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自己紹介 ~前途洋々だったソムリエはなぜアルコールに溺れたか~

08年に東京へ。翌年21歳でソムリエに。
星付きレストランにも務めた。
コンクールに出場し予選を勝ち抜き、協会の地区委員も務めた。
18年4月、満を持してリゾートホテル料飲マネージャーとして愛媛へ。

アルコールのプロであるはずの自分が、なぜアルコールに溺れたのか。

それはおそらく「学びの停滞」「自身の喪失」にあったのだ、と思う。

自分にもわかるよう、順にまとめてみる。

「求められるもの」の認識

東京での仕事は「サービスの提供」であった。

フレンチでは「究極にエレガントなサービス」を。
居酒屋では「究極に楽しい時間」を。
ビストロでは「究極の食体験」を。
それらを提供することが自身の価値であり自信だった。

しかしマネージャーという立場では求められるものは全く違った。
「利益」である。唯一「利益の拡大」のみが求められた。

そりゃそうだろ、と言われればぐうの音も出ない。
資本主義社会における唯一の正義は「利益」である。
しかし目の前のゲストに感動を与えることで評価されていた私には、
その認識が無かったのだ。

学ぶことは教えること = 1人では学べない

かつては周囲にガチのレストランサービスをしたいという若手がいた。
名だたる名店でブイブイいわせる先輩たちがいた。
コンクールで競い合う仲間がいた。

環境に甘えていたと言われればその通りである。
しかし毎日会う同僚、たまに会う仲間たちに負けられないという気持ちは
学びに対する大きなモチベーションとなる。

そして学んだことは教えることで定着する。これは実体験でもある。
ソムリエ試験対策講座などもやったものだ。

ところで。
今のホテルはマルチタスクなので、全員がすべての仕事をできるのが
理想とされている。小さなホテルはだいたいそうだ。
私もレストランマネージャーだったが、チェックインも予約処理もする。
しかしレセプション側はレストランをやる機会がないのだ。
開業から4年も務めている支配人、レセプションマネージャーが
会席料理の順番も知らずに「マルチタスク云々」である。

ちょっと脱線したが、要は教える相手がいないのだ。
教えたところで、である。

「自身の価値 = 自信」の崩壊

そんな状況だが18年秋には上級ソムリエ試験もある。
ようやく受験資格を得て、心待ちにしていた。
しかし上司 = 支配人からすれば全く意味のない勉強なのだ。
勉強ですらない、時間の浪費だ。

ワインなんか売ったって利幅が小さい」
「もう十分知識もあるんだから、いつまでもそんなことしてないで」
「もっと大きく利益の出せる仕事をやるべき

これがなかなかにキく
今までの足場を少しづつ削られていくのだ。
恐怖である。

新しい土地で半年足らず、しかも住み込み。ほぼほぼ逃げ場無し。
さらに唯一の仲間 = レストランサービス専属スタッフが、
私の昇格直後に他プロパティへ異動となってしまった。

洗脳とでも言おうか。自分自身でもお酒の価値 = 楽しみを見失ってしまう。
その時からか、アルコールは人生を彩るものではなく
ただの逃避先へと成り果てたのだ。
19年2月に街に住み始めてからは悪化の一途だったようにも思う。

そこから1年弱は記憶も朧げである。
仕事が終わるのが午前2時。30分かけて帰宅。
ストロングゼロのロング缶3本飲みながら寝る。毎日。

まぁ色々あって、19年末から年始あたりでその状況は脱することができた。

では、どうするか?

である。

無事アルコールとの共存バランスを見出し、
激烈マイナス人格破綻状況からマイナスだけどぎりぎりゼロに近づいた。
ゼロといってもストロングではない。

そこで今の状況。今度は世界が停滞である。
ホテル業界だけでなく、ソムリエという存在すら危ういかもしれない。
もちろん今の会社も、自分の仕事も。
このまま、もしくは悪化すれば、また逆戻りしてしまうのでは?

ならばこの停滞を活かし、学んでしまえばいい。
身近に教える相手がいなければ、ここに書けばいい。
タスクなんて枠にとらわれず、マルチスキルを身に付けよう。

私の目標はズバリこれである。

・「大きな利益」と「究極のサービス」の両立
 → サービス業というものが古来ある以上、これは相反しないはず。
  であれば経営スキルを身に付ければ自然と両立できるはず。

・ソムリエとしてのステップアップ
 → 上級資格も勿論だが、世話になった協会への恩返しがしたい。
  愛媛支部に正式に所属し、経験を活かし後進の教導に努めたい。

・筋トレ New!!
 → 自堕落を絵に描いたような人間になってしまったので…
  将来永くワインと食事を制限なく楽しみたいですし。本音。

最初の最後に

久しぶりに自分のために文章を書いた気がする。
つい楽しくなり、長くなってしまった…

これはまだまだ始まりです。

「クソ雑魚アル中ソムリエ」が「クソ雑魚(元)アル中ソムリエ」まで来た。

修飾語がどこまで減るか。はたまた増えるか。

どうぞお付き合いくださいませ。

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