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英語から見える文化の闘争『英語の帝国ある島国の言語の1500年史』平田雅博著 講談社

これは、読み方を変えれば、言語の侵略史とも読める本である。イギリス国内でのウェールズ、アイルランドなどへの言語政策が、大英帝国の発展とともに、植民地政策、ひいては、帝国主義への進化となっていく。

英語と言う言語学習は、今、日本の小学校にも、教科として取り入れられている。保護者(親)の英語熱も熱いものがあるのだが、これは、ウェールズの親たちが、18世紀から19世紀にかけて、熱心に学ばせた頃と似ているのかもしれない。

ものすごい時間とお金をかけて、英語を子どもに教えることが必要なのであろうか。自分は、以前、塩野七生氏が、エッセイで書いていた「英語を話すサル」になることへの警鐘を思い出している。日本人として、日本語と日本文化や歴史をきちんと習得せずに、英語を嬉々として話すことが、それほど素晴らしいのだろうか。

読んでいて、いろんなことを考える1冊となった。

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