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人を幸せにするファイナンシャルウェルビーイングとは?人的資本経営との関係も解説

金銭的な不安を抱えて、満足に人生を楽しめない人は多くいます。
近年の物価高で、将来に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
ファイナンシャル ウェルビーイングの考え方を取り入れると、金銭的な不安が減少して、思い通りの人生を過ごせる可能性があります。
今回は、ファイナンシャル ウェルビーイングとは何か、企業にできることなどについて解説します。

この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。
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ファイナンシャルウェルビーイングとは


日々の生活にお金は欠かせないものであり、人生の節目でまとまった資金が必要になります。
ライフステージごとに、必要な資金を用意できるのか不安を感じている方は多いです。
そのような、現在から将来にわたっての金銭的な不安を取り除くことが、ファイナンシャル ウェルビーイングです。
お金の不安を取り除き、経済的に安定すれば、人生の選択肢が増えて楽しめるようになります。

ファイナンシャル ウェルビーイングは、個人だけが意識するものではなく、政府や企業が一体となり取り組む必要があります。
政府は国民が安定的な資産形成ができるように、金融教育をおこなうとともに、金融市場を整えます。
企業では、社員のファイナンシャル ウェルビーイングが向上すれば、仕事に集中できて生産性も上がります。

国民所得の低下や物価高により、金銭的な不安を感じる人は増えています。
ファイナンシャル ウェルビーイングの概念を取り入れて、金銭的な不安から解放された幸せな人生を目指す人は、今後増えていくでしょう。

ファイナンシャル ウェルビーイングの欧米での注目度

ファイナンシャル ウェルビーイングの考えは、日本では馴染みが薄いかもしれませんが、欧米では広く知られています。
欧米では、以前から国民の金融リテラシーの向上に力を入れてきました。
例えばイギリスでは、2020年に国民のファイナンシャル ウェルビーイングの向上が、国家戦略として策定されました。
具体的な数値目標が公表されていて、政府と企業が一体となり、さまざまな取り組みを実施しています。

アメリカでは、政府機関である消費者金融保護局(CFPB)から、国民のファイナンシャル ウェルビーイングに関する報告書が発表されています。
報告書ではアメリカの金融経済教育の方針が示されていて、国として力を入れているのが分かります。

日本でも貯蓄から投資へのスローガンのもと、金融リテラシーの教育体制を構築しようとしています。
しかし、欧米のように官民が一体となった取り組みや、政府の力強いリーダーシップは見られません。
国民全体の幸福を実現するために、欧米の施策を見習うことが大切です。

ファイナンシャル ウェルビーイングを達成するための3つの要素

ファイナンシャル ウェルビーイングには、金融リテラシー・収支管理・ライフプランニングが必要です。
ここでは、ファイナンシャル ウェルビーイングを達成するための、3つの要素を紹介します。

金融リテラシー

ファイナンシャルウエルビーイングを達成するには、単にお金をたくさん持っていればいいわけではありません。
保有している資産を増やすための投資スキルや、リスク管理などの金融リテラシーが必須です。
社会人が知っておきたい金融リテラシーには、以下のようなものがあります。

・財形貯蓄制度
・従業員持株制度
・住宅ローンと減税について
・NISAやiDeCoなどの投資の知識

銀行にお金を預けていても、利息が低く昔のように預金の増加は見込めません。
金融リテラシーを身に付けて、リスクの低い投資で資産を増やして、長期的な資産を築くことが大切です。

収支管理

収入が高くても、支出が多ければ手元に残るお金は少なく、ファイナンシャル ウェルビーイングは達成できません。
収入と支出のバランスを取り、無理なく貯蓄を続ける必要があります。

家計を管理するには、家計簿を付けて収支を見える化するのがベストです。
給与などの収入から、食費や家賃・水道光熱費などを差し引けば、いくら手元に残るのか分かります。
無理をせずに少しずつ資産を増やしていけば、将来的に大きな資産となりファイナンシャル ウェルビーイングを達成できるでしょう。

