見出し画像

1冊も読んでないけど、本屋大賞ノミネート作品を全作紹介する

はじめに

今年も、本屋大賞候補作品がノミネートされましたね!

大賞は4月10日発表とのことで、「それまでの期間にノミネート作品を制覇するぞ〜!」と意気込んでいらっしゃる読書家の方々をInstagramでよく見かけます。

私自身は根っからの文庫派で(価格の安さ・持ち運びの利便性・収納場所の確保などの理由からです)、発刊されたばかりの単行本はほとんど読まないので、ノミネート作品は残念ながら一作も読めていません(そして発表までに一作も読まないと思う涙)。

とはいえ、最近はInstagramでの情報収集が容易になったこともあり、ノミネート作品の中には「これ気になってたやつ〜!」という作品がたくさん含まれていました。

そこで今回は、2024年の本屋大賞にノミネートされた全作品に対して、未読の立場から好き勝手にコメントしていこうと思います笑

当然のことながら大賞予想とか順位予想はできませんが(なんせ読んでないので笑笑)、ゆる〜く楽しんでいただければ幸いです。

2024年の本屋大賞ノミネート作品!

『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈/新潮社

2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。発売前から超話題沸騰! 圧巻のデビュー作。

出典:Amazon

これは発売された直後にInstagramでかなり話題になっており、めちゃくちゃ記憶に残っていた作品。

皆さんが口を揃えておっしゃることには、どうやらこの「成瀬あかり」という主人公がとんでもなく魅力的みたいですね。

しかも滋賀県が舞台ということで、となりの京都府出身の私としてはちょっと親近感!笑

あらすじを読むだけでも、主人公の破天荒で勢いのある感じが伝わってきます!!

しかも本屋大賞にノミネートされたこのタイミングで、なんと続編が発表されるという。

話題性MAX、勢いMAXの作品で、「気になるな」という方が無理でしょう。笑


『レーエンデ国物語』多崎礼/講談社

異なる世界、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国。
母を失った領主の娘・ユリアは、結婚と淑やかさのみを求める親族から逃げ出すように冒険の旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタン。
空を舞う泡虫、琥珀色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。ユリアはレーエンデに魅了され、森の民と暮らし始める。はじめての友達をつくり、はじめて仕事をし、はじめての恋を経て、親族の駒でしかなかった少女は、やがて帰るべき場所を得た。
時を同じくして、建国の始祖の予言書が争乱を引き起こす。レーエンデを守るため、ユリアは帝国の存立を揺るがす戦いの渦中へと足を踏み入れる。

出典:Amazon

これもInstagramでめっちゃ見ました!

タイトル、あらすじ、そして装丁までもが、まさしく王道ファンタジー!(この装丁は美しすぎて単行本欲しくなる、、、)

私、子どもの頃はファンタジーが大好きだったのですが、大人になるにつれて日常生活の中での心情の揺れ動きにフォーカスした作品の方に好みが変わってきたんですよね。

多分、そういう大人の読者の方って多いんじゃないかなぁ。

だからこそ、本屋大賞ってファンタジーの受賞作が少ないと思うんですよ。(上橋菜穂子さんの『鹿の王』だけでは??)

そういう意味でも、『レーエンデ国物語』にはぜひいいところに食い込んでほしいです。

2巻、3巻の装丁、サブタイトルも、いかにもファンタジー!って感じで大変好みです。


『君が手にするはずだった黄金について』小川哲/新潮社

認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!

出典:Amazon

これは不勉強ながら作家さんも作品名も存じ上げず、まったくのノーマークだった作品。

意味深なタイトルと装丁、そしてあらすじを読む限り、なんとも不穏な感じの作品ですね。

Amazonを見ると、“才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」”というキャッチコピーが付いていて、かなり興味をそそられます。

あと、連作短編集っていうのもポイント高い!

はじめて読む作家さんでいきなり長編作品にチャレンジするのって、個人的に少しハードル高いんですよね。

直木賞も受賞されてる方ということで、かなり期待値高いです!!

『黄色い家』川上未映子/中央公論新社

2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。
60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。
長らく忘却していた20年前の記憶――黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。
まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな〝シノギ〞に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい……。
善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!

出典:Amazon

「最近、『〜な家』ってタイトルの本流行りすぎじゃない?」って思ったのはきっと私だけじゃないはず。笑

書店で大きくコーナーが作られてて、黄色の装丁が目立ってたこともあり、かなり印象に残っていたのですが、あらすじは今回はじめて知りました。

私は、ある程度人生を歩んできた主人公が昔を回想するお話が結構好きなのですが(カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』『日の名残り』とかね)、これは相当不穏な記憶が掘り返されそうですね。

ジャンルとしてはミステリーになるのかな??

川上未映子さん、実はまだ読んだことがない作家さんなので、この作品でデビューするのアリだなぁ、、、。

『水車小屋のネネ』津村記久子/毎日新聞出版

誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――

助け合い支え合う人々の40年を描く長編小説
毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!

