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イタリアワインを楽しもう⑩・・スーパータスカンとは?

前回のワイン法の話の続きです。イタリアのワイン法では「DOCG」「DOC」「IGP」「Vino」と四つの格付けがあり、DOCGのワインが一番厳しい基準をクリアしているとお話しました。

しかしそのワイン法の枠を飛び越えてしまったのが、1960年~70年代に誕生したスーパータスカン(スーパートスカーナ)!スーパータスカンとはどのようなワインなのでしょう?

そのポイントをまとめてみましたのでご覧ください。

1 トスカーナ州の主にボルゲリという地域で作られる、カベルネソーヴィニヨンやメルロなどのブドウで作る高級赤ワイン。

2 ワイン法的には下級のVino もしくはIGP(今では一部DOC)。ワイン法に捕らわれず自由に作ったワインが世界的に評価されたので、スーパータスカン=Super Tuscan と名づけられた。

3 スーパータスカンと呼ばれるワインはいくつもあるけれど、始まりは「サッシカイア」。半世紀ほど時がたち、今ではイタリアワインのアイデンティティの一つとなっている。

4 ワインの方向性はフランスのボルドーワインから始まっている。

そうです。制定されたワイン法に全く関係なく、自由に作ったワインが世界で高評価されてしまったです。その始まりが「サッシカイア」です。

「サッシカイア」

トスカーナ州の海沿いの地「ボルゲリ」。この地の貴族の一人、マリオ・インチーザ・ロケッタ侯爵は大のボルドーワイン好き。フランスのシャトー・ラフィット・ロートシルトから譲り受けた苗を植え、ワインを作り始めましたが、目指したのはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを使った長期熟成に耐えうるワイン。何年か後、その品質の高さから本格的にワインを作ることを決意。友人の貴族、アンティノリにいた醸造家「ジャコモ・タキス氏」を迎え入れ、様々な人の協力を得て、1968年ファーストヴィンテージをリリースします。

その後、サッシカイアは品評会でフランスの名立たるワインに勝ってしまうのです。「サッシカイア」は、瞬く間に世界で注目され、またそれに追随した「オルネライア」や「ソライア」も一躍有名に。法律上ではテーブルワインの扱いですが世界中で高値で取引されるこのワイン達はいつしか「スーパータスカン」と呼ばれるようになったのです。

1994年には「サッシカイア」のみ「ボルゲリ・サッシカイア」としてDOCに昇格。たくさんの「スーパータスカン」のワインも高級イタリアワインとして、その名に恥じないクオリティで人気を博しています。

ですが未だにDOCGのワインは1本もありません。法律はあるけどそれに囚われない自由な心がイタリア人とワインにあるのですね。

今回のワイン・・オルネライア アートラベル 2017 / テヌータ・デル・オルネライア Ornellaia 2017/ Tenuta dell' Ornellaia

当店小売り価格 33,000円(税込)

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サッシカイアと並びスーパータスカンの筆頭の1本!

ブラックベリー、ブラックチェリーにコーヒーやリコリス、チョコレート、杉のニュアンスが溶け込んだアロマ。口当たりは凝縮感がありながらシルキー。ダークフルーツやスパイスのフレーバーが洗練されたタンニンやみずみずしく張りのある酸とともに多層的に広がる。フィニッシュはエレガントで力強く、余韻は非常に長い。オルネライアが誇る気品と完璧なバランスが楽しめます!2017年はオルネライアにとって素晴らしい年になりました!


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