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読み終えて『怒号の日々』リン・オルスン著

 やっぱり、読んで良かった。これだけの大著。冬休みの昼間と夜、テレビを見ないで、じっくり読んだ。(時々、居眠りしていた。)感想は、知らなかったことばかりで、驚きの連続だった。

 結局、日本の参戦がアメリカ民主主義の内戦とも言える「怒号の日々」に終止符を打ち、アメリカ合衆国の方針を世界の警察のような役割に大転換させる。こう言ってしまうのも、上手く要約したとは言えないもどかしさで。

 背景には、ユダヤ人問題も見えたり、わずかな紙幅ではあるが、合衆国の過ちときちんと書かれた日系人の収容問題にも触れられたりもしていた。

 反戦派のリンドバーグが、戦端が開かれると、一転して、空軍に非戦闘員のオブザーバーの立場ながら、日本軍と空中戦を行いゼロ戦をP38ライトニングで撃墜したエピソードまであり、とにかく、数多くの資料からの記述に圧倒された。

 参戦派のルーズベルト大統領は、これが、また信じられないのらりくらりとした政権運営で、議会を調略しようとする。このあたりの牛歩の運営は、終戦後の昭和期の自民党の首相などに通じる気がした。ただ違うのは、大統領がのらりくらりなら、国民が動くのである。日本の60年安保闘争みたいなのが、1939〜1941/12/08まで続くのである。大統領選もある。トランプとバイデンの選挙なんかで言われるアメリカの分断などの話は、当時と比べるとずいぶん小さな争いに思える。負けた後に、ぐじぐじ言わないのも、大違いで、アメリカも劣化しているんだと思ってしまう。(日本は、それ以上とも言えるが)

 アメリカは残念ながら、第二次大戦で勝利をつかみ、その経験が、世界一の覇権国家となってしまった。だから、朝鮮戦争ーベトナム戦争ーイラク戦争ーその他多くの内戦と言う道を進んで行く。日本も、お先棒は担ぐことはないが、後をついて行っている。

「世界で、同時に2つの場所で戦争を行える唯一の軍が米軍である。」湾岸戦争の頃の米軍の軍人が書いた本にあった。(この本もいずれ紹介したい忘れられない1冊である)

 アメリカは、自分の好きな国の一つであり、そう思えない国の一つでもあるからこそ、もっと知りたい国である。

 ただの還暦過ぎのおっさんが、何言ってんだと言うことですが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

追記 この本が電子書籍になったら、必ず買いたいです。

 

 

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