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「本のある場所のこれからを考える」@トラノモンブックパラダイス終了しました

昨日、虎ノ門ヒルズで開催されたトラノモンブックパラダイスのトークイベントに出演してきました。

トークテーマは「本のある場所のこれからを考える」で、対談相手は、NUMABOOKS/H.A.Bookstoreの松井祐輔さん。

無料ということもあり、当初の予約だけでなく当日参加の方も多くいらしていただき、みなさんとても真剣に聴いてくださいました。ありがとうございます。

最近のイベントだと、“まず「箱根本箱」や「文喫」はこうして立ち上げました、こういう文脈で本を置いています”という前提から説明することが多く、ほぼそれで終わってしまうこともありました。

でも今日は、スクリーン投影もなく、ブックイベントに来られている方なら知ってくださっているだろうと、その辺の説明はかなり省略して話を進めていきます。

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“本屋や図書館という言葉ではなく「本のある場所」”という言い方をするとき、染谷さんの気持ちはどこに重心が置かれていますか?という松井さんの最初の質問。いきなり核心、ようし、そうこなくっちゃ。

代官山蔦屋書店やB&Bなど、複合的な価値を提供するエポックメイキングな場所が出来た2010年代初頭。

あれからもうすぐ10年、個人の独立系書店もどんどん増えているし、書店の通常のパッケージで出店するのではなく様々なチャレンジが続いている。出版業界外の企業がブランディングツールとして本を導入するケースも増えてきている(本を売る・売らないどちらも)。

こうして「本のある場所」は常に更新されていくなかで、だんだん成熟し、ある意味では飽きられてしまっているのではないだろうか。ああ、また本か、と。(少なくとも僕の中でそういう想いは少しある)

何を、誰が、どこで、いつ(どれくらい)、を分解して、プロットし直す。PA卓のフェーダーのように、ここを上げて、ここを下げて、をもっと意識的になる必要がある。

「鳥居をくぐる」という言い方をしたのだけど、どれだけ事前に期待感をもってらうための装置を持つか、ということがひとつ大切だと思う。具体的には、「箱根本箱」は予約サイトで予約をした瞬間に、「文喫」なら入場料を支払ったその瞬間に、鳥居をくぐる。その先にある施設を体験するにあたり、受け手側の感度をどれだけ事前に上げられるかを丁寧に準備する。

松井さんはNUMABOOKSでの業務とH.A.Bookstoreの運営と、両方をやっている人なので、そのあたりの話がスムーズにできた。「本のある場所」のこれからを考えるにあたって、松井さんとお話できたことは本当によかった。

いま、僕はいくつも「本のある場所」の立ち上げと運営に関わっているけれど、一番先のものは開業が21年秋だ。2020年代の10年間にどんなことをしていけるか。どんな「本のある場所」を作っていくのか。30代がほぼ重なるこの期間にできることはきっとたくさんあるはずだ。がんばらないと。

昨日話を聴いてくださった方や、これから出会う人たちとどんどんチームになって、新しい動きを作っていきたい。貴重な機会をいただいた松井さんはじめブックパラダイスチームのみなさん、ありがとうございました。トートバッグもかわいい。使います。

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