映画MONSTER HUNTERvsMHWプレイヤーの私

やってる?MHW。良かったらプレイしてみてね。
https://www.capcom.co.jp/monsterhunter/world/

イチから話せば長くなるが我々初代モンハンからプレイしてきた世代にとって映画版というのは一つの夢であったのかもしれない。このモンスターたちがスクリーンで暴れまわったなら…理不尽に薙ぎ払われたり成長して狩れるようになるこの感覚を映画館で味わえたら…なんて妄想したり。それから映画観賞趣味といえば一種のステータスであったし、休日にアクションモノの映画を見てコーラ飲んでポップコーンを食べるってのは最高である。そして映画といえばハリウッド。本場ってやつで作られた上級娯楽は子供ながらに憧れがあったしスゴイ映画を作ってくれると信じていた。ある程度の品質は保証されていた気がする。しかしながら”アニメ化”や”実写化”という華やかではあるがリスクが高い言葉に踊らされ、打ちのめされ、悔し涙を流してきた(流してない)ため、今はさほどでもない。さて、イチから話そうとしたためにやはり長くなったが、割とどうでもいい語りで日が暮れてしまったしそろそろ映画版MONSTER HUNTERの感想など書いていこうと思う。

※表題は”モンスターハンター”なので”モンスターハンターワールド”ではないのですが、キャラクターはMHWから引っ張ってきていると思われるのでほぼワールドの話をしています。ご容赦ください。

ここから下は映画/ゲームのネタバレがある可能性があります。

設定の多くが微妙に異なる。

一つ一つ挙げて行けばキリが無い解釈違いの多さ。いっそ清々しいほど全くの別モノ+ミラジョボであればヤキモキせず”こういうもんだ”で終われるのだが多少なり”似せてみました!”という努力が垣間見えるのが何とも気だるい部分である。例えば衣装デザインはかなりMHWに出るキャラクターに近いし(上半身は特に。下半身はアクションするのでアレが限界だったのかなとも思います)、似てるかは置いといてそれなりに役者さんも寄せてきてる。特に陽気な推薦組ペアはじっくり見たら似てないかもしれないけど雰囲気がかなり似ていた。いっそ似ていなかったら…いっそ似ていなかったらモヤモヤしなかったんですが!
※ここで映画版は見たけどMHWはプレイしてないんだよね~って方に一応解説。陽気な推薦組はオレンジのモヒカン青年と黒髪の長めボブのお姉さんの二人組です。モヒカン青年はゲーム冒頭からプレイヤーに気さくに話しかけてくれたり、時には一緒に奮闘してくれたりします。彼は変な装備を作成するためのクエストを依頼してくるので実はクラフト気質なのかもしれません。また、そんな彼の相方である編纂者(プレイヤーであるハンターの代わりにクエストを考えたり調査対象の勉強したりする書記みたいな職業の人、受付嬢達もこの職業)黒髪ボブのお姉さんはモヒカン君を支える良い女房役な人です。
ちょっと勝気なこの二人ですが、映画内では捕らわれたミラジョヴォビッチをいじるという嫌な役となっており、しかもモンスターに精通しているはずの編纂者が大団長に痕跡の解析をさせる始末です。

違うんだよ!!

受付ジョーはまあ、ああいう子かもしれないけど(?)、二人は呼びかけたり話しかけたりするタイプじゃないかな!?あと痕跡は大団長が拾ってから、それを見た編纂者が「これは…リオレウス!」って言ってほしかったんだよなあ~~!!!大団長はもっとガッハッハキャラなので常に険しい顔をしているのが違うちがうちがう!そのテンションなら総司令でよくなかったかな?!あ、でも料理長は何となくキャラ通りだったのでよかったです。

そして特に強烈な違和感があったのが、調査班リーダー。じっくり見ると似てないんだけど雰囲気はかなり近い。衣装も前述のとおりゲームに近いものだし、骨系装備もモンハンっぽいし、弓アクションも良い。でもね…ミラジョヴォビッチと喧嘩するシーン全部いらなくないか!??そういう人じゃなないんだよなあ!!!!!ゲーム内では唯一の新大陸生まれで(つまり土地勘はあるはず)プレイヤーや他のキャラクターが無理をすると本気で怒ってくれる真面目で人情がある男なのだ…あと変な宗教に入ってるわけでもないし(新大陸生まれだってば、新大陸ってアジアの事じゃないですよ)、仲間をバカにするようなこともしない。

