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最新曲『六つの橋』について

SOMAOTAの完全ソロ名義では4年ぶりの最新曲『六つの橋』のリリースから1週間程経ったので、少しだけこの作品について話します

歌詞のテーマは「グループの中で生きる事と個人として生きる事」
約6年間Black petrolというバンドのMCとして活動してきて、グループで活動する事の難しさ、そして関西の音楽シーン全体に漂う「音楽で成功する事なんて無理だ」という諦念を感じてきました。そしてソロ活動を本格化する事、活動拠点を東京に移す事を決めました。この曲でその意思表明をしています、新たなステージに行くためには退路を断たないといけない、「橋」はライフステージの比喩です。

大阪の大都会・難波に移り住んでから空の狭さに辟易していたある日、朝起きた瞬間に「ここから逃げ出したい!」と衝動的に思い、取るものも取り敢えず外に飛び出しました。漠然と「奈良の山でも行くか」と最寄駅の改札を抜けてたまたま見つけたのが”住之江公園”の文字、特に”公園”という言葉に惹かれました。

頻繁にその名前を目にしていたはずなのに一度も行った事のなかった公園に足を踏み入れると、なんとも穏やかな雰囲気が漂っていました。将棋盤を挟んで向かい合っている2人のおじいちゃん、そして名前も知らない花が咲き乱れていました。

驚くほどゆっくりと時間が流れていることに気づいてホッとしたのか、「リリックを書きたい!」と思い、メモを取り出しました。ちなみに、この『六つの橋』(旧:Bonsan Freestyle )は何度か歌詞を書いていたのですがどれもしっくりこず、そのことがしこりとして残っていました。
気取らずに自分の目についたものを書いていきました、花の美しさを、そしてトイレ掃除するダウン症の青年たちを。

リリックを書き終えた時に、「MVはrennyに頼みたい」と思いつき、すぐに連絡、多分rennyとは3,4年顔を合わせていなかったのですが快くOKしてくれました。

MVのテーマは「(観た人が)自然に触れたいなと思うVideo」、後は題名の『六つの橋』を踏まえて関西中の橋を2人で回る事に。一般的にイメージする水辺の橋以外にも、歩道橋も橋だし、横断歩道も橋の一種として捉えられるよね、という話になり色んな「橋」をMVの随所に散りばめました。

トラックはポスト・トリップポップバンド”TAMIW”のドラムとしても活動するビートメーカーBON-SAN。 今まで僕は、コード・リズム共に複雑なトラックの上でラップをすることが多かったのですが、原点に戻りループ一発のHIPHOPトラックに乗りました。BON-SANに「トラックをお願いしたいです」という連絡をしたらすぐにストックをまとめて送ってくれ、その中からこのトラックー2000年代のネタ感にブレイクビーツをぶつ切りにしたかのような斬新なドラムパターン、体を預けたらいつまでも揺れていられるようなトラックーを選びました。

最後に、『六つの橋』には(憎っくき難波にある!)DUCK HOUSEでの生活、そしてDUCK HOUSEのメンバーのことについても歌っています。DUCK HOUSEに移り住んで無かったら、日々の些事に忙殺されて僕自身の音楽活動が止まっていただろうと思います。とにかく2人には感謝を、そしてrenny、BON-SAN含めこの『六つの橋』の制作に関わってくれた人にも感謝を伝えたいと思います。ありがとう、それでは次の作品も楽しみにしていくださいね


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