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父娘、旅に出る。Day2_180910

到着から一夜明けた朝は、久しぶりにアラームなしで6時半に目が覚めました。
まだ夜かと思うほど薄暗かったけれど、どうやらこちらの日の出は遅く、8時半を過ぎないと明るくならないとのこと。
(その分?夕飯のスタートは21時で、みんな夜遅くまで起きて食べて飲んで、喋っています^^)

せっかくだから散歩でもしようかと、宿を出て父と出かけた先は、今回の旅の目的地でもある「我が家」。ここはふたりの兄と私が生まれ育った家でもあります。

心臓破りどころではない急な斜面に、オリーブやアーモンドの木々が茂り、白壁の家が立ち並ぶ場所。

「大きなスイカを抱えて、新婚当時のお母さん(私の母の意)がこの急な坂を登ってた」
「ここはYuji(長男)の同級生の家で、お母さんがレースのカギ編みを習いに行ってた」

私に話しかけているのか独り言なのかもわからない幾つものつぶやきは、記憶の輪郭がはっきりとし始めた父が、目的地に向かって夢中になっている証拠でした。

結局父は、25年という長い月日の中で周囲もたいそう変わっているにもかかわらず、一度しか迷わず、目的地にたどり着きました。

そして、我が家の入り口には、年季が入り文字が少し欠けてしまってはいるけれど、若かりし父と母が石を連ねた「VILLA DE ISE(≒伊勢家)」の文字が残ってくれていたのでした。

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