ライフプランニング

長い人生の中でファイナンシャル ウェルビーイングを達成するには、10年後・20年後のライフプランニングをおこない、大きな支出に備えることが大切です。
人生の中で大きな支出が発生するのは、以下のようなときです。

  • 結婚、出産

  • マイホームの購入

  • マイカーの購入

  • 子どもの進学

  • 老後の資金

「教育資金」「住宅資金」「老後資金」は、人生の3大支出といわれています。
ファイナンシャル ウェルビーイングを考えるうえで、これらの支出への対応は欠かせません。

ファイナンシャル ウェルビーイングにはウェルビーイング経営が必要

ファイナンシャル ウェルビーイングには個人の取り組みも大切ですが、人生で長い時間を過ごすことになる会社側の支援も重要です。
企業が従業員のウェルビーイングを達成するための取り組みを、ウェルビーイング経営といいます。
従業員が健康で幸せを感じて、いきいきとした人生を送ると、生産性が高く独創的な職場になります。

また、企業が継続して事業を営むには、人材の確保が重要です。
しかし、労働人口の減少や雇用の流動化により、人材を確保できない企業が増えています。
多様な働き方や価値観の変化に対応できない企業は、ますます人材の確保が難しくなるでしょう。
ウェルビーイング経営を取り入れて、多くの従業員にとって、幸せを感じる働きやすい職場環境の構築は急務といえます。

ウェルビーイング経営の5つの要素

ウェルビーイング経営には、ポジティブな感情や肯定的な関係性などが必要です。
ここでは、ウェルビーイング経営の5つの要素を解説します。

ポジティブな感情

ポジティブな感情は、幸福度の主要な指標です。
従業員が喜びや誇りを感じられる環境を整えれば、意欲的に仕事に取り組み、結果的に業績も向上します。
具体的には、精神的に疲弊している従業員の発見や、ケアするための対策を整備することなどが挙げられます。

エンゲージメント

エンゲージメントとは、仕事などの活動に集中して、時間を忘れるほど没頭することです。
さまざまな仕事に積極的に関わることで、企業に対して愛着心が湧き、エンゲージメントが向上します。
従業員満足度調査を実施したり、社内のコミュニケーションを増やすことなどが挙げられます。

肯定的な関係性

仕事における人間関係は、他者からサポートを受けて、評価されることが重要です。
家族のように信頼できる同僚がいれば、仕事をスムーズに進められ、ストレスも減らせるでしょう。
肯定的な関係性を築くには、部署を超えたプロジェクトチームの結成や、懇親会の補助などの方法があります。

モチベーション

仕事に誇りを持つためには、自分のしていることに意義を感じ、モチベーションを保つ必要があります。
ただし、従業員にはそれぞれの考えがあり、何に意義を感じるかも異なります。
仕事だけでなく、子どもの成長や趣味・ボランティアなど、従業員が感じる意義を尊重し、活動に取り組めるように支援しましょう。

安定した報酬

企業が安定した報酬を支払うことは、従業員の将来の不安がなくなり、ウェルビーイングに繋がります。
確定拠出年金制度の導入や、ファイナンシャルプランナーによるライフプラン作成など、従業員に金融リテラシー教育をおこなう企業は多くあります。

まとめ

ファイナンシャル ウェルビーイングとは、将来にわたりお金に対する不安を解消し、人生の選択肢を増やすことです。
欧米では国家戦略に取り込まれるなど、金融リテラシー教育が広まっています。
企業では従業員により働きやすい職場を提供し、業績を伸ばすためにウェルビーイング経営が注目されています。
従業員のウェルビーイングが向上すると、独創的で生産性の高い仕事ができるようになり、企業にも好影響を与えます。
物価高になっても給与が増えず、不安を抱えている人は多くいます。
金銭的に不安を抱えたまま生活をすると、人生の選択肢が狭まり、幸福な人生を過ごせません。
ファイナンシャル ウェルビーイングの考えを取り入れて、自分らしく生きる方法を見つけてください。


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