いざ試作。おいしいものを届けたい。
こんにちは。
日がな一日美味しいもののことを考えていて
常におなかがすいているサムシングフォーの大橋です。
先日は市場調査と称して
実際にいろいろなショップの商品を取り寄せての勉強会を実施。
様々な案や意見が出て少しずつ進む方向が見えてきた中で、
まずはひとつやってみよう!という話に。
■試作品ができあがるまで
今回は「The 華紋」のキッチンにて山下シェフが指揮をとります。
(シェフのご紹介はまた改めて行いますので是非おたのしみに!)
検討中メニューのひとつは「和牛ほほ肉の赤ワイン煮」
婚礼ではあまりお出しすることは多くありませんが、フレンチとしては人気のメニュー。
家で作るには時間がかかるし、やっぱりプロの一皿を食べたいとのお声をよくききます。
すでに仕込みをしてくださっており、2日ほど赤ワインにつけこんだお肉。こちらに火を通します。
炎が!!!!!
おうちではこんなに大きなお肉を、こんな火力でまるっと焼くことなんてなかなか無いのではないでしょうか。絶景です!!!
音が!!!香りが!!!!
聴覚も嗅覚も幸せであります。
しばらく焼いていると、大きさが変化していることに気づきます。
フライパンに入れたときと、火を通した後と
この時点で最初の大きさの大体80%くらい、さらに煮込んで約60%くらいの大きさになるんだとか。ぎゅぎゅっと美味しくなっていくんですね。
そしてお肉は大きなお鍋に入り、ここから煮込む工程に。
シェフ秘伝のレシピで、野菜と一緒に煮込まれてゆきます。
そもそもフランス料理は砂糖を使わず、野菜で甘味を出すものだそう。
但し、文化やもともとの食生活の習慣が違う日本人には必ずしもそれがフィットするわけではないので、日本人向けにアレンジを加えているのだとか。
確かに和食には砂糖やみりんって必ず出てきますね。
日本酒もお料理で使うときは煮切って、甘味やうまみを濃縮して使用しますし、そのような味つけに慣れ親しんだ日本人の味覚にあわせてのアレンジ!納得です。
丁寧にアクをとりながら3時間煮込んだら、冷やして一晩おきます。
そしてお肉を一旦出してから煮詰めて布で漉すと、とろんとなめらかなソースになります。
(なめらかすぎて厨房が映り込んでいます・・すみません。)
そして完成品がこちら。
実際に真空パウチに入れて保存、冷凍可能なのか冷蔵なのか、ご家庭で温める場合に湯せんはどのくらいの時間なのか、など意見を出し合い、実際の商品化にむけて協議が進行中です。
■フランス料理とお砂糖の小噺
そしてここからは少しフランス料理のお話を。
「砂糖を使わず野菜で甘味を出す」とシェフの話にあったので、フランス料理における砂糖について少し調べてみました。
諸説ありますので、ご参考程度に。
そもそもヨーロッパで砂糖が知られるようになったのは11-13世紀頃、
日本に入ってきたのは、8世紀頃中国からと言われていますので、日本と比べると少し遅いんですね。
当時のフランスでは砂糖は薬としてみなされており、王室や薬局・医療に関わる人が知る貴重なものだったそうで、その後 次第に富裕層に知られるところとなります。
そして中世終わりから近世に入るあたり、
いわゆるルネサンスの時期(15~16世紀)にフランスはイギリスやイタリアといった隣国の食文化の影響を多大に受けるようになります。
そう、ここで料理に砂糖を使うという選択肢の発生です。
砂糖を料理に加えることには当初医学的な意味もありましたが、砂糖に魅了された貴族の影響もあったと言われています。
しかしルネサンスを境に
過度な香辛料・砂糖の使用は料理の味を損なうとされ(17世紀中頃)
食品本来の味と風味を尊重、砂糖はアントルメに使用されはじめ、そしてデザートへと発展していきます。
ここでフランス料理と砂糖の関係が確立されたとも言えそうです。
(元々アントルメとはメインとデザートの間に出る料理という意味で必ずしも甘い菓子というわけではなかったのですが、現在ではデザートを指す言葉として使われています)
「フランスといえば」の有名人で時代を考えると
ジャンヌダルクが15世紀前半(1412-1431)なので、ちょうど食文化への影響がはじまったところ。
マリーアントワネットは18世紀後半(1755-1793)なので、すでに砂糖を使用してのデザートが定着していた頃と考えられます。
そしてこの後フランス革命が起こり、
王制崩壊・貴族の権力失墜により宮廷や貴族の館で働けなくなった料理人が町に出てレストランを開き、フランスに美食の文化が花開いていくという流れになるようです。
もちろんフランス料理が発展していくにはそれだけではなく、ギルドの廃止やら何やら様々な要素があるのですが、奥深いです・・・。
長々となりましたが、今後もこのようなお話も盛り込みながらプロジェクトの様子をお届けしていきますので、宜しくお願いします。
お読み頂きありがとうございます!
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