!苦しみ疲れきってはいるものの、完全に自立している。・・・ 不思議な田舎である。(バード)

米沢平野は、まさしくエデンの園である。「鋤の代わりに鉛筆で耕したかのよう」であり、米、綿、とうもろこし、煙草、麻、大豆、茄子、胡桃、西瓜、胡瓜、柿、杏、石榴が豊かに育っている。晴れやかにして豊穣なる大地であり、アジアのアルカディアである。・・・(バード)

《バードの称賛に恥じることのない、ほんとうに美しい田園風景・・・しかし、それだけではあるまい。バードが称賛の声をあげたのは、その肥沃な大地がそれを耕す農民たちのものであり、そこにはまたアジア的な圧制とは無縁な、自由な暮らしが見いだされる、と、信じたからではなかったか。(赤坂)》

赤坂憲雄『イザベラ・バードの東北紀行[会津・置賜篇]』平凡社

わたしたちのまち、米沢市。このまちのグランドデザインはどのようなものを構想することができるでしょうか。そして、それを仮に『グランドデザイン・アルカディア(構想)』と名付けましょう。この構想の具体的な内容の中には、米沢版サーキュラーエコノミー(循環型環境経済)都市計画・よねざわビューティフルベイスン(よねざわ美盆地)プロジェクト米沢の歴史文化の承継と創造再生計画・プロジェクトオハラ in YONEZAWAなどユニークな事業計画を含め、グランドデザイン案を私なりに思案中です※。

※あくまで『グランドデザイン・アルカディア(構想)』など、佐野洋平の議員活動の個人的な政策立案として思案中のものです。米沢市の政策ではありません、ご注意くださいませ。なお、「プロジェクトオハラ」の“オハラ”は、かの有名な漫画に登場する学問の島の名から敬意を込めました。

引き続きご提案ご報告をしてまいりたいと思います。この度も最後までお読みいただきありがとうございます。

かわら版No.43

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