…と、個々のキャラクターに対する違和感で置いてけぼりにされ続け「モンスターはカッコいいのになあ~~!?」という微妙な感じで映画は進んでいく。(ディアブロスの角は自殺爆弾じゃなくてリーダーの矢で折れたの?それはさすがにあの死んじゃった人可哀そうじゃない?)(ディアブロスといえば音爆弾みたいなとこあるのに音感知の表現で終わらせてしまっていて音爆弾的なものはないのは惜しいなあ…)(次々に倒れていく仲間達…にドラマつけるのはいいんだけどミラジョボ心肺停止判断の後に生き返るのどういうこと?脈見逃した?)(お灸みたいなやついっぱい落ちてるけどバゼルギウスはいないんだ…?何このお灸…?スモークがほしいのは分かるけど何…)(っていうかネルスキュラワールドにはいn…いやワールドの映画じゃないんだこれは…ワールドの映画ではない…)(その火が出るスラアク?何?新装備?もっとこう側面から殴りつけたりしてほしいな?そういうアクションは金かかるのかな…?)

つっこみだしたら止まらない、ここは大蟻塚の荒地。
そして極めつけがゲームの主題と主張が異なっている点。これが一番納得いかない。

謎の嵐に巻き込まれ異世界へと飛ばされる→OK!そういう事もあるよね!
異世界で言葉が通じない現地民と出会う→コラボにありがちだけど良いね!
そこでは現実世界の常識が通用せず翻弄される→世界観が見えてくるね!
元の世界に戻るには謎の嵐へと立ち向かわなければならない→熱いね!
謎の嵐の原因はなんと…謎の古代遺跡だった!→!!!なんでだよ!!!!古代遺跡を建築した古代人達の描写されたモンスターハンターシリーズあるのかな…?モンスターハンター…

もうね、モンスターハンターワールド、プレイしてみてほしい。
天変地異を引き起こしているのは古龍種というモンスター。それに対してプレイヤーであるハンター及びギルドの人員が調査し、極端な地形の大規模破壊や生態系を守るために討伐をしたりする、MHWの世界はそういうストーリー路線なのですが…何?!古代遺跡?!?????それもう別のゲームで良いですよ!!!トゥームレイダー始まっちゃうよ!!アイドス!!!!!

ゲームの中で出てくる”天変地異を巻き起こす古龍種に、この地が滅ぼされるのが自然の流れなのかもしれない…でも、強大な力を前に我々もただの傍観者たりえない。滅ぼされるのを待たずに抗う我々もまた自然の一部!”みたいなのも無い。古代遺跡に門番としてリオレウスを配置した…とするともう、文字がある人間の文明ありき。違うんだよ!!!そういうゲームじゃないの!!根本的なテーマとしては大自然に翻弄される人間なの!!!

良かったところは剥ぎ取りとか部位破壊の部分です…ディアブロス、鱗をソリにされてたけど…それから、モンスターはかっこよかった。リオレウスが空飛んだりするシーンなんかは興奮しました。迫力あるドラゴンの空中アクションは映画ならではですね。ディアブロスもゲームそのままに画面狭しと動きまくります。ゴマちゃんはツノがにゅっとしてない状態なのでニュルニュルしてるイメージですが、謎のモンスター感がありカッコよかった。アプケロスもゲームそのまま、カプコンから3Dデータの提供があったのかな、どれも最高にモンハンでした。

アプケロスが草食だよって言ってその後に腹ごしらえに肉を焼くシーンがあるなら、アプケロス狩ってその肉を食べる流れだったらすごくモンハンだったんじゃないかな!?プレイヤーだったら”生肉さん”って呼ぶくらいアプケロスは食料として見ているはずだと思います。言いすぎかも。アプケロスは食料だなという認識のプレイヤーもいます。のでやっぱそこはアプケロス食べてほしかったかも…ナイフで削ぐんじゃなくて一気に噛みついてね?そこは現地民らしくガブっとね?何かへの配慮だったのかな?

まとめ

画面自体は凄く綺麗でした。一昔前の微妙なCG感や”予算無いんですよ~”みたいな引き延ばした画面も無く、アクションもよし。でもストーリーと世界観、キャラクター性などがどうにも納得できないものでした。なので…ワールド以外のモンハンプレイヤーや、モンハンやってないけどファンタジー映画好きだよな方なら楽しめるのではないでしょうか。
個人的にはコレ、映画を見る1900円、セール待ってスチーム版買った方が…という気持ちが強くなってしまいました。どうぞお許しください。アイスボーンでミラボレアス討伐した時の方が、”映画、モンスターハンター”って感じです。

敬白

2022.8.19 言い回しが鬱陶しい部分など修正しました。ライズやってます。サンブレイクまだ買ってません。

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