出典:Amazon

Instagramで複数名のフォロワーさんが「これよかった!」と教えてくださって以来、すごく気になっている作品です。

数十年の年月を描く小説って、登場人物の人生や生き様に触れられて、心が揺さぶられるところが好きなんですよね。

ぱっと思いつくのは、森絵都さんの『みかづき』、朝井まかてさんの『眩』かなぁ。

この作品に関しては、「しゃべる鳥〈ネネ〉」が物語にどういう風に絡んでいくのかも気になる。

タイトルや装丁の雰囲気から、心が温まる系のお話かな?と想像したんですが、どうなんでしょうか。

存じ上げなかった作家さん、作品ですが、本屋大賞ノミネートを機に知ることができて嬉しいです。

『スピノザの診察室』夏川草介/水鈴社

雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。

出典:Amazon

『神様のカルテ』で有名な夏川草介さんの医療小説がノミネート!

夏川さんが医師として過ごしてきた20年間の集大成のような位置付けの作品になるんでしょうか。

あらすじを読むだけでも、かなり心を打つ作品であろうということが伝わってきます。

しかも、物語の舞台は京都!京都生まれ、京都育ちの私としてはポイント高いです!!

装丁も美しいですが、タイトルの「スピノザ」が何を表しているのかも気になる。

実は『神様のカルテ』もまだ読めていないので、まずはそっちから読んでみようかなぁ。


『存在のすべてを』塩田武士/朝日新聞出版

平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる。質感なき時代に「実」を見つめる者たち──圧巻の結末に心打たれる、『罪の声』に並び立つ新たなる代表作。

出典:Amazon

知らない作家さんかな?と思いきや、『罪の声』は知ってました!読んだことはありませんが。

あらすじを読んでもいまいちストーリーがイメージできないのですが、Amazonレビューでは絶賛の声が多く、かなり心を揺さぶられる作品みたいです。

誘拐事件と言われると、凪良ゆうさんの『流浪の月』が思い出されるのですが、なんだか全然雰囲気が違いそう。

『存在のすべてを』っていうタイトルの意味も気になりますね。


『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』知念実希人/ライツ社

夜の学校。プールに放たれた金魚。だれが、なんのために? 
4年1組の辻堂天馬・柚木陸・神山美鈴、通称「ミステリトリオ」が先生の依頼で動き出す! 
「ぼくは読者に挑戦する」 
名探偵・辻堂天馬の挑戦に、キミはこたえられるかーー? 

出典:Amazon

児童書が本屋大賞にノミネートされるって、かなり珍しくないですか??(と思ったら、帯に「史上初」って書いてあったわ!)

Amazonでは「9才から大人まで楽しめる本格ミステリ」「人生初の伏線回収」と紹介されていて、なるほどこれは気になる、、、。

優れた児童書というものは、大人が読んでも面白いものですからね。

私が9歳の頃に読んでいたミステリといえば、はやみねかおるさんの『夢水清志郎』シリーズや松原秀行さんの『パスワードはひ・み・つ』とかなのですが、覚えてる人いるかなぁ。(青い鳥文庫には本当にお世話になりました笑笑)

現在3巻まで刊行されているようですが、この各巻のサブタイトルがまた、小学生向けのミステリー感満載でいいですね。


『星を編む』凪良ゆう/講談社

『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語
「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?
「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。
「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。

出典:Amazon

『汝、星のごとく』が本屋大賞を受賞した時点で、「凪良ゆうさん、2度目の受賞すご〜い」とか思っていたのですが、今年もまたノミネートされたんですか??

しかもこの作品、『汝、星のごとく』のスピンオフ作品ですよね、、、いくらなんでもすごすぎませんか??

私はまだ『汝、星のごとく』すらも読めておらず、完全に出遅れてるのですが、もう一つの大賞受賞作『流浪の月』の感動はすごかったからなぁ、、、。

期待は軽く越えてきそうで、読むのが楽しみすぎます!!

まあ、まずは『汝、星のごとく』からだな。最近文庫化された『滅びの前のシャングリラ』もはやく買いたいな〜〜!


『リカバリー・カバヒコ』青山美智子/光文社

新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。

出典:Amazon

優しい文体と、登場人物のつながりが温かい連作短編形式、背中を押してくれる前向きな物語が魅力の青山美智子さん!私も大好きな作家さんです!

『お探し物は図書室まで』『赤と青のエスキース』など、ここ最近は頻繁にノミネートされて上位にランクインしているので、そろそろ大賞来るのでは…??

『赤と青のエスキース』はまだ読めていないのですが、めちゃくちゃ気になってる作品です!

Instagramで話題になってたので前々からチェックしてたのですが、あらすじや皆さんの感想を見る限り、今作も青山さんの魅力全開って感じがするなぁ。

カバヒコっていうのがまた、マスコットキャラクター性があっていいですよね。

装丁も、全体的には寂しげな雰囲気の中にカバヒコの愛嬌のある表情が際立っていて素敵です。文庫化する時、表紙変えないでほしいな〜!


おわりに

今回は、2024年の本屋大賞ノミネート作品に対して、未読の立場からコメントしてみました。

今年も気になる作品がたくさんありましたね〜!

本屋大賞に限らず他の文学賞でもそうですが、こうして話題になることで知らない作者さんを知れたり、普段は読まないジャンルに挑戦するきっかけになったりと、読書の幅が広がるのがいいですよね。

ノミネート作品を読んだ方々のSNS投稿を拝見しつつ、発表の日を楽しみに待ちたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?